
ピークドラペル(襟)って何?種類〜おすすめシーン&オシャレな着こなし徹底解説!
従来のシーンはもちろん最近のトレンドまで注目を集めるピークドラペルは、そのシャープな襟の形状が醸し出す洗練かつ華やかな印象で多くのファッション愛好家を虜にしています。
ではこのスタイリッシュな姿は、どのようにして誕生し、どんなシーンで輝くのでしょうか。
この記事では、ピークドラペルの魅力を徹底的に掘り下げ、その歴史から現代における着こなしのコツまで、スーツ愛好家なら知っておきたい情報を余すことなくお届けします。
INDEX
ピークドラペルとはどんなスタイル?
ピークドラペルの特徴と歴史について話を進める前に、ピークドラペルがどのようなものかを簡単に触れておきましょう。
一般にスーツの襟にはさまざまな形があり、それぞれが異なる印象を与えます。では、ピークドラペルの世界に一緒に踏み込んでみましょう。
ピークドラペルの特徴と歴史
ピークドラペルは、スーツの襟が上向きに尖っているスタイルを指します。具体的には、襟の先端が肩の方向へと向かってピーク(尖り)を描くことからこの名が付いています。
このデザインは、視覚的に肩幅を強調し、よりフォーマルな雰囲気を醸し出す効果があります。1930年代にはすでにこのスタイルが確立されており、当時のスーツにもその姿をみることができます。
その後の変遷を経て、今では華やかな夜会や、公式な場でのスタイルのひとつとしても定着しました。ビジネスシーンやフォーマルなイベントなど華やかかつ表現豊かなファッションが好まれるシーンを中心として、多くの人に選ばれています。
ピークドラペルを採用する主な服装
ピークドラペルは、特に華やかな場面に用いられることが多いです。もちろんビジネスシーンでも着用可能ですが、中でもピークドラペルが代表的なのがタキシードで、これは正装として着用されます。
また、結婚式などで着られるモーニングコートや、夜会服(イブニングドレス)の一種である燕尾服(テールコート)にもピークドラペルが採用されることがよくあります。
ピークドラペルは硬すぎず崩れすぎず、堂々とした印象を与えるためにも適しており、着用者の格を高める効果が期待できます。
ピークドラペルのメリット
ピークドラペルを選ぶことには、数々のメリットが存在します。
まず、視覚的に肩のラインを強調し、スマートでシャープな印象を与えることができます。
これは特に肩幅が狭い方や、スリムな体型をより引き立てたい方におすすめのスタイルです。さらにフォーマルな場では、ピークドラペルが持つ華やかさが着用者の洗練された雰囲気を演出してくれるでしょう。
またビジネスシーンにおいてもピークドラペルは華やかさやファッション性と信頼性をバランスよく象徴するため、大切な商談やプレゼンテーションに適しています。
(※ただし新卒採用直後などは再考の余地があります)
このように、ピークドラペルは見た目の美しさだけでなく、着用するシーンに応じた機能的な利点も兼ね備えているのです。
ピークドラペルの種類とそれぞれの特徴
ピークドラペルにはさまざまな種類があり、それぞれが異なる特徴を持っています。
シングルブレストとダブルブレストの違いから、幅広のラペルや細身のラペルまで、多様なバリエーションが存在します。次に、これらの種類に焦点を当てながら、詳しく見ていきましょう。
シングルブレストとダブルブレストの違い
シングルブレストピークドラペルは、前立てが一列のボタンで留められるスタイルを指し、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンに対応できる汎用性の高さが魅力です。
一方、ダブルブレストピークドラペルは、二列のボタンが特徴で、よりフォーマルで保守的・コンサバティブな印象を与えます。このスタイル、元々は全体的に軍服からインスピレーションを得ており、厳かな雰囲気を求める際にも有効な選択肢に入ってきます。
シングルブレストはスリムな体型に、ダブルブレストは体格の良い方に特に似合うと言われていますが、どちらも適切なサイズ選びと合わせるアイテムによって、多くの方にフィットするスタイルです。
幅広ピークドラペルと細身ピークドラペル
ピークドラペルの幅には、幅広と細身の二つのスタイルがあります。幅広ピークドラペルは、よりドラマティックで存在感のある見た目を演出し、フォーマルな場や個性を主張したい時に選ばれます。
