スーツにポケットチーフを挿す意味は?選ぶポイントや折り方も解説
スーツの胸ポケットにポケットチーフを挿すことで、より上品かつおしゃれな着こなしが可能になります。結婚式やパーティーといった場だけでなく、ビジネスシーンでも使えるアイテムです。基礎知識や選び方、代表的な折り方を紹介します。
ポケットチーフの基本
ポケットチーフは、スーツの左胸ポケットに挿して使う、ハンカチのようなアイテムです。
フォーマルな印象を与えたり、胸元にボリュームを出したりするなど、飾りとしての役割を持っており、結婚式やパーティーだけでなくビジネスシーンでも使えます。
ポケットチーフを挿す意味
ポケットチーフを挿すことにより、華やかな印象が生まれます。女性に比べ、身に着けられるアクセサリーの種類が少ない男性にとっては、重宝するアイテムです。
胸元にボリュームを与え、スーツに立体感を出せることもメリットです。スーツが適度な立体感を持つことで、より見栄えが良くなるでしょう。
結婚式の場で使用すれば、招待してくれた相手への感謝の気持ちや、新郎新婦に対する祝福の気持ちを示せます。
ビジネスシーンでも使える
結婚式やパーティーでのスーツスタイルに使われることが多いポケットチーフは、ビジネスシーンで使うことも可能です。
単調になりやすいスーツスタイルでも、胸元にアクセントを加えられるため、気軽におしゃれを楽しめるでしょう。
海外のビジネスマンは、ネクタイと同じような感覚で、当たり前のようにポケットチーフを使用しています。
ただし、就職・転職活動など、着飾ることがふさわしくないようなシーンでは控えた方が無難です。
知っておきたいポケットチーフの知識
ポケットチーフの歴史をたどると、ハンカチと同じ起源だということが分かるでしょう。しかし、両者は用途がまったく異なるため、主な素材やサイズも違います。
ポケットチーフの歴史
ポケットチーフは、中世ヨーロッパで誕生した正方形のハンカチと同じ起源とされています。
当時のハンカチは、身分の高い者だけが所有を許されていた上、袖口やベストに隠して持つべき物でした。
20世紀に入り、ようやくハンカチを挿すための胸ポケットが登場します。
その後、実用的なハンカチをポケットチーフとして胸に挿す習慣が広まり、現在のようなスタイルに落ち着きました。
ハンカチとの違い
ポケットチーフは装飾的な意味合いが強いアイテムであるのに対し、手を拭いたり汗を拭ったりする目的で持つハンカチは、極めて実用的なアイテムです。
それぞれ用途が異なるため、生地に使わる素材も異なります。
ポケットチーフに使われる主な素材は、エレガントな質感を出しやすい『シルク』や『リネン』です。一方、ハンカチには、吸水性に優れた『コットン』が主に使われています。
ポケットチーフの代わりにハンカチを挿すこと自体は、マナー違反ではありません。しかし、ハンカチはサイズが大きめで厚みのあるものが多いため、ポケットが膨らみやすく、見た目を損ねてしまうでしょう。
ポケットチーフ選びのポイント
フォーマルなシーンで使う場合は、シルクまたはリネン素材で『白の無地』が基本です。
カジュアルな場で使うためにおしゃれなものを選びたいなら、ネクタイの色柄に合わせたコットン素材のアイテムが良いでしょう。
素材によって印象が異なる
シルク素材なら、光沢感により華やかな雰囲気を演出できます。結婚式やパーティーに向くでしょう。
きちんとした印象を与えたい場合は、フォーマル度の高いリネンがおすすめです。シルクに比べ光沢が抑えられており、通常のビジネスシーンでも使えます。
柔らかな風合いが特徴的なコットンは、シルクやリネンと比較し、よりカジュアルな印象を与えられる素材です。結婚式の二次会やカジュアルなパーティーに合うでしょう。
おすすめの色や柄
結婚式などのフォーマルなシーンで使う場合、色と柄は格式高い『白の無地』が基本です。
