HOW TO 2018.10.01

ジャケットのシングルとダブルは、どう選ぶ?

ジャケットのシングルとダブルは、どう選ぶ?

シングルとダブルは着分けるのが正解です

一般的なビジネススーツは、シングルとダブルの2種類のジャケットが用意されています。なぜ2種類のジャケットがあるのかについて、きちんと解説されている記述は非常に稀少ですが、ここではシングルとダブルの違いを解説したうえで、着るべき人と着るべきシーンについて説明したいと思います。正しい違いを知れば正しく着分けることができますし、自分に必要なスーツがシングルなのかダブルなのかが分かります。その日着ていくべきスーツを選ぶ際に、クロゼットの前で悩む時間も短くなることでしょう。

ジャケットのシングルとダブルは、どう選ぶ?

シングルとダブル、それぞれの由来を知る

ジャケットのシングルブレストとダブルブレストは、それぞれの出自が異なります。1900年代初頭に現在の形に完成したといわれるテーラード型のスーツは、英国貴族・上流階級の服装や軍上層部の指揮官の制服が起源です。中世の英国では庶民、貴族、士官など階級とシーンによって明確に服装が規定されていました。労働者の服はもちろん、貴族が室内での執務するときの服、嗜みである狩猟に行く際の服、食事の席で着る服、食後に別室で寛ぐときまで、すべてのシーンで厳格に服装が決められていたのです。

シングルブレストは貴族の執務服が、ダブルブレストは軍士官の制服が元となっています。室内で着用し、着替えることも多い貴族の執務服はボタン数の少ないシングルブレスト、軍士官の制服は外で着るときに風の吹き込みにあわせて袷を左右で変えられるようにダブルブレスト仕様になっていました。

やがてこの服装は簡略化されていきます。近代に入ると現在のスーツに近いものに集約されるようになりました。庶民の間で上流階級の人々は憧れの存在であり、そのファッションスタイルを真似したいと思うのは、いまもセレブのスタイルを真似たいのに同じです。街の仕立て屋が貴族の服を真似たスーツを手がけるようになると、その出自にこだわることなくシングルブレストとダブルブレストという2種類のスーツが広まったのです。

では由来がわかったところで、それぞれのスーツを着用すべき人、着用すべきシーンについてご紹介しましょう。

ジャケットのシングルとダブルは、どう選ぶ?

シングルブレストは秩序を重んじる場に

ボタン数の少ないシングルブレストは、スマートで都会的な印象があります。デザインが主張しすぎないので、秩序を重んじ表立たず、粛々と業務をこなすのに最適です。自らが目立つ必要がないビジネスシーンや、式典などへの出席時、その他あらゆる正装が求められる人と場に相応しいものです。当然、色柄は派手になり過ぎないものを選んで、着こなしもスタンダードなものが相応しいと言えるでしょう。

ジャケットのシングルとダブルは、どう選ぶ?

ダブルブレストは社会的立場ある人に

シンプルなシングルブレストに対して、ダブルブレストは軍服由来のデザインなので堂々たる気風が漲ります。そのため周りの注目を集める指揮官など、社会的地位ある人が着るのに相応しいのです。規律正しく堂々たる風体はオフィスの舵を取る人にぴったり。経営者やチームリーダーなど、指揮官としての役割を担う人に着てほしいものです。生地の色柄は多少目立つものも許されますし、Vゾーンが狭いので派手目のタイをワンポイント利かせても着こなしやすいでしょう。フォーマルな席に着るならば、主役やそれに準じる席次の方が着用することをおすすめします。