スーツは最低何着持つべき?着回しに持っておきたい色や柄
社会人にとって、スーツは不可欠なアイテムです。社会で働く良識のある大人であれば、スーツにおいてもTPOに応じた着こなしが求められます。仕事をする上で、何着のスーツを備えておくのが望ましいのか考察します。スーツのお手入れ方法もチェックしましょう。
着回しに必要なスーツは何着?
ファッションへの興味があるかないかにかかわらず、職場に毎日同じスーツを着ていくことは避ける必要があります。
社会人として適切に振る舞う上で、着回し用のスーツは何着ほど必要なのでしょうか。
営業職は最低でも3着
営業職であれば、大切な顧客との面談なども多いため、最低でも3着はそろえておきたいところです。3着あれば、毎日の出勤に合わせてローテーションが可能です。
スーツをローテーションさせることには、いくつかの理由があります。
連日の着用では汚れが付きやすく、臭いの原因にもつながります。型崩れも起きやすくなってしまうため、スーツの清潔感が失われてしまうのです。
いつでもきれいな状態のスーツを身に着けられるように、3着はワードローブに並べておきましょう。
内勤職はパンツを多めに
顧客との面談なども少なく、外に出る機会がさほど多くない内勤職であれば、営業職ほどのスーツの数は必要ありません。それでも、1着を着続けるのではなく、2着は用意したいものです。
上着はそれほどたくさんの数をそろえる必要はありませんが、パンツは多めに用意しておくことをおすすめします。
椅子に座っている時間が長い内勤では、座面に擦れることで、パンツにテカりが生じやすいのです。
スーツによっては、スペアのパンツがセットで販売されていることもあります。このようなセットを上手に利用するなどして、余裕を持ってパンツをそろえておくと良いでしょう。
普段の着回しとは別に持っておきたいスーツ
日常の業務で着回すスーツのほかにも、社会人として用意しておきたいスーツがあります。
特別な機会にも適切に対応するために、そろえておくことが望ましいスーツについて紹介しましょう。
冠婚葬祭用のスーツ
社会人として生活していると、冠婚葬祭に出向く機会があります。友人・知人の結婚式に招待されることもあれば、お悔みの席に参列することもあるでしょう。
そのような場合、ビジネススーツではふさわしくないだけでなく、時によっては失礼にあたってしまうこともあります。
そのため、普段の業務で着るスーツのほかに、フォーマルな場にも対応する、冠婚葬祭用のスーツを用意しておきましょう。
スーツ専門店には、お祝いとお悔みの両方で着用できる礼服が豊富に並んでいます。
それぞれ別々にスーツをそろえるのであれば、お祝い事には光沢のある黒を、葬儀では光沢のない深い漆黒を用意するようにしましょう。
季節に応じた生地のスーツ
一見すると、同じように見えるスーツですが、季節に応じて使い分けることも大切です。
春夏には、暑さを抑えて涼しさを感じられる生地を用いたスーツを選びましょう。通気性が高く速乾性のある生地が向いています。
秋冬には、防寒性や保温性が求められます。体と生地の間の空気をしっかりと温め、保持できる生地を使ったスーツが人気です。
裏地にも種類があり、背中の部分の裏地を省いた『背抜き』や、全面に裏地のある『総裏』というタイプもあります。
仕様によって着た感触は異なるため、いろいろなタイプを試してみると良いでしょう。
オーダーメイドスーツ
「自分の体形に合った、オリジナルの1着が欲しい」という人には、オーダーメイドスーツがおすすめです。既製品にはない、自分だけの理想のスーツを手にできるでしょう。
既製品でも、上着であれば袖の長さや着丈、パンツであればウエストなどについて、ある程度の直しは可能です。ただし、その範囲には限界があり、どこかで妥協しなければならないこともあります。
その点、オーダーメイドであれば、自分の体を採寸するところからスタートするため、体形にフィットしたスーツが手に入ります。
好きな生地をチョイスでき、好みの色柄や求める機能に応じたスーツが完成するでしょう。
持っておきたい基本の色・柄・生地
一口にスーツといっても、デザインや生地は実に多用です。シックなものもあれば、柄の入った華やかなタイプもあります。
