【メンズ向け】礼服用のスーツを選ぶ3つのポイント
大人のクロゼットには礼装の常備を
結婚式などの慶事なら事前に礼装を用意しておけますが、弔事は急に訪れるもの。いつ何時でも慌てないよう、クロゼットに礼装を用意しておくのが大人の嗜みです。そのうえ数年前に用意しておいた礼装は、急に必要になって引っ張り出して着てみるとサイズが合わなくなっていたりすることもあります。定期的にメンテナンスを兼ねて確認はしておきたいものです。もちろん流行に左右されない、クラシックな礼装を用意しておきましょう。
慶事と弔事の礼装の基本を知っておく
慶事専用の礼装には、モーニングやタキシードを用意しておくのもよいでしょう。モーニングコートはコールパンツと合わせて、午前中から開催される式典で着用します。午後から始まる慶事の席には拝絹付きのタキシードと側章入りのパンツを合わせます。シャツはウィングカラー、もしくは衿羽根の白無地シャツに、ボウタイもしくは結び下げのシルクサテンのタイを締めます。最高位の礼装はホワイトタイですが、これは主催者もしくは、褒章の授賞式、クラシックコンサートの指揮者が着用するものと相場が決まっています。大方の礼装はブラックタイで招かれることが多いはずです。靴はパテントレザーのオペラパンプス、あるいは内羽根式のストレートチップ、もしくはプレーントウを合わせます。
弔事にはブラックスーツを着用します。欧米では礼装といえばグレースーツを着用することが多いのですが、日本では無地のブラックスーツが一般的です。タキシードクロスのプレーンなブラックスーツを用意しておけば、慶弔時の礼装に着回せて現実的といえるでしょう。
シャツは白無地、タイは黒またはグレーにして柄ものは避けます。大切なこととして、ポケットチーフはもちろん、腕時計やカフリンクスなど、結婚指輪以外の装飾品は外します。靴は黒い内羽根のストレートチップ、もしくはプレーントウのみが許されます。
汎用性ならブラックスーツが便利です
礼装用のブラックスーツは、各部のディテールが一般的なビジネススーツと異なります。たとえばジャケットのラペルは、エッジにステッチが入っていないものが礼装用には望ましいとされます。ジャケットの裾はノーベントで、パンツの裾はシングルにします。また慶弔行事は室内で行われる事が多いため、ジャケットのポケットはフラップ無しのものを着用する場合が多く、可能ならばフラップレスでオーダーするのがよいでしょう。フラップ付きの場合はポケット内にしまうことで、ドレスコードを知っていることをアピールすることもできます。
慶弔時のコーディネートのコツ
慶事の場合、シャツは白無地が無難ですが多少の柄は許される傾向にあります。このルールは、英国王室の礼装を基準とすることが一般的で、最近はクレリックシャツも着用できるようになりました。かつては白いサテンのタイを締めましたが、最近はシルバーのタイも人気です。ポケットチーフの差し方はクラッシュやパフにして華やかさを演出します。
弔事の場合、シャツは白無地のみが許されます。織り柄などは遠慮すべきで、ダブルカフスなども着用してはいけません。装飾品を一切用いてはならないとされますが、唯一ピークドラペルのダブルブレストは可とされます。靴もウィングチップやメダリオンシューズなど、穴飾りのついているものは避けたようが良いでしょう。