スーツは後ろ姿も重要。美しく見えるベントや着丈の目安を知ろう
今まで以上におしゃれなスーツスタイルを目指すなら、後ろ姿にもこだわってみましょう。後ろ姿は他人から頻繁に見られる上、自分ではチェックしにくい部分でもあります。後ろ姿を良く見せるためのポイントや、サイズの目安を解説します。
「自分のスーツの後ろ姿、本当に大丈夫?」そんな不安を感じたことはありませんか?ベントの種類によって印象はどう変わるのか、自分の体型に合った着丈の選び方は何か、後ろ姿で失敗しないためのポイントは何かといった疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、後ろ姿を良く見せるためのポイントや、体型別・シーン別の選び方、さらに失敗を避けるための注意点まで詳しく解説します。
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油断大敵。身だしなみは後ろ姿にも表れる
日頃からスーツの着こなしに気を配っている人でも、後ろ姿の身だしなみまで確認している人は少ないかもしれません。
後ろ姿の重要性と見せ方のポイントを解説します。
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後ろ姿までこだわるのが真の男
人と話をする際は前からの姿しか見られないため、後ろ姿の身だしなみはないがしろにされがちです。自分ではチェックしにくいことも、ケアが行き届きにくい原因でしょう。
しかし、後ろ姿は他人から見られる機会が多いものです。立ち姿をスマートに見せたり、スーツ姿全体のバランスを整えたりできることも、美しい後ろ姿を作ることのメリットです。
これまで後ろ姿に対して強い意識を持っていなかった人は、スーツをよりきちんと着こなすために、後ろ姿にもこだわってみましょう。
美しく見せるためのポイント
後ろ姿を美しく見せるためには、スーツの『ベントのデザイン』と『着丈の長さ』に気を付ける必要があります。
『ベント』とは、スーツ背面の裾に入った縦の切れ目です。どのようなベントのスーツを選ぶかによって、印象が大きく異なります。
『着丈』は、後ろ身頃を縦に測った長さです。体形に対してあまりにも着丈が長すぎると、後ろ姿がだらしない印象を与えてしまうでしょう。
スーツのサイズを肩幅のみで判断すると、着丈が長くなってしまうこともあります。スーツを選ぶ際は、肩幅のゆとりだけでなく、着丈を含めて総合的に判断することがポイントです。
ベントの種類と特徴
ベントは、大きく「シングルベント」「サイドベンツ」「ノーベント」の3種類に分けられます。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
馬乗りとも呼ばれる「シングルベント」
後ろ身頃の裾の中央部分に切れ目が1本のみ入ったタイプが「シングルベント」です。かつて英国で乗馬をする際に着られたことから「馬乗り」とも呼ばれています。
シングルベントは、シングルスーツにのみ採用されているベントの種類です。多くのスーツに採用されており、ベントの種類におけるスタンダードともいえます。
スーツの種類や年齢層を問わず、どのようなスタイルにも合わせやすいことが特徴です。特に、細身かつ着丈が短めのスーツと相性が良くなります。
英国スタイルに多い「サイドベンツ」
後ろ身頃の裾の両脇付近に、1本ずつ切れ目が入ったタイプが「サイドベンツ」です。剣の抜き差しをしやすくするために考案されたデザインで、英国スタイルのスーツに多く採用されています。
2本のベントに挟まれた部分が風でなびく様は、後ろ姿をスタイリッシュに演出してくれるでしょう。
ポケットに両手を入れた際のシルエットが格好良く見えたり、足を長く見せたりする効果も期待できます。
シングルスーツとダブルスーツのどちらにも見られるタイプですが、着丈が短くないスーツやダブルスーツとの相性が良いでしょう。
威厳や風格のある印象を与えたい人におすすめです。
クラシカルかつドレッシーな「ノーベント」
裾に切れ目がないタイプが「ノーベント」で、ベントの種類では最も歴史が古いとされています。
シングルベントやサイドベンツが動きやすさを重視しているのに対し、ノーベントはパーティーや結婚式など、フォーマルな場で重厚感を出すことを重視しているのが特徴です。
クラシカルかつドレッシーな雰囲気を醸し出すことから、タキシードや礼服などのフォーマルスーツには欠かせないディテールとなっています。
タイトなスーツでは窮屈な印象を与えてしまうため、ダブルスーツのようなゆったりめのサイズ感を持つスーツと好相性です。
