スーツに合わせるコートの種類と選び方!おすすめコーデも紹介
肌寒さを感じ始める季節から真冬にかけて、コートは大切なアイテムです。防寒性など機能面に加え、ビジネスパーソンにとっては、スーツにマッチしているかどうかも重要なポイントです。適切なコート選びのポイントをまとめました。
INDEX
スーツと合わせるビジネスコートの基本
寒さから身を守るコートは、冬場に欠かせないアイテムです。デザインや色によって印象が大きく異なるため、季節感やシーンに合ったコートを選ぶことが求められます。 特に、ビジネスの現場においては、周囲に与える印象が自分の評価につながる可能性もあるでしょう。コート選びでは、機能面だけでなく、シルエットや素材などが与える印象にも気を使う必要があるのです。 そこで、まずはビジネスコートの基本についておさらいしておきましょう。
冬用コートは11月ごろから
関東から南の地方にかけては、11月に入ったころが冬用コートの出番です。木枯らしが吹き始めると寒さを感じ、防寒アイテムを取り入れる人が増えてきます。 一方、東北地方などでは、10月中旬でも寒さがつのり始める地域もあるため、早くから冬用のコートを身に着けることもあるでしょう。 地域によって冬用コートを着始める時期はまちまちですが、最高気温が13度を下回ってくるころが、厚手のコートを着る一つの目安と言えます。
カジュアルになりすぎないように注意
身に着けるアイテムの多い冬は、コーディネートの幅が広がるため、おしゃれ好きにはうれしいシーズンでもあります。 しかし、自分の好みを優先させすぎて、ビジネスシーンにそぐわないコートを選ぶことは避けなければなりません。 モッズコートやピーコート、ダッフルコートなどは若者に人気のスタイルです。しかし、これらはカジュアルな雰囲気が強いコートなので、ビジネスの場で着用するのは避けたほうが良いでしょう。 近年は、オフィスカジュアルがOKという職場も広がってきました。とはいえ、顧客との面談など、信頼感や堅実さが求められるシーンは多いため、TPOに合わせたコート選びが必要です。
大人っぽい着こなしならシンプルデザインを選ぶ
ファッション性が高いデザインはビジネスシーンに向いていないケースが多いため、デキるビジネスマンの雰囲気を演出したいときは、シンプルなデザインながら上質なコートをおすすめします。 例えば、柄物よりも無地のコートを選ぶ、黒や紺といったダークカラーのコートを選ぶようにするとよいでしょう。 シンプルなデザインのコートは、幅広い形やデザインのスーツにも合わせやすく、スタイリッシュな印象を与えることができます。
ビジネスカジュアルなら柄のコートもおすすめ
柄のコートは「着こなしが難しい」「ビジネスに向いていない」と思われがちですが、上質で洗練されたデザインのコートはビジネスカジュアルなどにもおすすめです。TPOに合わせて着用するとよいでしょう。 特に、千鳥格子柄は英国の伝統柄でもあるため、クラシカルな雰囲気を演出でき、コートとマフラーと同系色でまとめるとワンランク上の着こなしとなります。
コートを選ぶポイント
ビジネスシーンに適したコート選びをする際に、何を基準にしたら良いか分からないという人もいるでしょう。 そこで、『カラー』『丈』『素材』『サイズ』の4点に絞って、選び方のポイントを解説します。
落ち着いたベーシックカラー
仕事場にマッチするコートを選ぶには、何よりまずスーツとの相性を考えることが重要です。 ビジネスシーンでよく着られているスーツの色は『ネイビー』『グレー』『ブラック』などです。 コートについても、ベーシックカラーを選ぶことでさらにスーツとの相性が良くなり、大人な雰囲気をまとえます。色味は濃くなるにつれてフォーマル感がアップしていきます。 落ち着きとカジュアルさを両立させるなら、ベージュのコートもおすすめです。
着丈は膝の少し上
ビジネスコート選びでは、着丈にも気を配る必要があります。おすすめは、スーツの上着がすっぽり隠れ、膝より少し上に設定された長さです。 コートと聞くと、膝下にまで伸びるロングコートをイメージする人もいるでしょう。しかし、ビジネスシーンにおいてはやや重たい印象を与えてしまう可能性があります。 一方、若者にはショート丈のコートが人気です。ただやはり「スポーティー」「軽快」といったイメージが強いため、ショート丈は素材やデザインの組み合わせに気を配る必要があるでしょう。 近年は、スリムなシェイプのスーツも流行しています。膝上くらいの着丈のコートであれば、スラックスのシルエットを生かしたスマートな着こなしも素敵です。
素材の違いを意識する
コートの特性を方向づける上で、素材も重要な要素のひとつです。素材による機能や効果の違いを理解することで、より的確なコート選びが可能になります。 「ウール」は保温性が高く、冬物の衣類でよく用いられている代表的な素材です。一口にウールといってもいろいろとあり、化繊の混紡割合の違いによって見た目の雰囲気や着心地、そして価格が異なります。 「ポリエステル」も、広く用いられる素材です。耐久性や耐水性に優れていることに加え、軽量でシワになりにくいという性質もあります。ポリエステル使用のコートは、比較的手ごろな価格で手に入れられるのが特徴です。
