
【女性向け】平服とカジュアルの違いとは?冠婚葬祭での正しい服装選び
結婚式や法事の案内に記載される「平服でお越しください」という言葉に困惑した経験はありませんか。平服とカジュアルは似て非なるもので、冠婚葬祭においては明確な区別が求められます。
本記事では、女性が知っておくべき平服の定義からカジュアルとの違い、各種式典での適切な服装マナーまで詳しく紹介していきます。
平服とカジュアルの違いとは
平服とカジュアルは服装の格式や場面での使い分けが大切です。特に冠婚葬祭においては、間違った理解により場の雰囲気を壊してしまう恐れもあります。
ここでは、両者の定義と特徴について詳しく解説していきます。
平服の意味と特徴
平服は「へいふく」と読み、正装と略礼装の中間に位置する装いです。ワンピースやスーツでフォーマル感を保ちながら、礼装ほど堅苦しくない服装を指します。平服の基本は相手や場に敬意を示すことで、派手さを抑えた品のある装いが求められます。
ネイビー、ダークグレー、ブラックといった色が定番です。素材はウールやポリエステル混紡など、シワになりにくく光沢を抑えたものを選びましょう。
テロンとした質感より、マット感のある素材が平服には適しているため覚えておきましょう。季節に関わらず、露出を控えた品のあるデザインが基本となります。
カジュアルの意味と特徴
カジュアルは私服や普段着を指し、リネンやコットン素材で自由な色柄の服装が許容される装いです。個人の趣味や好みを表現できる服装で、快適性や動きやすさを重視します。
デニムやスニーカーなど動きやすさ重視のアイテムが中心となり、フォーマル感は薄くなります。ファッション性を楽しむ要素が強く、トレンドを取り入れた着こなしも可能です。
装飾やアクセサリーで個性を表現できますが、冠婚葬祭には不適切な場合が多く、場をわきまえた服装選びが重要です。カジュアルは日常生活や親しい友人の集まりに適した服装であり、格式のある場面では避けるべきでしょう。
具体的な違いは?
平服はフォーマル寄りの調和を重視し、きちんと感のあるワンピースやブラウス&スカートの組み合わせが基本となります。上下の色調を揃えたり、同系色でまとめたりして統一感を演出します。アクセサリーも控えめで、全体的にシンプルながらも格式を保った装いが特徴です。
カジュアルは上下の統一感より快適さやトレンド性を重視します。カジュアルワンピースやニット&パンツの組み合わせもおすすめです。色彩豊かなコーディネートや個性的なアイテムの組み合わせも可能で、自由度の高い服装です。
冠婚葬祭で求められる平服のポイント
冠婚葬祭における平服選びは、それぞれの場面で異なるマナーが求められます。ここでは、各場面での平服選びのポイントを詳しく解説します。
結婚式での平服選び
ワンピースはひざ丈以上で、肩を覆う袖ありデザインか、ジャケットやボレロとのセットで選びましょう。ベージュ、グレー、ネイビー、パステルカラーなどの上品な色調で、花嫁の白を引き立てる配慮が大切です。
靴は3〜7cm程度のヒールのあるパンプスで、歩きやすく上品なデザインを選びます。バッグは小ぶりなパーティーバッグで、靴と色を合わせると統一感が出ます。アクセサリーはパールや控えめなデザインのものが適しており、華美になりすぎないよう注意しましょう。
ヘアスタイルは清潔感のあるアップスタイルやハーフアップで、派手すぎない髪飾りなら使用できます。メイクはいつもより少し華やかに。ただし、品を失わない程度に留めることが重要です。
お葬式での平服選び
黒無地のワンピースかブラウス&スカートの組み合わせが基本で、光沢を抑えたマット素材が基本です。七分袖以上で、透け感のない素材を選びましょう。スカート丈はひざ下からふくらはぎ程度が適切です。