体型別・シーン別で選ぶベントの使い分け
ベントの基本を理解したら、次は自分の体型や着用シーンに合わせた選び方を知っておきましょう。同じベントでも、体型やシーンによって見え方や印象が大きく変わります。
| ベントの種類 | 特徴 | おすすめの体型 | おすすめシーン |
|---|---|---|---|
| シングルベント | 中央に1本の切れ目。日本や米国のビジネススーツで主流 | 標準体型、細身体型 | ビジネス全般、日常使い |
| サイドベンツ | 両脇に1本ずつ切れ目。着席時や動きやすさも◎ | がっちり体型、筋肉質 | ビジネス、カジュアル |
| ノーベント | 切れ目なし。英国発祥でフォーマル度高い | 細身体型、ぽっちゃり体型 | 結婚式、式典、フォーマル |
体型に合わせたベント選び
体型に合ったベントを選ぶことで、後ろ姿の印象を大きく改善できます。
標準体型の方は基本的にどのベントタイプも似合いますが、シングルベントが最も汎用性が高く、ビジネスからカジュアルまで幅広く対応可能です。がっちり体型や筋肉質の方には、サイドベンツが適しています。両サイドにベントがあることで体の厚みを自然にカバーし、後ろ姿に立体感を与えてくれるため、肩幅が広い方や胸板が厚い方には全体のバランスを整える効果があります。
細身体型の方には、シングルベントまたはノーベントがおすすめです。シングルベントは縦のラインを強調してスマートな印象を与え、ノーベントはすっきりとした洗練された雰囲気を演出します。ぽっちゃり体型の方は、切れ目がないノーベントがヒップ周りをすっきりと見せるため最適ですが、動きやすさを重視する場合は着丈を少し長めにしたサイドベンツでバランスを取ることも可能です。
ビジネスシーンでのベント選び
ビジネスシーンでは、業界や職種によって適したベントが異なります。
金融業界や法律事務所など、堅実さや信頼感が求められる業界では、シングルベントがおすすめです。保守的な印象を与えつつ、きちんとした身だしなみを演出できます。コンサルティング業界や営業職では、サイドベンツが適しています。動きが多い職種では機能性も重要になるため、座った際のシワを防ぎながら立ち姿もスタイリッシュに見せてくれるサイドベンツが便利です。
クリエイティブ業界やIT業界では、ベントの選択肢が比較的自由です。個性を出したい場合はサイドベンツ、洗練された印象を与えたい場合はノーベントを選ぶと良いでしょう。
フォーマルシーンでのベント選び
フォーマルなシーンでは、場の格式に合わせたベント選びが重要です。
結婚式や披露宴では、ノーベントが最も格式高く、フォーマルな装いに適しています。特に、タキシードや礼服にはノーベントが基本です。ただし、二次会やカジュアルなパーティーであれば、シングルベントやサイドベンツでも問題ありません。
式典や授賞式などの公式な場では、ノーベントが推奨されます。重厚感と品格を演出し、厳粛な雰囲気にふさわしい装いとなります。パーティーやレセプションでは、ドレスコードに応じて選びましょう。ブラックタイ指定の場合はノーベント、それ以外の場合はサイドベンツで華やかさを演出するのも良いでしょう。
着丈の測り方と目安
後ろ姿にこだわるなら、着丈に注意しましょう。サイズの測り方や、美しい後ろ姿に見せる長さの目安を紹介します。
基本はヒップが隠れる丈
スマートな後ろ姿にするなら、スーツの裾で『ヒップがちょうど隠れる程度の長さ』が良いでしょう。長すぎると足が短く見えてしまい、短すぎると全体がアンバランスになってしまいます。
自分に合った着丈を測る場合は、ジャケットを着たまま自然に腕を下ろし、裾を軽く握ってみましょう。裾が指の第2関節に触れる程度がベストサイズです。
また、襟の付け根から靴を脱いだ床までの長さに対し、半分位の位置に裾がある状態も、着丈のベストサイズとされています。
よりスマートに見せるなら短め
着丈の長さは、ヒップが隠れる程度の丈が基本です。しかし、後ろ姿をよりスマートに見せたいなら『やや短めの着丈』を選ぶと良いでしょう。
ジャケットの裾やボトムスの裾には他人の視線が集まりやすく、先端部分を短めにすることで、全体がよりスリムに見えるようになります。しかし、短すぎるとビジネススタイルとしては軽薄に見られることがあるので注意しましょう。
【体型別】着丈選びのポイント
着丈は体型によって最適な長さが異なります。自分の体型に合った着丈を選ぶことで、後ろ姿のバランスが格段に良くなります。
標準体型の着丈選び
標準体型の方は、基本の測り方通りに選べば問題ありません。ヒップがちょうど隠れる程度の長さを目安にしましょう。
