結婚式でのスーツ選び。基本的なマナーと合わせるアイテム
2021.05.26 WED

結婚式でのスーツ選び。基本的なマナーと合わせるアイテム

結婚式は、新郎新婦の晴れの舞台であり、親族にとっても大切な日です。お祝いの場にふさわしい装いで参列するべきですが、どのようなスーツが適しているか迷う人もいるでしょう。そこで、知っておくべきマナーや気を付けたいポイントについて解説します。

結婚式の服装

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友人や知人の結婚式に招かれた時、着て行くスーツに悩む人もいるでしょう。新郎新婦の門出を祝福するには、礼服の着用が望ましいといえます。

礼装といっても、スタイルによってランクに違いがあります。『正礼装』『準礼装』『略礼装』それぞれについて掘り下げてみましょう。

最も格式の高い正礼装

『正礼装』は、礼服の中で最も格式の高い装いです。結婚式では、新郎や両家の父親といった主役が身に着けます。

正礼装は、昼と夜で形式が異なります。両者について見てみましょう。

昼の正礼装にあたるものが『モーニングコート』です。一般的に日が暮れるまでの時間帯に着用します。時間でいえば午後6時くらいまで、陽の短い冬場であれば午後5時くらいまでです。

前身頃が大きく斜めにカットされていて、膝裏にまで伸びた後身頃も同様に、裾が斜めにカットされているデザインが特徴的です。

『燕尾服』は、夕方以降に着る正礼装になります。燕(つばめ)の尾に似た形状のためそう名づけられました。

腰の位置で前身頃が真横にカットされていて、二つに割れた長い後身頃のシルエットは、まさに燕を思わせます。

主賓クラスが着る準礼装

正礼装に準ずる『準礼装』は、主賓クラスが身に着ける礼服です。正礼装と同様に、準礼服も昼用と夜用に分かれています。

昼用の『ディレクターズスーツ』は、正礼装のように、上着に特別なデザインは施されていません。黒のジャケットにグレーのベストをまとい、黒とグレーのストライプ柄のコールパンツを合わせます。

コールパンツでなければいけないという厳格なルールはなく、グレーの無地、あるいはハウンドトゥース柄のパンツでも問題ありません。

『タキシード』は、夕方以降の準礼服です。ジャケットの襟に特徴があり、ヘチマ型のショールカラーや、下襟が上に向かって伸びるピークドラペルが施されています。

ウィングカラーのシャツにボウタイが基本のスタイルで、ベストか、腹部にカマーバンドを着用するかのいずれかが不可欠です。

なお、タキシードは正礼装と扱うことも可とする意見も、一部にあります。

多くのゲストが着る略礼装

『略礼装』は、礼服の中で最もポピュラーなスタイルといえるでしょう。正礼装や準礼装のように、時間による使い分けもありません。

一般的には、色の濃い、無地柄の生地を用いたスーツルックであれば、略礼服として捉えられます。や襟が特別にデザインされている必要はないのです。

ちなみに、結婚式でも黒のスーツが活用されますが、お祝いの場に黒いジャケットが適しているとする習慣は、日本独特なものである点は知識として備えておきましょう。

キリスト教の文化圏では、黒のスーツは葬儀用との認識を持つ人もいます。そのため欧米では、お祝いの場の略礼服として、チャコールグレーのスーツを着用することも多いです。

一般ゲストのスーツ選び

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媒酌人や仲人、主賓クラスの招待客では準礼装が望ましいスタイルですが、一般ゲストとして招待される機会がほとんどでしょう。

一般ゲストとして参列する場合、正礼装や準礼装で臨む必要はありません。主役や主賓をかすんだ存在にしてしまうという意味で、かえって失礼にあたると考えられています。

では、一般の参列者としてふさわしい服装とはどのようなスタイルでしょうか。具体的に見てみましょう。

ブラックスーツかダークスーツを

一般ゲストとして招かれた結婚式では、略礼服での出席が適しています。デザイン的には、一般的なスーツと考えて差し支えないでしょう。ブラックスーツか色目の濃いダークスーツであれば問題なく適応します。既に説明した通り、略礼服には昼・夜の使い分けはなく、襟・裾が特別にデザインされたものでもありません。

ブラックスーツは、近年、ビジネスシーンでも活用されることが多くなりました。仕事用のブラックスーツを略礼服に兼用できると思う人もいますが、注意が必要です。

礼服として相ふさわしい黒は、光沢がなく、沈み込むような深い黒が適しています。一方、ビジネス用スーツの黒は、艶のある明るい黒である場合が多いので、礼装としては避けるべきでしょう。