アクセサリーは一連の真珠のネックレス・イヤリング程度に留め、華美な装飾は一切避けましょう。結婚指輪以外は外し、時計も黒や地味な色のシンプルなものを選びます。故人への哀悼の気持ちを表す装いとして、装飾を最小限に抑える配慮が必要です。
ストッキングは黒を着用し、バッグは黒の小さめサイズで金具が目立たないデザインを選びましょう。
法事やお寺参りでの平服選び
季節問わず、上着は七分袖以上、裾丈はひざ下を確保して肌見せを控えます。法事では黒または紺、グレーなどの落ち着いた色合いが基本で、お葬式ほど厳格ではありませんが品のある装いが求められます。正座することを考慮し、動きやすい素材を選ぶのも大切です。ストッキングは黒または肌色、靴は黒や濃紺などの落ち着いた色のパンプスを選びましょう。
帯や小物は控えめな色調で揃え、柄は地味な花柄や無地が適切です。和装の場合は紺や茶色の色無地や小紋が適しており、訪問着は格が高すぎる場合があります。お寺の格式や法事の規模に合わせて装いの格を調整することが重要です。
場面 | 女性の装い | 注意点 |
---|---|---|
結婚式 | ひざ丈ワンピース・パステルカラー | 白色は避ける、肩の露出を控える |
お葬式 | 黒ワンピース・マット素材 | 光沢や装飾を避ける、黒ストッキング着用 |
法事 | 落ち着いた色の服装 | 正座を考慮した動きやすさ、控えめなアクセサリー |
冠婚葬祭でカジュアルを取り入れる際の注意点
冠婚葬祭において完全なカジュアルは不適切ですが、適切な範囲でカジュアル要素を取り入れることは可能です。ここでは、許容範囲内でのカジュアル要素の取り入れ方について解説します。
許容されるカジュアルアイテム
素材感を抑えたポリエステルジレやカーディガンで柔らかさを演出できます。ジャケットの代わりにニットジャケットを着用したり、シャツの上にVネックのニットベストを重ねたりする程度なら許容されるでしょう。
シンプルなストールやシルクスカーフでアクセントを加えつつ品を保てます。無地や控えめな小花柄のスカーフなら首元に品格をプラスでき、季節感も演出可能です。色は全体のコーディネートと調和する落ち着いたトーンを選びましょう。
カジュアル過ぎを避けるポイント
デニムやスニーカー、ローゲージニットなどラフ過ぎる素材は避けましょう。カジュアルファッションの定番アイテムは冠婚葬祭には不適切で、場の格式を下げてしまう恐れがあります。
露出度の高い服やビビッドカラーは場の雰囲気を損ねるため禁止です。ミニスカートやノースリーブ、胸元の開いた服装は冠婚葬祭には不適切です。色彩においても赤や黄色などの原色は避け、落ち着いた中間色を基調とした装いを心がけましょう。
季節や時間帯による調整方法
夏は薄手のウール混やポリエステル通気素材のジャケットを選びます。リネン混の素材でも織りが細かく上品な仕上がりのものなら使用可能です。半袖のジャケットやサマーウール素材など、季節に配慮した素材選びが大切です。
冬はライナー付きコートやストールを組み合わせ、防寒とフォーマル感を両立させます。カシミヤやウールのコートで上品さを保ちながら、実用性も確保できます。マフラーではなくストールを選ぶことで、より上品な印象を与えられるでしょう。
まとめ
平服は、冠婚葬祭において正装と略礼装の中間に位置する装いです。格式を保ちながら簡素に見せるため、色・素材・装飾を抑えた控えめなスタイルを心がけましょう。
式典ごとの色やアイテムのルールを守り、季節・時間帯に応じて調整することが大切です。カジュアルな要素は小物や素材選びで取り入れることはできますが、あくまで主役は控えめな平服スタイルにしましょう。
適切な平服選びは社会人の基本マナーです。相手に対する配慮と自分自身の品格を両立させ、冠婚葬祭における人間関係を円滑にするためにも、TPOに応じた平服を選ぶよう心がけましょう。