身体に合ったサイズを選ぶ
スーツと合わせるビジネスコートは、以下のようなポイントを考慮して、身体にフィットするサイズを選ぶことが大切です。
コートサイズのポイント | 解説 |
肩幅 | 自分の肩幅に合わせて、適切なサイズを選びましょう。肩幅が広すぎるとだらしない印象に、狭すぎると窮屈な印象になります。 |
着丈 | 着丈が長すぎるとだらしなく見えてしまいます。また、着丈が短すぎると十分な寒さ対策ができません。スーツのジャケットよりも、少し長めの着丈を選ぶとよいでしょう。 |
袖丈 | 袖丈が長すぎると手元が隠れてしまい、短すぎると寒さ対策ができず、見た目もよくありません。手首が見えるくらいの袖丈が適切です。 |
身体にフィットするサイズのコートを選ぶことで、スーツとのバランスが良くなり、よりスタイリッシュな着こなしが叶います。ビジネスシーンで好印象を与えるためにも、自分の体型に合ったサイズのコートを選ぶことが大切です。
スーツと合わせたい王道のコート
スーツにも多様なデザインが存在します。スタンダードなタイプからモダンなテイストのものまでさまざまです。 スーツと合わせるならば、オーソドックスなスタイルのコートをおすすめします。代表的な三つのタイプを紹介しましょう。
定番「ステンカラーコート」
「ステンカラーコート」は、バルカラーコートとも呼ばれるタイプです。トラディショナルなスタイルの代表的なコートとして、広く人気を集めています。 ステンカラーコートの伝統的なデザインは、スーツの発祥地であるイギリスに起源を持ち、格式と長い歴史の中で進化してきた機能性の高さを兼ね備えています。 最大の特徴は、襟の形です。前方が低く、後方に向かうにつれて襟高となっていく一枚襟は、立てることで防寒性を向上できます。 第1ボタンを留めても開けてもシャープなビジュアルを維持できるので、ビジネスパーソンなら1着は持っておきたいコートです。
フォーマルでも使える「チェスターコート」
「チェスターコート」は、19世紀のイギリスから伝わる歴史あるスタイルのコートです。チェスターフィールド伯爵が身に着けたことから、その名が付いたといわれています。 切れ目を入れたノッチドカラー、胸ポケットと両脇のフラップ付きポケット、ウエストが絞られたドレッシーなシルエットなどが特徴的な、エレガントなコートです。 ドレスアイテムとしても活用が可能で、あらゆるタイプのワイシャツやネクタイにマッチします。フォーマルな装いにもぴったりなコートです。
違いが出せる「アルスターコート」
「アルスターコート」は、落ち着いた雰囲気を求めながらも、コーディネートにアクセントを加えたい方におすすめのコートです。 アルスターコートの誕生は1860年代後半とされており、伝統に根差した格式が感じられるオーソドックスなスタイルです。アイルランドのアルスター島産のウールを使用していたことが、その名前の由来とされています。 ボタンが縦2列に並ぶダブルが基本で、膝下まで伸びる長い丈も特徴です。周囲との違いを演出するには、打ってつけのアイテムといえるでしょう。 重厚でドレッシーな風合いは、スーツとの相性も抜群です。落ち着いた大人の雰囲気や信頼性、安心感などを醸し出したい人にも適したコートといえます。
【ここで差が出る】コートをカスタマイズするポイント
スーツとの相性をより良くするためには、コートのカスタマイズにもこだわりたいところ。そこで、オーダーメイドやお手持ちのコートのリメイクをする際にこだわりたいポイントを詳しく解説していきます。
着丈
まずは、コートの着丈に注目しましょう。スーツと合わせる場合には、以下のような着丈がおすすめです。 ロングコート:膝下からふくらはぎまでの長さで、フォーマルな印象を与える ミドル丈:膝丈程度で、バランスが良く万能な長さ ショート丈:膝上で、スタイリッシュな印象を与える また、腰やおしりが隠れる程度の長さの「ハーフコート」を綺麗に着こなしている方もいます。しかし、素材やデザインによってはスーツにそぐわないカジュアルな印象を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。 ビジネスシーンではロングコートやミドル丈が特に好まれていますが、毎日着るものですから、自分の好みや体型に合わせて選ぶとよいでしょう。
デザイン
ビジネスシーンで着用するコートには、以下のようなデザインが人気です。 シングルブレスト:ボタンが一列で、すっきりとした印象 ダブルブレスト:ボタンが二列で、重厚感がある また、襟のデザインも重要です。ノッチドラペルやピークドラペルなど、スーツと同じような襟デザインを選ぶことで、統一感が出ておしゃれに見えます。
