【葬式のネクタイ】マナー・結び方・注意点を解説
葬式や通夜(ご葬儀)に参列することになったものの、ビジネスシーンとは異なるネクタイのマナーに困惑する方もいらっしゃるはずです。
実は、葬儀とビジネスシーンでは身につけるネクタイや結び方に違いがあります。知らず知らずのうちにマナー違反とならないためにも、葬儀のネクタイマナーは押さえておくべきです。
今回の記事では、葬式でのネクタイのマナーについてご紹介します。色や素材、デザインなどのポイントを押さえましょう。
葬式・通夜のネクタイ選び
葬式や通夜では、服装に特に注意を払うことが求められます。
その中でも特に重要なのがネクタイの選び方です。
葬儀は、故人を偲び敬意を表す大切な場ですから、マナーを守りつつ適切なネクタイを選びましょう。
弔事用ネクタイを選ぶ
ネクタイも、場に応じて使い分ける必要があります。
弔事用のネクタイは、光沢が無く、黒一色で柄がないことが特徴です。
また、弔事用のネクタイはビジネスシーンで着用するものに比べて少し幅が広めで、落ち着いた印象を与えます。故人や参列者へのマナーとして、葬式の場にふさわしいものを選びましょう。
黒いネクタイも可能
「急いでお通夜に駆けつけた」との意を表すために、喪服ではなくダークスーツで参列するケースも存在します。
急きょ葬儀に参列するなど、弔事用のネクタイが手元に無い場合には、一般的な黒いネクタイを着用しても問題ありません。
ただし、弔事用のネクタイと同じように、光沢のない素材を選ぶことが大切です。柄も無い方が良いでしょう。なお、無地の濃い黒のネクタイであれば、より故人様への敬意・弔意を表すことができます。
葬式のネクタイの結び方
ネクタイの結び方も、葬式では重要なポイントです。
ネクタイの結び方によって、全体の印象が大きく変わります。ここでは、主に使用されるウィンザーノットとプレーンノットの結び方について説明します。
ウィンザーノットの場合
ウィンザーノットは、ネクタイの結び方の中でも最もフォーマルな方法とされています。
葬式では、故人への弔意を示すために、このウィンザーノットを用いることがやはり推奨されます。三角形の大きな結び目が特徴的な結び方で、全体のバランスを整えることができます。
プレーンノットの場合
プレーンノットは、一般的にビジネスシーンでよく用いられる結び方で、葬式でも使用できます。
プレーンノットは、ウィンザーノットに比べて結び目が小さく、シンプルな印象を与えます。結び方が難しいウィンザーノットに比べて、簡単に結ぶことができるのが特徴です。
詳しくはこちらの記事でもご紹介しておりますので、ご覧ください。
覚えておきたいネクタイの結び方3種
ただし、葬式時のネクタイでは「ディンプルを作らない」など注意すべきマナーがありますのでご注意ください。
葬式のネクタイに関するマナーと注意点
葬式では、ネクタイの選び方や着用方法にもマナーがあります。
ネクタイの素材やデザイン、ネクタイピン、ディンプルについての注意点を詳しく解説していきます。
光沢・柄・ファッション性のあるネクタイは避ける
葬式は弔意を表す重要な場所であり、華やかさや派手さは避けるべきです。
華やかな光沢のある素材で作られたもの、柄物やファッション性の高いものは個性的で華やかな印象になってしまうため、葬式では避けましょう。
マットな素材で作られた、無地もしくはシンプルなデザインのネクタイを選ぶのが無難です。
ネクタイピンは黒やグレー系の真珠を付ける
ネクタイピンは光沢のある金属製のものが多いため、葬式では避けた方がよいでしょう。ただし、色合いや素材選びに気をつければ、適切な弔意を表現することができます。
ネクタイピンを付ける場合、鮮やかな色や金色は避け、地味な色を選びましょう。
おしゃれとしてのネクタイピンの着用は避けるべきです。このとき、真珠を用いたものは落ち着いた雰囲気を持つため、葬式での着用にも適しています。
ディンプルを作らない
ディンプルとは、ネクタイを結ぶ際にできる小さな凹みのことを指します。
ビジネスシーンではスタイリッシュさを出すために作ることがありますが、葬式ではディンブルを作らないことがマナーとされています。
葬式は故人への敬意を示す場であり、あくまで控えめな装いが求められます。したがって、ディンプルは作らず、シンプルにネクタイを結ぶようにしましょう。
忌事用ネクタイの選び方について、ここまで解説してきたポイントを表にまとめました。
ポイント | 詳細 |
---|---|
カラー | 黒を選ぶ |
柄 | 無地がベスト。 やむを得ず柄物を身に着ける場合は、シンプルなものを |
幅 | 忌事用ネクタイは、一般的なものよりも幅が広いのが特徴 極端に細いネクタイはNG |
素材 | 光沢のあるものは避け、上品で落ち着いた素材を選ぶ シルクやポリエステルが一般的 |
結び方 | シンプルなウィンザーノットがおすすめ ディンブルは作らない |
ネクタイピン | ネクタイピンをはじめ、装飾品はつけないのがベスト 着用する場合は真珠などのシンプルなものを選ぶ |
配慮事項 | 葬儀の宗派や文化について事前に確認しておく |
葬式のネクタイに関するよくある質問・疑問
ここでは、よくある質問とその答えを一緒に見ていきましょう。それぞれの質問に対して詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
Q.通夜や告別式でネクタイは使い分けますか?
A.葬式の場では、通夜と告別式でのネクタイの使い分けは必要ありません。
「弔事用のネクタイ」または「黒いネクタイ」を使用すれば、どちらの場でも問題ありません。ただし、あくまでシンプルなものを選び、光沢や柄、ファッション性のあるものは避けましょう。
Q.弔事用ネクタイは日常やビジネスシーンでも着用できますか?
A.基本的には避けるべきです。
「弔事用のネクタイ」は、その名の通り弔事専用に作られたものです。しかし、どうしても着用する場合は、シーンや相手に配慮したうえで慎重に選ぶようにしましょう。
Q.黒いネクタイと弔事用のネクタイに違いはありますか?
A.見た目は同じ黒でも意味合いが異なります。
「弔事用のネクタイ」は、光沢や柄がなく、真っ黒なものを指します。一方、「黒いネクタイ」は、光沢や柄があるものも含まれます。弔事では、弔事用のネクタイを選ぶのが一般的です。
Q.喪服を購入する際、弔事用ネクタイも同時に揃えた方がいいですか?
A.喪服を購入する際には、弔事用のネクタイも同時に揃えておくことをおすすめします。
突然の訃報に対応できるよう、常に準備しておくことが大切です。また、弔事用のネクタイは専門店で購入することが多いので、喪服と一緒に揃えることで用意の手間も省けます。
まとめ
葬式でのネクタイ着用には、ビジネスシーンとはまた異なるマナーがあります。
礼服を購入する際に、ネクタイも合わせて用意しておくと安心ですね。
故人への敬意を表し、失礼に当たらないためにも、しっかりとマナーを押さえた装いを心がけましょう。