一方、細身ピークドラペルはモダンで洗練された印象を与え、ビジネスシーンやカジュアルな着こなしにも適しています。
こちらも幅広ラペルは体格の良い方に、細身ラペルは細めの体型にマッチしやすい傾向がありますが、適切なバランスを考えることで、どんな方でもおしゃれに着こなすことが可能です。
カラーバリエーションと素材の選び方
そもそもピークドラペルのスーツは、色や素材によってもその印象が大きく変わります。黒やネイビーといった伝統的なカラーは、フォーマルな場での威厳を保ちつつ、エレガントな装いを演出します。
一方で、グレーやチャコールなどのカラーは、ビジネスシーンでの落ち着いた印象を与えるでしょう。
素材に関しては、ウールやカシミアなどの高級素材がフォーマルな装いに、リネンやコットンなどの軽やかな素材はカジュアルなスタイリングに適しています。色と素材を選ぶ際には、着用するシーンや季節、そして自身のスタイルを考慮することが大切です。
ピークドラペルを使ったフォーマルシーンのマナー
ピークドラペルは、フォーマルな装いに欠かせない要素の一つですが、その着こなしには多少注意が必要です。
では、そんなピークドラペルをどのようにフォーマルシーンで活用すれば良いのでしょうか。
フォーマルシーン | ビジネスシーン | |
---|---|---|
スタイル | ・ダブルブレスト ・幅広ラペル |
・シングルブレスト ・中程度の幅 |
色 | ・黒 ・ダークネイビー ・ダークグレー |
・ネイビー ・グレー ・チャコール |
素材 | ・シルク ・サテン |
・ウール ・ウールブレンド |
適したアイテム | ・タキシード ・モーニングコート |
・伝統的ビジネススーツ |
アクセサリー | ・カフリンクス ・ポケットチーフ |
・シンプルなタイピン ・ベルト |
上記のような形で覚えておくとよい、といった早見表をここにご用意しました。
以下では詳細について解説していきます。
正装の場でのピークドラペルの着こなし
結婚式や披露宴といった正装が求められる場では、ピークドラペルのスーツは他の出席者に対する敬意を示すと同時に、自身のファッションセンスをアピールする絶好のチャンスでしょう。
この際、タキシードやモーニングコートなど、伝統的なフォーマルウェアに見られるピークドラペルを選ぶことで、格式高い印象を与えることができます。
黒や濃紺などのダークトーンは、品格と権威を感じさせるため、結婚式の夜のパーティーや賞授与式などに適していますね。
また、ホワイトタイやブラックタイといったドレスコードに合わせて、シルクやサテンなどの光沢感のある素材でラペルが強調されたデザインを選ぶと、一層の華やかさを演出できるでしょう。アクセサリーは最小限に抑え、カフリンクスやポケットチーフでさりげなく個性を加えることが大切です。
ビジネスシーンでのピークドラペルの選び方
ビジネスシーンでは、スーツの選び方がその人の権威性、いわば「プロフェッショナリズム」を表すと言っても過言ではありません。
ピークドラペルのスーツをビジネスで着用する際は、派手過ぎず、かつ堅苦しくないバランスを心掛けるべきです。
一般的にシングルブレストのピークドラペルスーツは、より現代的でスマートな印象を与え、ビジネスシーンでの使用に色はネイビーやグレーなどの落ち着いた色味を選ぶと、信頼感を与えることができるでしょう。
おしゃれなピークドラペルの着こなし方
ピークドラペルは格式ばったイメージが強いですが、工夫次第でカジュアルからビジネスまで幅広いシーンで活躍します。では、ファッショナブルにピークドラペルを着こなすにはどうしたら良いのでしょうか。
アクセサリーとの合わせ方
アクセサリーの上手な取り入れ方がポイントです。ピークドラペルのスーツには、タイピンやカフリンクス(カフスのこと)といったクラシックなアクセサリーが相性抜群です。
タイピンはネクタイをしっかりと固定し、スマートな印象を与えるだけでなく、アクセントとしても機能します。選ぶ際はスーツの色やパターンに合わせたシンプルなデザインを選ぶと、洗練されたスタイルに仕上がりますね。
カフリンクス、カフスに関してもメタル製のシンプルなものから、宝石が埋め込まれた豪華なものまで幅広く選べますが、フォーマルな場では控えめなデザインが好ましいでしょう。
もちろん華やかな場であればカフスの華やかさとピークドラペルのスーツ・ジャケットを合わせてもOK。ポケットチーフも忘れずに、スーツの色とコーディネートすることで全体のバランスを整えましょう。