具体的には、指の第2関節が裾に触れる位置が理想です。全身を鏡で見た際に、上半身と下半身の比率が5:5に見えるか確認することも大切です。
がっちり体型・ぽっちゃり体型の着丈選び
がっちり体型やぽっちゃり体型の方は、やや長めの着丈を選ぶことで、体型をカバーしながらバランスの良い後ろ姿を作れます。ヒップが完全に隠れる長さ、または少しだけヒップの下まで覆う程度の長さが適しています。こうすることで、腰回りのボリュームが目立ちにくくなり、全体のシルエットが縦長に見えるのです。
ただし、長すぎると逆に重たい印象を与えてしまうため、指の第2関節より少し下(第3関節付近)を目安にすると良いでしょう。サイドベンツを選ぶことで、動きやすさと見た目のバランスを両立できます。
細身体型・長身/低身長の着丈選び
細身体型の方は、標準よりやや短めの着丈がおすすめです。ヒップの上端が少し見える程度の長さにすることで、スタイリッシュでモダンな印象を与えられます。
長身の方は、着丈を長めにしすぎると間延びして見えるため、標準的な比率を維持することが重要です。襟の付け根から床までの長さの半分を目安にし、それ以上長くしないように注意しましょう。
身長が低めの方はやや短めの着丈を選ぶことで、脚長効果が期待できます。ただし、短すぎると子供っぽく見えてしまうため、指の第2関節より少し上を目安にすると良いでしょう。
ベントに関するよくあるQ&A
ベントに関するよくある質問とその回答をまとめました。ベント選びで迷った際の参考にしてください。
Q. ベントが破れたり開いたりするのはなぜですか?
ベントが破れたり、着用中に不自然に開いてしまう主な原因は、サイズが合っていないことです。
特にヒップ周りやウエストがきつすぎると、座ったり動いたりする際にベント部分に過度な負荷がかかり、生地が裂けてしまうことがあります。ジャケットが小さすぎると、立っているだけでもベントが開いてしまい、後ろ姿が不格好に見えてしまいます。
ベントが自然に閉じた状態を保てるサイズを選び、試着時には実際に座ったり腕を動かしたりして、ベント部分に過度なテンションがかからないか確認しましょう。また、長年着用しているスーツは生地の経年劣化によってベント部分が弱くなっている場合もあるため、リペアや買い替えを検討するタイミングといえます。
Q. ベントは縫い付けられていることがありますが、切って開けるべきですか?
新品のスーツを購入すると、ベントが仮縫いで閉じられていることがあります。これは輸送中や店頭での型崩れを防ぐための処置です。
結論から言うと、縫い付けられているベントは切って開けるべきです。ベントは本来、動きやすさを確保するために設けられたデザインであり、仮縫いのまま着用すると座った際にジャケットの裾が引っ張られて不自然なシワが入ったり、生地に負担がかかったりします。
仮縫いの糸を切る際は、生地を傷つけないよう小さなハサミやリッパーを使い、糸だけを慎重に切りましょう。不安な場合は、購入店舗やお直し専門店に依頼するのも良い方法です。
ベントの長さは変えられますか?ベントの種類を変更することは可能ですか?
既製品のスーツの場合、ベントの長さを変更することは非常に難しいのが実情です。ベントの長さを変えるにはジャケットの裾部分を大幅に作り直す必要があり、裏地や縫製の構造を変更しなければなりません。技術的には可能ですが、費用と時間がかかる上に仕上がりのバランスが崩れるリスクがあるため現実的ではありません。また、ベントの種類を変更すること(【例】シングルベントからサイドベンツへ)も、ジャケット全体の構造に関わるため基本的に不可能です。
ただし、オーダースーツやセミオーダースーツであれば、最初からベントの種類や長さを自由に選択できます。もし今持っているスーツのベントが気に入らない場合は、新しいスーツを購入する際に希望するベントデザインを選ぶことをおすすめします。
まとめ
スーツ姿をよりスマートに見せたいなら、後ろ姿にもこだわりましょう。後ろ姿では、ベントの種類と着丈の長さをしっかりと選ぶことが重要です。
着丈を短めにすれば、全体をスリムに見せられるため、さらにビシッと決まります。もし、既製品では自分の理想や体型に合うスーツが見つからない場合、オーダースーツでスーツを仕立てるのもおすすめです。オーダースーツなら、体型に合わせてベントや着丈を調整でき、後ろ姿まで美しく仕上げられます。後ろ姿が美しく見えるベントや着丈の目安を意識して、スーツ選びに役立てましょう。
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