細身のスーツの選び方。失敗しないサイズ選びや着こなし方法を解説
スリムに若々しく見せたいのであれば、細身のスーツがおすすめです。通常のスーツとはデザイン面に違いがあり、サイズなどの選び方を間違えると、かえってかっこ悪く見えてしまう危険性もあります。細身スーツの選び方や、格好良い着こなし方法を紹介します。
細身スーツの基本
細身スーツとは、ただ自分にとってサイズが小さいスーツではありません。どのようなものか、その概要と選ぶ際の注意点を紹介します。
近年のトレンドであるスリムなスーツ
細身スーツとは、自分の体にフィットしたスタイリッシュなシルエットを特徴としたスーツのことです。
デザインそのものがスタイルを細身に見せるようにできていて、ほとんどがジャケットの着丈やスラックスの裾丈を短めに仕立てています。
体のラインが細く見えるので、すっきりした見た目からスマートな印象を作ることが可能です。
そのため、細身スーツを着用すると、野暮ったく見えることはほとんどありません。ビジネスシーンだけでなく、冠婚葬祭やリクルートにも活用されています。
1990年代の肩パッド入りスーツやゆったりとしたシルエットのスーツと比べると、真逆の方向性のスーツです。2000年代から流行が始まり、近年のトレンドとして人気を集めています。
サイズ選びには注意が必要
自分の体形よりあまりにも細めのサイズを選んでしまうと、膝周りや背中にシワが寄りやすくなってしまいます。
シワが寄る場合はサイズが小さ過ぎる証拠なので、サイズを上げて着用しましょう。
試着の際に気を付けなければならない点は、スーツを実際に着用するシーンを想定して、普段着ているシャツを中に合わせて違和感がないかを確認することです。
細身スーツといえども、少しサイズに余裕を見た方が、無理なく着やすいでしょう。
メリットとデメリット
流行りの細身スーツでも、いくつか知っておいた方が良い点があります。メリットとデメリットを紹介します。
若々しくスタイリッシュな印象
細身スーツを着用すると、スラッと見えることもあり、若々しいイメージをまとえます。誠実さや清潔感を強調できるので、20代であれば周囲の先輩にも好印象を与えられるでしょう。
30〜40代になると役職に就く人もいますが、細身スーツを着用すれば年齢より若く見られることもあるでしょう。
少し体形が変わってしまっても、体のラインを強調することで細く見せられることもメリットの一つです。
カジュアルに見られてしまう
細身のスーツはスタイリッシュな印象を与え、トレンドに乗ったおしゃれ感を強調できるアイテムです。
しかし、人によってはカジュアル過ぎる印象と考えるケースがあります。社内であればあまり問題はありませんが、顧客に頼りない印象を与えてしまうことも考えられます。
細身のスーツでも落ち着いた色を選択するなど、場面に応じた着こなしが大切です。
細身スーツのサイズを選ぶポイント
細身スーツは大き過ぎるとデザインの効果が半減してしまい、小さくなり過ぎると窮屈感を与えてしまいます。
自分に合ったサイズを選ぶためのポイントを見ていきましょう。
胸やお腹周りのシルエットを意識する
まず、ジャケットのサイズを合わせていきます。胸周りやお腹周りに注意しましょう。
サイズがきつ過ぎると、胸元のラペルが立ち上がってしまいます。ラペルが胸のラインに沿った状態をキープできているか着目するようにしましょう。
続いて、ジャケットを着用し、ボタンを閉めてみます。
お腹周りがきついと、ボタン周辺にX型のシワが寄ってしまいます。その場合は、少しゆとりを持ったサイズに合わせましょう。
体とジャケットの間にこぶし一つ分のスペースが空く程度のサイズだと、無理せず着用できます。仕事でよく体を動かす人などにおすすめの選び方です。
着丈の長さに注意
着丈の長さを見るポイントは、ジャケットを着用した際の後ろ姿です。
細身のジャケットは着丈が短くなりますが、丈でお尻がやや隠れるか、お尻の真ん中くらいまでの長さが良いとされています。
