HOW TO 2018.10.29

フォーマル&ビジネスに使える、最上級のコートとは?

フォーマル&ビジネスに使える、最上級のコートとは?

「チェスターフィールド」を知っていますか?

秋冬の季節、スーツを着るうえでコートは欠かせない。ならばビジネスやフォーマルなど、エレガンスを要するスタイルに着るコートとして何を着るべきか。雨濡れを防ぐレインコートや、防寒機能の高いダウンジャケットではいけない。結論から言えば「チェスターフィールドコート」がもっとも適している。

「チェスターフィールド」とはテーラード型のジャケット同様、ラペルを備えた膝丈ほどのコートのことだ。19世紀半ば、ときのチェスターフィールド氏が現在のような形に導いたとされている。チェスターフィールド氏の祖父にあたる第4代フィリップ・チェスターフィールド伯爵は、紳士録として知られる『息子への手紙』を著した著名な政治家だったが、6代目にあたるチェスターフィールド氏は、爵位はあったようだがその素顔は明らかにされていない。しかしながら大変な洒落者であったことは、コートに名を残していることからも想像できよう。

フォーマル&ビジネスに使える、最上級のコートとは?

チェスターフィールドコートは、それまでのオーバーコートをモダナイズしたものだ。諸説はあるが、それまでのジャケットはすべて着丈が長く、裾を覆うためにコートはすべて膝下丈だったのだが、やがてジャケットそのものの着丈が短くなってきたことでコートにも改良が加えられていく。薄手のコートにオーバーコートを着るスタイルから、一枚でジャケットの上に着られるチェスターフィールドコートはファッションアイコンであった貴族から、瞬く間に市井に広まり、比翼仕立てにされたり、Vゾーンの深いもの浅いもの、シングルブレストやダブルブレスト、ポケットの形状も様々にデザインされることになったようだ。

このようにデザインコートのベースとしてのチェスターフィールドコートは、防寒目的というよりもファッションユースとして支持されたものだ。そのため、もっともフォーマルな席へ赴く際や、お洒落をして出かける際にこそ着るべきコートといえるだろう。ビジネススタイルでもエレガントなスーツならば、コートはチェスターフィールドでなければならない。パーティはもちろん、冠婚葬祭など正装で向かう際も、唯一許されるコートはチェスターフィールドなのである。

フォーマル&ビジネスに使える、最上級のコートとは?

最上級のシーンで着るためのコートならば、チェスターフィールドの素材にもまた上質素材を使わねばなるまい。もっとも適しているのはカシミヤだ。カシミヤ山羊の極細絨毛を、ふんわりと空気を含むように織りあげた素材は、「とろける」という表現で表されるほど極上の手触りと保温性を備えている。見た目の高級感とともに、冬の防寒性をも備えるカシミヤのチェスターフィールドコートは、紳士のクロゼットに必ず持っておかねばならない一着なのである。