また、色の濃いダークスーツといっても、深いエンジやワインカラーは避けましょう。ダークグレーやダークネイビーをおすすめします。

ワイシャツの選び方

略礼服における最もオーソドックスなワイシャツは、何といっても白無地です。柄のあるタイプは控えましょう。

ですが、色が白であれば良いというわけではなく、生地の種類には配慮が必要です。例えば、ラフでカジュアルなテイストをかもし出すオックスフォードなどは、礼装に向いている生地とはいえません。軽薄な印象を与えてしまう恐れがあるので避けるのがベターです。

一方で、気品をたたえたブロード生地は、結婚式用の略礼服にとても似合うのでおすすめです。お祝いの場で着るワイシャツには、適度に光沢があり、滑らかな質感の生地を選ぶようにすると良いでしょう。

ネクタイの選び方

結婚式においては、白無地のネクタイが最も適しています。神聖な印象がある着こなしとなり、祝福の気持ちを最大限に伝えるにはうってつけです。

光沢を帯びたシルバーのネクタイも、身に着けるだけでエレガントな雰囲気となるため、結婚式にぴったりなネクタイといえます。世代や人を選ばないため、1本持っているだけで使い勝手が良いでしょう。

また、シルバーに控え目な織り柄が施されたネクタイもおすすめです。上品な柄を選べば、品格の漂う装いとなるでしょう。

その他アイテムの選び方

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礼装を完成させるためには、ジャケットにスラックス、ワイシャツ、ネクタイといった主要アイテムに意識を向けるだけでは不十分です。ディテールにまで気を配ってこそ、お祝い場にふさわしい格好ができるといえます。

ワンランク上のコーディネートに向けて、各アイテムの選び方を解説しましょう。

おしゃれ小物の合わせ方

結婚式におすすめのアイテムの一つは、ポケットチーフです。胸元にネクタイと同じ色柄のポケットチーフを身に着けることで、全体をよりエレガントに見せることができます。

チーフの折り方は、ネクタイのテイストと合わせるように気を配ります。シャープな印象にしたいならばスクエアやツインピークス、スリーピークスがおすすめです。ふんわりと柔らかい印象を生みたいならば、パフドスタイルやクラッシュスタイルも良いでしょう。

一方で、大きなバックルのベルトや、スカル型のカフスボタンなどの派手な小物は避けたいものです。あくまでもスマートでシンプルなデザインを心掛けることが肝心です。

靴はフォーマルに

靴はコーディネートを完成させるにあたって、重要なアイテムです。そして結婚式に臨む場合、革靴であることが大前提となります。

革靴の色はブラックを選びましょう。統一感のあるコーディネートにするために、靴とベルトの素材と色を合わせることは基本です。

ワンランク上のフォーマルな装いをしたい人は、靴のデザインにも気を配ってみましょう。甲の部分に横一直線にラインが引かれたストレートチップの革靴や、飾り気のないシンプルなプレーントゥがおすすめです。

ふさわしくない靴は、カジュアルなテイストのローファーや、ショートブーツなどのスリップオンタイプです。当然、スニーカーもNGです。

短い靴下はNG

フォーマルな場では、不必要に肌を見せることは下品な行為とみなされます。肌は、基本的に隠すようにしましょう。

このことからも、結婚式に短い靴下の着用は控えることは望ましいです。着席した時に、ズボンの裾から素肌が見えてしまうと、格式ある場では失礼にあたってしまうこともあります。

近年は、カジュアルファッションのみならず、ビジネスシーンにおいても、ショートソックスが広く普及してきました。ショートソックスは、ファッションを楽しむために、時に有効なアイテムです。しかし、結婚式ではくるぶしを覆うくらいの靴下を選び、スマートな足元に整えておきましょう。

結婚式でのNGな服装

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結婚式では、おしゃれを意識していれば良いわけではありません。ファッショナブルであっても、ふさわしくない服装であってはならないのです。

お祝いの場に不釣り合いな服装の例を紹介します。

白のスーツ、黒スーツ×黒シャツのコーデ

清潔感がありクリーンなイメージを備えているからという理由で、白のスーツを身に着ける人がいます。しかし、結婚式に参列するにあたって、白のスーツは控えましょう。

結婚式では、新郎新婦が白い衣装を身に着ける可能性が高いです。そのため、出席者が白をメインとした色の服を着ていると、新郎新婦の衣装と重なり、主役の存在をかすめてしまう可能性があります。

その点では、黒のスーツは一般ゲストの装いとして適しています。しかし、黒スーツに黒いワイシャツ、そして黒いネクタイを合わせるなど、全身真っ黒のコーディネートはNGです。黒と黒のコンビネーションでは、場合によっては葬儀を連想させてしまいます。

黒スーツを着る場合は、選ぶワイシャツやネクタイに配慮することが望ましいです。不要な誤解を抱かれないためにも、オールブラックの組み合わせは見合わせましょう。

派手すぎるコーデやアニマル柄

新郎新婦よりも目を引くような服装は、お祝いの場に適しているとはいえないでしょう。例えば、ひときわ目立つ柄の生地、鮮やか過ぎるカラーリングなど、派手すぎるコーディネートは結婚式にはふさわしくありません。