ボタン
ボタンの素材やデザインでもコートの印象が変わるため、ボタンはこだわりたいポイントの一つです。 スーツとの相性を考えるとシンプルなデザインがおすすめで、ファッション性を楽しみたいときはデザイン性の高いボタンを選んでみても良いでしょう。 また、本水牛のボタンなど上質な素材を使ったボタンを使用することでワンランク上のコートという印象になります。
裏地
コートの裏地もカスタマイズのポイントです。裏地は普段見えない部分ですが、見えないところも気を配る大人の楽しみです。自分だけの特別感も楽しめます。 素材はポリエステルやキュプラが多く、自分の好みに合わせた裏地を選ぶと、コートを着るのが楽しくなるでしょう。
ポケット
ポケットもコートの印象を決める大事な要素で、デザインをこだわることができます。例えば、以下のようなポケットのデザインがありますので、目的や好みに応じてカスタマイズしてみましょう。 フラップポケット:フラップが付いていて、フォーマルな印象 スラントポケット:斜めについており、乗馬中に使っていたことが由来 チェンジポケット:右ポケットの上に付ける小さなポケット
【種類別】スーツとコートの着こなし方法
代表的なコートを3タイプ見てきましたが、それぞれ異なる魅力を持っています。 ここからは、各々の特徴を踏まえた着こなし術について解説しましょう。
「ステンカラーコート」で秋冬らしさを
シンプルさが魅力の「ステンカラーコート」は、ベージュやネイビーといった色を選んで、秋冬らしさを演出してみましょう。幅広い色・柄のジャケットやパンツとも無理なくマッチします。 ネイビーやブラックのスーツにベージュのステンカラーコートを羽織れば、明るい雰囲気を醸し出せるでしょう。 ネイビーのステンカラーコートは、ビジネスシーンはもちろん、カジュアルな着こなしにも対応できるアイテムです。
「チェスターコート」は同色系でまとめる
「チェスターコート」が持つフォーマルな印象を生かすには、スーツをはじめ、ネクタイなどの各アイテムを同色系でまとめることがおすすめです。ビジネスシーンで、おすすめの着こなしと言えます。 グレーやネイビーなどの落ち着いた同色でまとめれば、伝統に支えられた大人の風格が漂うでしょう。ブラウンカラーでまとめるのもおすすめです。
「アルスターコート」はダークカラーと合わせて
重厚感に満ちた「アルスターコート」は、ダークカラーとのセットアップで着こなすことで、気品と格式をより高めたコーディネートになります。 コート自体がドレッシーなスタイルです。雰囲気をさらに生かすためにも、その他のアイテムはワンカラーでまとめると良いでしょう。 アルスターコートの襟元は、ダブルで狭くなっているのが特徴です。マフラーやストールが映え、美しいシルエットを生み出します。
スーツと合うコートに関するよくあるQ&A
続いては、コートに関する疑問にお答えします。カジュアルなコートのビジネスシーンでの着用適性や、コートの相場、オーダーメイドのコートの完成に必要な期間について詳しく解説していきます。
カジュアルなコートはビジネスに不向きですか?
カジュアルなコートは、ビジネスシーンでの着用には不向きな場合があります。 ただし「ビジネスカジュアル」と呼ばれるコートであれば、TPO(場所・場合・時間)に合わせて選ぶことでビジネスシーンでの着用も可能です。 ビジネスカジュアルのコートは、シンプルなデザインでありながらも、程よいカジュアル感があるため、オフィスカジュアルやビジネスイベントなどに最適です。 ただし、フォーマルな場や重要な商談などでは、よりフォーマルなコートを選ぶことが望ましいでしょう。
スーツに合うコートの相場はどのくらいですか?
ブランドや素材、デザインなどによって異なりますが、一般的には3万円から10万円程度が相場とされています。 なお、高品質な素材や独自のデザインを持つブランドのコートであれば、これを上回る価格帯になることもあります。予算に応じて、最適なコートを選ぶことが大切です。
コートをオーダメイドする場合、完成までどのくらいかかりますか?
オーダー内容やブランドによって異なりますが、コートをオーダーメイドする場合、完成まで一般的には約1ヵ月から2ヵ月程度が必要とされています。 ただし、繁忙期や特別なデザインであればさらに期間がかかることもありますので、あらかじめ確認しておくと安心です。
おしゃれなコートで冬の寒さを乗り切ろう
コートは、防寒機能が大切であることはもちろんですが、冬場のコーディネートを彩るアイテムとしても大切な役割を担います。 多様なデザインや色・柄から好みのコートを探すのはとても楽しいものですが、シーンにマッチしたタイプを選ぶことも重要です。 TPOを踏まえた上で、おしゃれなコートをまとって、冬の寒さを乗り切りましょう。 また、コートは第一印象にも影響を与える重要なアイテムです。自分にぴったりなコートで、ビジネスも円滑に進めたいですね。