スリーピースがビジネススーツに最適な理由
スーツの正統はスリーピースだ。100年ほど前にスーツが現在の形状に近づいた着た頃から、ジャケットと共地のパンツとベストの3つ揃えとされていた。ベストを省いたのは、その後アメリカがリードした大量生産時代に入ってからだ。どこかお堅い印象のあるスリーピースだが、もとを辿れば由緒正しい正統な男の服。威厳もあって然るべきだ。
スリーピースは必ずしも3つ揃えで着なくてもいい
スリーピースと聞くと、必ず3つ揃えで着るべきと思われるかもしれないが、ベストは必ずしも着る必要はない。ときにジャケット&パンツの2ピースで着ても、なんら違和感はないのだ。暖かい日はベストを脱いでもいいし、初夏でも大事なプレゼンテーションがあるならベストを着ていく。ツーピースだと、今日はベストがあったらいいのにと思ったときに対応できない。気分とシーンに合わせて着分けることができるのがスリーピースの利点なのだ。
スリーピースなら7通りの着方ができる
ジャケット、ベスト、パンツをセットで着るのを基本として、各アイテムを単品使いして3通りの着方ができる。ときにベストを脱いでツーピース、ジャケットを脱いでベスト&パンツに手持ちのジャケットを羽織ってもいい。同じように考えれば、ジャケット&ベストに手持ちのグレースラックスやデニムをあわせるカジュアルな着回しも可能だ。一着で7通りに着回せるセットと考えれば、お買い得なスーツと言えるのではないだろうか。
オフィスでもスマートなスタイルでいられる
デスクワークなどの際、ジャケットを脱いでいることがある。ふと気付けばシャツがしわしわだったり、汗ジミが浮いていたりして、恥ずかしい思いをしたことがないだろうか。そんなときでもベストを着ていれば、トップスはスマート。そもそもベストは身体にピッタリフィットさせて着るので、多少恰幅の良いひとでも、引き締まって見せる効果もあるのだ。
秋もコート不要で出勤できる
ジャケットの下に一枚ベストを着るだけで、意外と温かく過ごせるもの。都会のビジネスマンなら自宅から駅までのほんの数分を歩くだけで、会社は駅直結あるいは地下道で行けるというひともいるだろう。そんなひとほどコートなしでも温かいスリーピースは便利だ。春はスリーピース、初夏は普通にスーツで着て、秋になればまたスリーピースでいける。通年着用できるだけに、コストパフォーマンスも申し分ない。
派手柄のタイが使える
ベストを着込むスリーピースは必然的にVゾーンがジャケット単品のときよりも狭くなる。そのためタイの色柄が多少派手でも、見える分量が小さいため、コーディネートのポイントに使いやすくなるという利点がある。ビジネススーツに派手柄のタイは本来ご法度なのだが、ドレスコードに寛容なオフィスなら心配無用。きちんとスリーピースを着ていながら、遊び心あるVゾーンコーディネートができれば、余裕もあり頼れるビジネスパーソンを演出できるに違いない。