仕事の現場にふさわしいスーツとは、どのようなものでしょうか。ビジネスパーソンとして持っておきたいスーツの基本的な要素について解説します。
色は『ネイビー』『グレー』がおすすめ
仕事で無難に着るならば、色に関しては『ネイビー』や『グレー』がおすすめです。いわゆるベーシックカラーと呼ばれるこれらの色ならば、まず間違いはありません。
ベージュやライトブラウン、ライトブルーなどのスーツは、とてもおしゃれな印象を醸し出します。しかし、ファッショナブルだからといって、ビジネスシーンに適しているかどうかは別問題です。
業種や職種によっては、誠実さや堅実さ、実直さといったイメージが必要なケースがあります。ネイビーやグレーならば、その点でも安心感の持てる色合いです。
ベーシックカラーであれば、急なお通夜などにも対応できます。また、接待の会食などにも着て行けるなど、幅広く活用できることも魅力です。
柄は『無地』や『ストライプ』
スーツの柄は『無地』や『ストライプ』がおすすめです。無地に悪印象を抱く人はいないため、とても安定感があります。
ストライプは、スマートな印象にもつながる柄です。「ペンシルストライプ」や「チョークストライプ」「ヘアラインストライプ」などは、清潔感もありシャープなイメージを演出できます。
ただし、線が太く間隔が広くなるにつれカジュアルさが増す点は留意しておきましょう。
季節ごとに適した素材や生地
スーツに用いる生地の種類には、季節ごとに適したものがあります。
年間を通してウールが定番の素材ですが、日差しが暖かくなってきた春には「コットン」もおすすめです。吸湿性も高く、肌触りもソフトです。
夏には「リネン」のスーツを着てみてはいかがでしょうか。蒸し暑い日でも、高い通気性などで暑さを和らげてくれます。
冬におすすめの生地として、「フランネル」や「ツイード」が挙げられます。高い防寒性を持つこちらの生地は、厳しい冬場の寒さから身を守ってくれます。
スーツを長持ちさせるコツ
お気に入りのスーツは、できるだけ長持ちさせたいものです。長期間にわたって愛用するためのコツについて説明します。
毎日のブラッシング
帰宅してスーツを脱いだら、ブラッシングを行いましょう。
生地に汚れが溜まると、生地の傷みを促進するだけでなく、虫食いなどの原因にもなります。ブラシを使って、スーツ全体に付いたホコリなどを払うことが大切です。
まず、ハンガーに掛けたらスーツ全体を叩きます。そうして汚れを浮かせてから、上から下に向けてブラシを掛けていきましょう。
パンツは、裾を上にして吊るし、裾から腰に向けてブラッシングします。
スーツ用のハンガーを使う
スーツ用のハンガーを使うことも、長持ちさせる上で有効な方法です。
人の体のように、肩のラインが肉厚で丸みを帯びているハンガーが理想です。防湿効果や静電気を防ぐ効果のある木製のハンガーで、厚さは3〜5cmのものを選びましょう。
針金などの細いハンガーでは、生地の一部に負担をかけてしまい、型崩れの原因になってしまいます。
スーツの美しいシルエットを保つためにも、専用のハンガーを使用することが大切です。
クリーニングの頻度に注意
常に清潔にしておきたいからといって、1シーズンに何度もクリーニングに出すことは控えた方が良いでしょう。
クリーニングは衣類にかかる負荷が大きいので、出しすぎると型崩れの原因になってしまいます。
夏場に外を歩き回る営業職では、スーツに汗が染み込むという人もいます。それでも、10回の着用に1度程度のクリーニングに留めておきましょう。
秋冬物であれば、1シーズンに1回でも十分です。それ以上の頻度は、かえって劣化を早めてしまいかねません。
キャリアに合わせてスーツを増やそう
入社したてのフレッシュマンや20代の若手ビジネスパーソンであれば、まだ数多くのスーツをそろえていないという人は多いでしょう。
それでも、清潔さや周囲への配慮も考慮し、3着程度は用意しておきたいところです。
キャリアが長くなりポジションが上がるに従って、周囲から寄せられる視線も多くなります。そのような環境になれば、より豊富なワードローブが必要になるでしょう。
スーツは仕事に不可欠であるからこそ、スマートに身に着けたいものです。キャリアに見合った数のスーツを準備しておきましょう。