謙虚さがある、控えめな装いの参加者が多い結婚式においては、おしゃれというよりも、単に悪目立ちしているだけに過ぎないと判断されてしまいがちです。

また、結婚式ではアニマル柄はマナー違反とされています。動物を連想させる革製品やアニマル柄は、生き物の殺傷をイメージさせる可能性があります。それゆえ、おめでたい場では不適切とされているのです。

ビジネススーツやカジュアルすぎるコーデ

日頃からオフィスルックに気を使っているからといって、ビジネススーツで結婚式に参列することは望ましくありません。

お祝いの席は、主役にとって特別な場です。日常生活とは一線を画した装いで、祝福の気持ちを伝えることが大切になります。

そのためには、ワイシャツやネクタイ、靴といった各アイテムにおいて、礼装に準じた様式を備えておくように配慮しましょう。

ドレスコードが「平服」とされている場でも、デニムや襟のないシャツといったカジュアルすぎるコーディネートは適切ではありません。

平服は「正装でなくても可」と捉えるべきで、結婚式ではいかなる場合も、略礼服と同等の身だしなみを意識することが必要です。

状況別で気を付けたい服装のポイント

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結婚式に招かれた際に選ぶ服装で最も大切なことは、その場に見合った装いであるかどうかです。

臨む場に適した服装で出席するために、気を付けたいポイントを状況別に見てみましょう。

ゲストと新郎新婦との関係性

結婚式の主役は、新郎新婦とその両親です。そして、招かれた人は、その主役との関係性を考慮して、身に着ける服装を選びます。

上司や恩師として、冒頭のスピーチや乾杯の発声を依頼されることもあるでしょう。主賓クラスの扱いを受けるならば、ディレクターズスーツやタキシードといった準礼装が望ましいといえます。

友人代表としてスピーチするようなケースもあります。その場合は略礼装でも構いませんが、高級感のにじむシャツやネクタイ、ポケットチーフなどで気品を感じさせる組み合わせを意識するとよいでしょう。

親族として出席するならば、お客様に敬意を表すためにも、準礼服に該当する礼装が適切です。

結婚式会場に配慮した服装を

式場が、格式の高いホテルであったり、伝統ある神社仏閣であったりする場合は、一般ゲストとして出席するケースでも、準礼装を心掛ける必要があります。

最高級のもてなしを受けることが明確な場合は、その場に適したレベルの礼装で臨むべきでしょう。

一般的な式場やレストランウェディングであれば、主賓クラスでない限り、略礼装で問題ありません。

友人が中心となる二次会やパーティーであれば、カジュアルさが加味されることも許されます。カラーシャツや鮮やかなネクタイを用いたコーディネートも許容範囲です。

服装は季節ごとに注意を

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ゲストとして出席する場合の服装では、季節ごとに注意すべき点があります。知っておくべきマナーについて見てみましょう。

夏でもジャケットとネクタイは必須

蒸し暑い夏は、できるだけ薄着・軽装で過ごしたいものです。近年はクールビズが浸透し、半袖・ノーネクタイでもOKというオフィスも増えてきました。

しかし、結婚式においては、屋内で開催される以上、長袖のワイシャツにネクタイを結び、ジャケットを着用することが必須です。

正式なスーツルックでは、ジャケットの袖口からワイシャツの袖が1cm程度見えている必要があります。このことから長袖シャツはマストです。「ジャケットを着ていればワイシャツは半袖でもいいだろう」と考える人がいますが、そうではありません。

冬場のコートのマナー

冬場では、寒さをしのぐコートはマストアイテムです。しかし、基本的にコートは屋外で着るもので、室内で着ることはマナー違反にあたります。

寒い季節の結婚式では、式場の前でコートを脱いでから建物の中に入りましょう。そして、会場に向かうまでに用意されたクロークに預けて、入室します。

式が終わり会場を後にする際にも、建物の中ではコートに袖を通すことはしません。建物を出てから、コートを身に着けるのがマナーです。

結婚式のスーツ選びはマナーを守る

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結婚式は、新郎新婦とその親族にとってはかけがえのない1日です。幸せを祝福するために、品格のある態度と姿勢で式に臨む必要があります。

出席する際の服装は、特に重要です。マナーと礼節を備えたスーツ選びをして、ゲストとしてスマートに振る舞いましょう。

KASHINAVI編集部
KASHINAVI編集部
オーダーメイドブランドのKASHIYAMAによる、知って得するスーツの常識をまとめたコンテンツ「KASHINAVI」を運営。 スーツに関するお悩みに対してナビゲートします。