特に、主賓に近い立場で結婚式に出席したり、より格式高い式典などで使ったりする場合は、フォーマル度の高い白を選んでおけば間違いありません。
白無地のポケットチーフなら、どのような色のネクタイにも合わせられます。白の代わりに、こなれ感を演出できるシルバーもおすすめです。
初心者はネクタイの色と合わせる
結婚式の二次会やパーティーで使用するなら、ネクタイとの組み合わせを考えて選べば、よりおしゃれなスタイルを演出できます。
色の選び方としては、ネクタイと同系色のアイテムを選ぶのがおすすめです。
ネクタイと色を合わせることにより、Vゾーンにまとまりが生まれ好印象を与えられます。
柄物を選ぶ場合も、ネクタイと同じ色柄のアイテムなら、胸元がすっきりとまとまるでしょう。
このように、白以外のポケットチーフを使ったことがない初心者でも、手持ちのネクタイと同じ色や柄のアイテムを選べば、十分におしゃれ感を出せます。
基本的な折り方を覚えよう
同じポケットチーフを挿しても、折り方が違えば与える印象もまったく異なります。代表的な折り方と使用シーンを覚えておきましょう。
シンプルな「TVホールド」
ポケットチーフの折り方で、どのようなシーンにも合う最もシンプルなものが「TVホールド」です。完成形が長方形になることから「スクエア」とも呼ばれます。
最初にポケットチーフを縦に二つ折りし、続いて横に二つ折りしましょう。ポケットのサイズに合わせながら、さらに二つ折りか三つ折りにし、縦長の長方形を作ります。
次に、胸ポケットから1〜2cm出る程度の長さが残るように、下部を折り曲げましょう。裏返して形を整え、そのまま胸ポケットに挿せば完成です。
オールマイティーな「トライアングラー」
胸ポケットから三角形のポケットチーフを見せるような折り方が「トライアングラー」です。TVホールドと同様に、あらゆるシーンでオールマイティーに使えます。
ポケットチーフを縦横連続で二つ折りし、小さな正方形を作りましょう。ひし形になるよう角度を変え、ポケットの幅に合わせて左右の角を内側に折り込みます。
最後に、下部を上に折り曲げ、形を整えれば完成です。ポケットから出る上部の三角形の部分は、左右対称に見えるように整えましょう。
華やかな「スリーピークス」
三つの山がポケットから見えるような折り方が「スリーピークス」です。華やかな印象を与えられるため、パーティーなどのシーンに向いています。
最初に、対角線の角を合わせるようにポケットチーフを二つ折りし、三角形を作りましょう。さらに、三角形の真ん中で二つ折りしますが、角が少しずれるように折ります。
続いて、もう一度三角形の真ん中で、同じように角をずらして折れば、三つの山が並んだような形になります。
胸ポケットの幅に合わせて調整し、三つの山がポケットから出るように挿せば完成です。
優しい印象の「パフ」
胸ポケットからふんわりとポケットチーフが出るような折り方が「パフ」です。
柔らかい雰囲気を出せるため、スリーピークスと同じく華やかなシーンに適しています。
最初にポケットチーフの中央部分をつまんで、ふんわりとした形状になるように持ち上げましょう。
もう片方の手で、ポケットチーフの下部を絞るように握り、胸ポケットの幅に合わせて折り込みます。
そのまま胸ポケットに挿し、ふんわりとした膨らみが見える程度にまで押し込めば完成です。
ポケットチーフで粋なスーツスタイルを
実用性が求められるハンカチと異なり、ポケットチーフは胸元でおしゃれを演出するためのアイテムです。使われる素材も、基本的にハンカチとは違います。
ポケットチーフを選ぶ際は、使用シーンに適した素材・色・柄を意識することが重要です。フォーマルシーンの基本は白無地ですが、色や柄を選びたい場合は、ネクタイに合わせると良いでしょう。
折り方にもいくつかの種類があります。折り方ごとにどのような見せ方ができるのかを理解し、場の雰囲気にふさわしい折り方を選べるようになりましょう。