スーツの仕立て直しでできること。失敗しないためのポイントも解説
今着ているスーツが自分に合わないと感じているなら、『仕立て直し』を検討しましょう。サイズ調整やダメージ補修などにより、希望の状態に近づけられます。仕立て直しのメリットや、依頼する際に気を付けたいポイントを紹介します。
スーツの仕立て直しでできること
大切なスーツを長く着用するために、不具合が生じたら仕立て直しを依頼しましょう。対応してもらえる主な内容を紹介します。
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体形に合わせたサイズ調整
ウエストサイズが変化し、お腹回りがきつく感じるようになった場合、仕立て直しでパンツのウエスト回りを広げられます。
ヒップやウエスト両脇の縫い代を利用すれば、5cm程度までサイズアップできる可能性があります。
逆に、お腹回りがゆるく感じるようになった場合も、ジャストサイズに絞ることが可能です。同じくヒップとウエスト両脇の縫い代で調整し、デザインやシルエットを崩さずに直せます。
サイズ調整は、パンツだけでなくジャケットでも可能です。長い間着ていないスーツが体形に合わなくなった際は、サイズ調整を依頼しましょう。
穴が空いたスーツを修理
大事に着用していても、スーツの生地に穴が空いてしまうことがあります。虫食いやタバコなど、さまざまな原因が考えられるでしょう。
織糸が生地の外に出てしまう『糸引き』も、目立ちやすい損傷です。これらのダメージも、仕立て直しにより修繕できます。
糸をほどいて縫い直す技術などを用いれば、周囲とほとんど変わらない状態に生地を戻すことが可能です。
スーツ自体がまだ着用できる状態であれば、穴が空いてもあきらめず、仕立て直しで修復してもらいましょう。
仕立て直しを行うメリット
スーツの仕立て直しは、補修作業だけではありません。トレンドに合わせた調整を行うことで、周囲に与える印象を変えることも可能です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
時代に合わせたスーツにできる
スーツは、時代ごとのトレンドに合わせてシルエットが変化しています。仕立て直しにより、トレンドに合わせたシルエットに修正することが可能です。
例えば、かつては肩パッドが入ったジャケットが主流でしたが、近年は肩パッドなしのスーツが人気です。仕立て直しにより、肩パッドを取り除けます。
また、ジャケットやパンツのウエストを絞ってスリムなシルエットにしたり、袖丈を短くして腕を長めに見せるようにしたりと、トレンドに合わせた調整もできます。
何年も着用していないスーツが、時代遅れのデザインで着にくいと感じたら、仕立て直しで時代に合ったデザインやシルエットに修正しましょう。
印象にも違いが出る
仕立て直しにより、スーツ姿の印象を自分好みに変えることも可能です。
例えば、ジャケットの身幅を狭め、胸板を厚く見せることで、たくましい印象を与えられます。同様に、肩幅を狭めれば、がっしりとした印象になるでしょう。
また、パンツを裾に向けて細くしたり、裾丈を短くしたりすることにより、脚を長く見せられます。
既製品のスーツでは、細かい部分まで自分の好みに寄せることは困難です。しかし、仕立て直しでは、細部にわたり要望に応えてくれるため、周囲に与える印象で違いを出せるのです。
仕立て直しを依頼する際のポイント
希望のイメージにできるだけ近い仕上がりを求めるなら、依頼時に意識したい点を知っておく必要があるでしょう。仕立て直しを依頼する際に注意するポイントを紹介します。
腰回りだけの調整に注意
近年のトレンドに合わせてスリムに見せるために、「ジャケットのウエストを絞りたい」と考えている人も多いでしょう。
しかし、ジャケットの場合、ウエスト部分を詰めるだけでは、細身のシルエットにはなりません。バストからウエストにかけての部分を絞る必要があります。
ボタンを留めるとウエストがきつく感じる場合は、中胴だけでなくジャケットの裾回りも出すように調整すれば、シルエットが崩れません。
このように、腰回りを調整したい場合は、その周囲にも手を加えなければならないことを知っておきましょう。
パンツの調整は3カ所に注目
「脚をより細く見せたい」「太もも部分がきついため余裕がほしい」といった理由から、パンツを直したい場合、わたり幅・膝幅・裾幅の3カ所を調整する必要があります。
調整したい部分にだけ手を加えるのではなく、全体のバランスを考えて調整することで、脚をよりスマートに見せることが可能です。
太ももに余裕を持たせたいなら、逆に裾幅を絞ります。しかし、脚を細く見せたいからといって裾を極端に詰めすぎると、貧相なイメージを与えかねません。
希望の場所を中心に直しながら、3カ所に調整を加えることで、それぞれの脚に合ったパンツに仕上げます。
袖出しにはに限界がある
ジャケットの袖から腕が出過ぎていることが気になる場合は、袖を長くすることも可能です。
しかし、袖口の余った生地は1〜2cm程度しか余裕がないため、それ以上の調整はできません。
実際にどの程度伸ばせるかはスーツごとに異なるため、仕立て直しの際に伸ばしたい長さを伝え、可能かどうかを確認しましょう。
スーツを一から仕立てる方法も
仕立て直しで理想の状態に直らなかった場合は、『オーダースーツを作る』という選択肢もあります。オーダースーツの概要について解説します。
オーダースーツのメリット
オーダースーツなら、自分の体形にフィットするスーツが作れます。サイズが合っているスーツを着用すれば、見た目の印象も良くなるでしょう。
好みの生地やデザインを選べることも、オーダースーツの特徴です。スーツの魅力を大きく左右する素材・柄・色などを、自分の好きなように細かく指定できます。
体形に合ったスーツは、余計な付加がかかりにくいため、生地が傷みにくいこともポイントです。頻繁に着用するなら、長持ちするに越したことはありません。
プロのアドバイスを受けながら作れることや、方法によっては既製品とそれほど価格が変わらないことも、オーダースーツのメリットです。
3種類のオーダー方法
オーダースーツのオーダー方法には、『パターンオーダー』『イージーオーダー』『フルオーダー』の3種類が用意されています。
パターンオーダーは、用意された既製品から体形に合ったものを選択し、細部を調整しながら仕上げる方法です。納期が短く、オーダースーツを試してみたい人に向いています。
イージーオーダーは、用意された型紙から自分に合ったものを選び、体形に合わせて補正しながら制作する方法です。より自分の好みに合ったスーツを作ることが可能です。
フルオーダーは、全ての構成要素を自分に合わせて作る方法です。最も時間がかかりますが、細部にまでこだわりを反映できるため、理想のスーツに仕上がるでしょう。
オーダースーツ注文の流れ
まずは、専門スタッフと入念な打ち合わせを行います。着用するシーンや希望の柄・色など、伝えたい内容を事前にイメージしておくことが大事です。
続いて、豊富に用意された種類の中から、好みの生地を選択します。色や柄だけでなく、実際の感触も確かめましょう。
生地を選んだ後は、細かい採寸作業を行います。この段階で希望のシルエットを伝えれば、それに合わせて採寸してくれます。ワイシャツを着て採寸するのがおすすめです。
スーツが完成したら試着します。気になる部分がある場合、修正に応じてくれることがほとんどですが、アフターサービスの内容は事前に確認しておきましょう。
自分にぴったりのスーツを着よう
スーツの仕立て直しでは、サイズ調整や空いた穴の修理が可能です。体形やトレンドに合わせた調整も可能なため、見た目の印象にも差が生まれます。
どうしても仕立て直しで理想の状態に仕上がらない場合は、オーダースーツも検討してみましょう。自分に合った理想のスーツが手に入ります。
