覚えておきたいネクタイの結び方3種
ジャストフィットしたスーツとワイシャツに、きりりとネクタイを結ぶタイドアップスタイルは、ビジネスやフォーマルなど、ドレスアップシーンに不可欠なスタイリングだ。社会人としての秩序的な意識と心構えを表し、どんな場所でも通用するスタイルだけに、大人の男性ならきちんと押さえておきたい。
とくにネクタイを結ぶ所作は靴を履いて家を出る直前の、コーディネートの仕上げに行う神聖な儀式でもある。鏡の前で一発でノットが決まったときは、今日はなんだかいいことがありそうな気もしてくるというもの。逆にノットが決まらず、何度も結び直しているうちに、ネクタイにシワが入ってしまうと、外出するのがイヤになってしまうこともあるだろう。
ここでいま一度正しいネクタイの結び方を再確認しておこう。もっとも基本的なプレーンノットは、あらゆる衿型のドレスシャツに合わせられる結び方だ。昔に比べて剣幅が細身になっている現代のネクタイには、もっとも適しているといえる。もう少しノットを大きく結びたいなら、セミウィンザーノットや、ウィンザーノットという結び方がある。こちらは衿羽根の開き角度が大きいシャツのときに似合うので、盛装したいとき用に覚えておいて損はない。
プレーンノット
ノットを小さく結ぶのに適しており、シャツの衿型を問わず、一般的なドレスシャツに似合う結び方。スーツを着はじめたばかりの若い人から、着慣れた熟年層まで年齢や立場を問わず、ビジネスにはもちろん冠婚葬祭などフォーマルなシーンまで、オールマイティなオケージョンに対応できる。
1. シャツの衿にネクタイを通したら、大剣を長めにとって小剣の上でクロスさせる。
2. 大剣がねじれないよう、大剣の裏を正面を向くように小剣に巻きつける。このときクロスするポイントを手で押さえながらディンプル(エクボ)を作っておくと、このあとの作業がしやすい。
3. クロスポイントを押さえている手の甲に大剣を巻きつけ、剣先を首元のループに下から通し上へと引き抜く。
4. 手の甲に巻いた大剣の輪に上から剣先を通し、下へ引き抜いてノットの形を整える。
5. 小剣を引いて締め上げる。ノットはやや歪んだ二等辺三角形に仕上がるのが正しい。
セミウィンザーノット
プレーンノットはやや歪んだ二等辺三角形だが、セミウィンザーノットはノットが正三角形に仕上がる。そのため、衿元が端正な見え方となり、品行方正な生真面目さが漂う結び方となる。ワイドカラーやカッタウェイカラーなど、衿開きの角度が大きい衿型に似合うことから、フォーマルなシーンに合わせたり、ビジネススタイルなら上級職の威厳あるスタイルにも相応しい。
1. プレーンノットと同じように、大剣を長めにとって小剣の上にクロスさせる。このときプレーンノットより大剣は長めにとっておく。
2. 大剣がねじれないように、小剣に巻きつける。小剣にディンプル(エクボ)を作っておくと、このあとの作業がしやすいのはプレーンノットに同じ。
3. クロスポイントを押さえながら大剣を首元のループに上から通し下へと引き抜く。
4. 大剣を一度締めて、クロスポイントを三角形に整える。
5. クロスポイントを押さえた手の甲に巻きつけながら、剣先を首元のループに下から上へと引き出す。
6. 手の甲に巻いた大剣の輪に上から剣先を通し、下へ引き抜いてノットの形を整える。
7. 小剣を引いて締め上げ、衿元に収める。
ウィンザーノット
セミウィンザーノットより、ノットが大振りに仕上がる結び方。衿元で主張したいときや、あえてウィングカラーのシャツに結び下げのネクタイを合わせるときにも活用できる。上級職のビジネスマンの貫禄あるスタイルとしても相応しい。
1. プレーンノットと同じように、大剣を長めにとって小剣の上にクロスさせる。このときセミウィンザーノットより、さらに大剣を長めにとっておく。
2. クロスさせた大剣を、下から首元のループに通し、ノットを作る位置を決める。小剣にディンプル(エクボ)を作っておくと、このあとの作業がしやすいのはプレーンノット、ウィンザーノットに同じだ。
3. 大剣を引き締めたら、小剣の後ろ側へねじれないようにまわす。
4. 先ほどと対象になるように、首元のループに大剣を上から下へと引き抜く。
5. クロスポイントを押さえた手の甲に大剣を巻きつけるながら、首元のループを下から上に引き上げる。
6. 剣先を手の甲に巻いた大剣の輪に、上から下へと引き抜いてノットの形を整える。
7. ノットを押さえながら小剣を引き、衿元に納める。