フォーマルスーツ(礼服・喪服)の正しい選び方
結婚パーティや二次会、弔事など、年に一回、着るか着ないかという礼装に特別なスーツを用意するまでもないと考えるなら、普段使いできて礼装にも着回せるスーツがあるといい。冠婚葬祭にブラックスーツは定番だが、黒無地で光沢があるスーツはビジネスに不向きなので、ほんのり光沢があるシャークスキンのスーツなどが便利。チャコールグレーやミッドナイトブルーという選択肢もある。
光沢無地もしくはシャドーストライプのダークスーツ
たとえば結婚式の二次会など、華やかなパーティに出席するなら無地のダークスーツが間違いない。光の加減でストライプの光沢が浮き上がるシャドーストライプはエレガントだが、ビジネス色が強いストライプ柄は避けたい。色は日本のビジネスシーンで許される黒のシャドーストライプスーツを一着用意しておくと便利だろう。もちろんネイビーまたはグレー無地で、ほんのり光沢がある素材使いのスーツなら万能だ。懐の余裕があるなら、玉虫色の光沢があるソラーロ生地を選ぶのも洒脱な選択だ。
夜のパーティーシーンには光沢感のある素材を着る
ブラックスーツの場合、昼間はウールサージでも良いが、夜の華やかな席に着ていくなら光沢感があるほうがいい。会社終わりに出席するなら、Vゾーンで華やかさを演出するためにネクタイぐらいは着替えよう。フォーマルなシーンなら白無地シャツにシルバータイ。赤や黄色など、鮮やかな色柄のタイで胸元を飾ることで、ビジネススタイルとはひと味違った装いも楽しい。上級者ならウィングカラーのシャツにボウタイを。タキシードでなく、普通のブラックスーツでも許される。あえてカジュアルなシャツにボウタイをして、カジュアルパーティに望むのも今風だ。
ビジネスカラーのスーツはポケットチーフで華を添える
ネイビーやグレーのスーツでも選び方次第ではパーティウェアに着回せる。こちらもシルクやモヘアなど光沢感ある素材を織り込んだものがいい。無地の白シャツ以外にも、フリルやピンタックつきのブザムシャツや、ウィングカラーのシャツを合わせたり、華やかな色柄のベストを中に着るというテクニックもある。ポケットチーフは白のアイリッシュリネンがもっとも正装用とされるが、光沢感あるシルクサテンの色柄チーフをクラッシュまたはパフドで挿しても華やかさを増す。
弔事のダークスーツは一切の装飾品を外して
慶事の場合はドレスコードに慣用な場合が多いが、弔事の場合は注意が必要だ。急な通夜に出席するなら、あえて礼装でなく仕事着で駆けつけても許されるのが一般的だが、ダークネイビーやチャコールグレーならより失礼に当たらない。その場合でも無地の白シャツに黒いタイを締め、ポケットチーフやカフリンクスなど装飾品は、結婚指輪以外すべて外す。前もって日程が通知されている葬儀などの場合には、黒の礼服で出席せねばならないことは覚えておいてほしい。