ノーネクタイのときこそ使いたい、ポケットチーフの折り方と挿し方
欧米では「ネクタイをしないときでもチーフは必ず挿す」といわれるほど、ポケッチチーフは重要なアイテムだ。とくにエレガントな男性の装いは、ネクタイよりもポケッチチーフに表れるとされ、フォーマルスタイルでは白のリネン(麻)素材のポケットチーフを挿すのがドレスコードとされている。ビジネスはもちろん、カジュアルなジャケットスタイルでも、色柄合わせと共に挿し方にまでスタイリングセンスが表れるものだ。
ビジネスとフォーマルでは挿し方が変わることもポイントだ。もっとも一般的な「スクエア(TVフォールド)」は、テレビのニュースキャスターの挿し方といわれるが、シーンとスタイリングを問わず使うことができるオールマイティな挿し方でもある。パフやクラッシュといった、無造作を装う挿し方は、華やかな席やカジュアルなスタイルに合わせるあくまで無造作風の使い方だが、きちんと形を整えるために綿密な計算を要する挿し方でもある。フォーマルなパーティではスリーピークが用いられる。3つの角を覗かせるこの挿し方は、少し気取った雰囲気で装う際の基本テクニックだ。
社会人としての正装の知識は、様々なシーンで求められるもの。正しいネクタイの結び方とともに、正しいポケットチーフの挿し方を知っておけば、TPOに合わせて正しくスーツを装うことができる。ポケットチーフの挿し方も、大人の男性としてのマストな教養なのだ。
スクエア(TVフォールド)
ポケット口から、1cm程度の帯状にポケットチーフを覗かせる、もっとも一般的な挿し方。ビジネスからフォーマルまであらゆるシーンに使うことができる。アメリカのテレビ番組のキャスターが挿していたことから「TVフォールド」と呼ばれることも。基本はまっすぐ直線的にポケットチーフの端を見せるが、すこし波打たせてニュアンスをつけるのもいい。
1. ポケットチーフを開き、中心線で縦、横の順に折り、正方形にたたむ。
2. 縦に3分の1に折り長方形にたたむ。
3. ポケットチーフの端が上になるように、ポケットの深さに合わせて底部分を折り上げる。
4. ポケットに挿し、上部を1〜1.5cm程度のぞかせる。ここでまっすぐ直線的に挿すのが基本だが、あえて少し波打たせるなどニュアンスとつけてもいい。
パフ&クラッシュ
ポケット口から、ふんわりと山型にポケットチーフを覗かせる挿し方を「パフ」、ポケットチーフの角を覗かせる挿し方を「クラッシュ」と呼ぶ。どちらも無造作な挿し方を装ったものだが、実際には見せる分量や、角の向きやばらつきを綿密に計算して挿すのがポイントになる。
1. ポケットチーフを開き、中心を指でつまんで持ち上げる。
2. 中心をつまんだまま、ポケットチーフを絞り、真ん中あたりで2つに折る。
3. 折りたたんだ真ん中を覗かせるようにポケットに挿し、ふんわりと形を整えればパフ挿しが完成。
4. 折りたたんだ真ん中を底にして、中心とポケットチーフの角側を上向きに挿せば、パフ&クラッシュとなる。
スリーピークス
ポケッチチーフの角を3つ覗かせることから「スリーピーク」と呼ばれる挿し方は、結婚式など華やかな礼装時に用いられる。立ち上げた3本の角の間隔や、覗かせる分量にもこだわりが表れる上級者向けの挿し方だ。
1. ポケットチーフを開き、対角線上に折りたたんで4分の1の三角形に。
2. もう一度おりたたんで、8分の1の三角形にしたら、3枚重なる角を上にして、少しずつずらしておく。
3. 底部分を折り上げてポケットに挿し、3箇所のピーク(角)が2〜3cm覗くよう位置に。形と間隔を整えて完成。