カジュアルダウンしたピークドラペルのスタイリング
ピークドラペルのスーツは、カジュアルなシーンにも適応できる多才なアイテムです。
例えば、ジーンズやチノパンと合わせてラフに着こなすことでカジュアルながらも洗練された雰囲気を演出できます。ビジカジにもおすすめです。
またスーツの色によっては白シャツやグレーのニットと合わせることで、ソフトで親しみやすい印象になるでしょう。
足元はローファー、上級者であればスニーカー、デッキシューズなどを選ぶと、よりリラックス・洒脱なスタイルになります。また、ベルトやバッグなどの小物を選ぶ際には、スーツの素材や色とのコントラストを意識することで、スタイリッシュなカジュアルスタイルが完成します。
ピークドラペルのメンテナンスと保管方法
スーツの美しさを長持ちさせるには、適切なお手入れが不可欠です。特にピークドラペルのようなカジュアル&フォーマルどちらもいけるタイプのウェアは、細心の注意を払ってメンテナンスすることが大切です。では、その具体的な方法について見ていきましょう。
適切なクリーニングとアイロンがけ
クリーニングの頻度と方法が重要です。一般的にスーツは多用していなければ、シーズンごとに1~3回程度のクリーニングが推奨されます。しかし、汗をかいたり、汚れが目立つ場合は早めの対応が必要です。
自宅での手入れとしては、ブラッシングで表面のほこりを取り除くことが基本で、これによって生地が呼吸しやすくなります。
アイロンがけは、スーツの生地に合わせた温度で丁寧に行い、特にラペルのピーク部分は形を崩さないよう注意が必要です。プレスクロス(あて布)を使用すると、光沢が出すぎることを防ぎつつ、熱から生地を守ることができます。
保管時の注意点
ピークドラペルに限ったことではありませんが、一般にスーツを長持ちさせるためには、保管方法も非常に重要です。
スーツを掛けるハンガーは、肩の形にフィットしたものを選びましょう。肩部分の型崩れを防ぐことができます。また、スーツを保管する際は、湿気が少なく風通しの良いクローゼットを選び、直射日光や照明から遠ざけることが望ましいところです。
スーツカバーや防虫剤を利用することで、ホコリや虫害からもスーツを守ることができます。
よくある質問と回答
オーダースーツの世界は奥深く、特にピークドラペルに関する疑問は尽きません。ここでは、以下の3つの質問に対する的確な回答をご提供いたします。
ピークドラペルとノッチドラペルの違いは?
ピークドラペルはどんな体型の人に似合う?
ピークドラペルのスーツはカジュアルにも着こなせる?
Q1. ピークドラペルとノッチドラペルの違いは?
ピークドラペルとノッチドラペルは、ラペルの形状によって区別されます。
ピークドラペルは、胸元でラペルが上向きに尖っているのが特徴で、フォーマルな場にふさわしい印象を与えます。一方、ノッチドラペルは、ラペルの襟と前身頃が直角に近い形で交差するスタイルで、ビジネスやカジュアルなど幅広いシーンで活躍します。適切なシーンを考慮して、それぞれのラペルを選ぶことが大切です。
Q2. ピークドラペルはどんな体型の人に似合う?
ピークドラペルは、その上向きのラインが肩幅を強調し、縦のラインを強調するため、背が高く見える効果があります。したがって、体型が細身の方や、肩幅を広く見せたい方に特におすすめです。
そしてデザインによっては異なる体型の方にも似合うよう調整できるため、自分の体型や好みに合わせて選ぶことも重要です。
Q3. ピークドラペルのスーツはカジュアルにも着こなせる?
ピークドラペルのスーツは、基本的にフォーマルな印象を与えるものですが、組み合わせによってカジュアルにも着こなすことが可能です。例えば、デニムやチノパンと合わせたり、スニーカーを選ぶことで、ドレスダウンしたスタイリングが楽しめるでしょう。
また、無地のピークドラペルスーツよりも、パターンが入ったものや色鮮やかなシャツを選ぶことで、カジュアルな印象を強調することができます。
まとめ
このようにピークドラペルはビジネス、フォーマル、そしてカジュアルまで幅広く選択肢になりうるのに華やかでバシっとした印象を与えてくれるアイテムであり、やはり一着持っておきたい、そんなスーツとなっています。
オーダースーツならラペルも含めてご希望に沿ったものがお作りできます。ぜひ一度KASHIYAMAのオーダースーツもご覧ください。