短過ぎると、腕を伸ばした際に内側に着たシャツが見え過ぎてしまい、バランスが悪くなってしまいます。また、どうしても窮屈な印象を与えてしまうでしょう。
逆に、長過ぎると細身スーツならではのすっきりした印象が薄れてしまい、野暮ったく見えてしまいます。
シワが出ないサイズ感
サイズの小さ過ぎる細身スーツを着用すると、スラックスの太もも周りにシワが寄ってしまいます。
生地が体に引っ張られるため、お尻から太ももにかけたラインも内側に食い込んでしまうのです。
また、小さいサイズを着用した際に出る分かりやすいサインとして、スラックスのポケットが開いてしまうことが挙げられます。
さらに、太ももが窮屈になると、それに引っ張られて膝裏にもシワができてしまうでしょう。
シワが入ったスーツは、窮屈感やだらしなさを印象付けてしまうので、注意が必要です。
裾の長さは靴の甲に少しあたる程度
スラックスの裾の長さも、スタイリッシュに見せる重要なポイントです。
すっきりした印象を与えるベストな長さは、裾が靴の甲に少しかかる程度です。短過ぎると靴下が長く見えてしまい、窮屈な雰囲気になってしまいます。
スラックスの裾はダブルよりもシングルがおすすめです。
シンプルですっきりさせれば、足が長く見える効果が得られます。ウエストのタックがないものを選択すれば、さらにスリムな見た目になるでしょう。
ダサいと思われない着こなし方
トレンドの細身スーツをまとっていても、インナーや靴選びを間違えると、ダサいと思われる着こなしになってしまう可能性があります。
シャツやネクタイの合わせ方や、格好良い着こなし方を紹介します。
シャツは細身のレギュラーカラー
細身スーツの中にスタンダードな身幅のシャツを着ると、窮屈さを感じることや、着心地が悪くなってしまうことがあるので、シャツも細身のものを選択しましょう。
さらに、ジャケットを脱いだ際の見栄えが悪くなったり、胸元のシワが目立ったりするなど、ダサい印象を与えがちです。
色はサックスブルーやホワイトといった、スタンダードなものを選択すると、シンプルですっきりした雰囲気が得られます。
ネクタイはディンプルで華やかに
ネクタイの太さは、細めのレギュラータイプを合わせるのが良いでしょう。ラペルの幅と同程度の太さにすれば、全体的にうまくまとまります。
細身スーツのラペルは、ほとんどの場合が細く作られています。そのため、ネクタイはナロータイプまたは細めのレギュラータイプが合わせやすいのです。
ネクタイを結ぶ際は、ディンプル(くぼみ)を作ることで胸元の華やかさが増します。
また、ダブルノットやセミウィンザーノットといった結び方で立体感を作ると、胸板に厚みを持たせられるでしょう。
靴のつま先は細めにしよう
靴のつま先は、プレーントゥーやストレートチップといった細いタイプの方が、細身スーツには似合います。
つま先が太いと全体的な締まりが悪くなり、スーツとのバランスが合わなくなってしまうでしょう。
また、ダークな色や暗めのブラウンにすると、上下の統一感が生まれやすくなります。
革靴には『羽根』と呼ばれる靴ひもを通す穴の部分がありますが、内羽根式と外羽根式に分かれます。
細身スーツには、羽根が全開せずに収まる内羽根式を選択すると、よりスタイリッシュに見えるでしょう。
適切なサイズ選びで細身スーツを着こなそう
細身スーツは、着丈を短くしたり裾口を細くしたりするデザインにより、全体的に細身に見せる効果があるものです。
スタイリッシュに格好良く見せられるメリットもあれば、カジュアルに見られてしまうこともあるので、TPOをわきまえて着用すると良いでしょう。
また、サイズ選びは重要です。シワが寄らない、着丈が短過ぎないといった点に注意しながら、体に合ったものを選択しましょう。
インナーを細身にすることや、ネクタイはラペルの幅に合わせるといったポイントを押さえながら、細身スーツを着こなしみてはいかがでしょうか。