スーツが破れた!でもあきらめないで!応急処置から予防策まで徹底解説
スーツが破れてしまってあわてふためいた経験はありませんか?大切な会議や商談の直前、そんなアクシデントに見舞われたら誰だって焦るものです。
でも、ご安心ください。スーツの破れにはさまざまな対処法があります。今回は、応急処置から本格的な修理方法、さらには予防策まで、プロの目線でわかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みください。
スーツが破れた時の応急処置方法
突然のスーツの破れ。誰かに気づかれてしまったらどうしよう、と誰もがあわててしまいますが、そんな時こそ冷静に対処することが大切です。ここでは、すぐに実践できる応急処置をご紹介します。
裏側からホッチキスや安全ピンで留める
破れた部分の広がりを防ぐには、まず裏側から留めることが効果的です。ホッチキスやクリップを使えば、素早く簡単に対処できます。
特にホッチキスは芯が細く小さいので、肌への影響も少ないでしょう。周囲の人に気づかれにくいのもメリットです。
さらに、安全ピンがある場合、安全ピンで留めるのも一つの手です。ホッチキスの場合と同じように、破れた部分の裏側から留めましょう。
安全ピンはホッチキスに比べて針が太いので耐久力がありますが、肌にあたると危ないので、あくまでも肌に密着しない部分への応急処置にしましょう。
ただし、こういった方法は一時的な措置にすぎません。長時間の使用は避け、できるだけ早くより適切な修理を行うのがおすすめです。
アイロン接着シートを当てる
アイロン接着シートを使えば、より確実に破れを塞ぐことができます。アイロン接着シートは100円ショップでも買える場合が多いので、手軽に入手できる応急アイテムです。薄地から普通地までに対応した接着シートが多いので、厚手のスーツに使用したい場合は、要チェックです。
まず、スーツの破れた部分に出ている切れた糸やほつれた糸を切って整えます。そして、生地を整えて、表裏両面にアイロンをかけましょう。
そして、薄手の接着シートを用意し、破れている部分より一回り大きく切っておきます。この際、角を丸く切っておくとはがれにくくなるのでおすすめです。
準備した接着シートを破れの裏側に当て、アイロンの熱と圧力で密着させます。密着させたあとはすぐ動かさず、冷めるまでそっとしておきましょう。冷めたら表に返しても大丈夫です。
こういった方法なら、見た目にもあまり目立たず、ある程度の強度も期待できます。ただし、高温のアイロンを使用するため、生地によってはシミや変色の恐れがあります。使用前に目立たない箇所で試すと良いでしょう。
裁縫セットで仮縫いする
裁縫の心得がある方なら、仮縫いも有効な応急処置です。破れた部分を手縫いで留めることで、ほつれを防ぎ、より長持ちさせることができます。糸の色をスーツに合わせれば、一時的な対処としては十分に機能するでしょう。ただし、こういった方法も完全な修理ではありません。後日、専門店でのお直しをお勧めします。
応急処置を施したら、次は本格的な修理方法を考えましょう。プロの技を借りれば、スーツが生き返ってくれるはずです。
スーツを長持ちさせるお直し方法
応急処置の次は、より本格的な修理方法をご紹介します。こういった方法を使えば、スーツを長く愛用し続けることができるでしょう。
裏地の当て布補修
裏地の当て布補修は、破れを目立たなくしつつ、強度も増す優れた方法です。破れた部分をすべてカットし、共布の柄をあわせて、裏面にアイロン接着シートを接着します。
接着後、補修部分と似た色の糸でかがり縫いしてください。すべて縫い終わったら裏で玉止めして終わりです。
こういった方法なら、表からは破れがほとんど見えなくなります。ただし、薄手の生地の場合は当て布の跡が透けて見える可能性があるので注意が必要です。
ダーニング(織り込み補修)
ダーニングは、破れた部分を糸で織り込んで補修する高度な技術です。こういった方法を使えば、破れを目立たなくしつつ、生地本来の風合いを保つことができます。
特に小さな穴や裂け目に効果的で、プロの手にかかれば、修理跡がほとんどわからないほどの仕上がりになることも。ただし、技術を要するため、自分で行うのは難しいかもしれません。
リペア(張り替え)
破れが大きい場合や、特に目立つ箇所の場合は、リペア(張り替え)がおすすめです。破れた部分の生地を切り取り、新しい生地を張り替えるこういった方法は、最も確実な修理方法と言えるでしょう。
ただし、完全に同じ生地を見つけるのは難しいため、微妙な色の違いが出る可能性があります。さらに、他の方法に比べてコストがかかるのが難点です。
プロの修理を依頼する際は、破れの状態や予算に応じて最適な方法を選びましょう。次は、スーツの破れに関するよくある疑問にお答えします。
補修方法 | 適用箇所 | デメリット |
---|---|---|
裏地の当て布補修 | どこでもOK | 薄手の生地の場合は当て布の跡が透けて見える可能性がある |
ダーニング(織り込み補修) | 小さな穴や裂け目 | 技術が必要 |
リペア(張り替え) | 破れが大きい場合、目立つ箇所 | 微妙な色の違いが出る コストがかかる |
スーツ破れのよくある質問と回答
スーツの破れについて、皆さんが気になる疑問にお答えします。こういった情報を知っておけば、万が一の時にもあわてずに対処できるはずです。
Q. 破れたスーツはもう着られない?
A. 決してそんなことはありません。
目立ちにくい部分の小さな破れなら、適切な補修を行えば十分に着続けられます。ただし、大きく破れてしまった場合や、何度も同じ箇所が破れる場合は、新調を検討する時期かもしれません。
特に股やお尻部分は摩擦が起きやすく、破れやすい箇所です。さらに、パンツの後ろポケット部分は、財布やスマホなどよく物を出し入れするので破れやすくなります。こういった箇所が何度も破れる場合は、新調するのをおすすめします。
オーダースーツのKASHIYAMAなら、一度採寸したデータを保存しているので、再注文も簡単です。自分に合ったサイズのスーツを選ぶことで、破れのリスクも軽減できるでしょう。
Q. お直しの費用はどれくらい?
A. お直しの費用は、破れの程度と箇所によって大きく異なります。
一般的な目安としては下記のようになっています。
- 股下の破れ修理:3,000円〜5,000円程度
- 衿の破れ修理:5,000円〜15,000円程度
- ポケット周りの修理:4,000円〜8,000円程度
ただし、これらはあくまで目安です。実際の費用は、修理方法や店舗によって変わってきます。高額な修理を行う場合は、複数の店舗で見積もりを取ることをおすすめします。
Q. スーツが破れやすい箇所はありますか?
A. 先ほども少し解説しましたが、スーツには破れやすい箇所があります。主な箇所は、股下、内股、膝裏、肘、ポケット周りです。
特に股下や内股は、歩行時の摩擦で生地が擦れやすく、破れの原因となります。さらに、急な動作や無理な体勢も破れの要因になります。例えば、急に座ったり立ったり、脚を組んだりする際に裂けることがあります。
さらに、体型に合っていない小さめのサイズを無理に着用すると、生地に余計な負担がかかり、破れやすくなります。適切なサイズ選びと日頃のちょっとした心がけが、スーツを長持ちさせる秘訣なのです。
まとめ
スーツが破れてしまっても、適切に応急処置をすることで長く着続けられます。本記事でご紹介した方法を実践することで、突然の破れに慌てることなく、冷静に対応できはずです。
大切なスーツを長く愛用するためにも、日頃からの手入れと適切な着用を心がけましょう。また、自力での修繕が困難な場合は、プロに修理を依頼することをおすすめします。