ワイシャツのアイロンがけのコツとは。ポイントを押さえて清潔感を
ワイシャツはスーツの着こなしに欠かせないアイテムですが、きれいに見せるためにはアイロンがけが欠かせません。しかし、「アイロンのかけ方が分からない」という人もいることでしょう。失敗しないワイシャツのアイロンがけのポイントを紹介します。
アイロン前の準備
ビジネスシーンで活用するワイシャツを、シワなくきれいにアイロンがけするためには事前準備が大切です。
アイロンそのものの準備だけではなく、洗濯時から気を配ることでシワの発生を抑え、アイロンがけの手間を減らすことが可能です。
基本となるポイントをしっかりと確認して、スムーズなアイロンがけを行いましょう。
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アイロン可かどうかを確認
まず、ワイシャツをアイロンがけする前に『洗濯タグ』を確認しましょう。
洗濯タグには、洗濯するときの温度や干し方、洗い方のほか、アイロンに関しても記載がされています。
『アイロンマーク』にバツ印がある場合、アイロンがけができません。アイロンマークの中にある『・』の数で温度やスチームの有無が確認できます。
以下に記載するので参考にしてみましょう。
- 『・・・』…底面温度200度まで
- 『・・』…底面温度150度まで
- 『・』…底面温度110度まで。スチーム不可
なお、洗濯表示マークは2016年12月1日から国際規格(ISO)に合わせたものに変更になっています。これ以前のワイシャツであれば『低』『中』『高』の表示になっていますが、温度やスチームの可否に変更はありません。
出典:家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程の改正について|消費者庁準備するもの
ワイシャツをアイロンがけする際は、以下のものを準備しておきましょう。
- アイロン
- アイロン台
- シワ取り剤
- アイロン用のり
アイロンとアイロン台は必須ですが、シワ取り剤やのりは、あると便利なアイテムです。
シワ取り剤があれば、シワののばしにくい部位もきれいに仕上げやすくなります。また、のりを使うことで仕上がりの良さを維持しやすくなります。
シワをのばして干しておく
ワイシャツは、洗濯の段階から工夫することでアイロンがけの手間を最小限にすることができます。
洗濯機に入れる際は、ネット1枚につきワイシャツを1枚入れます。このとき、きちんと折りたたむことでシワの発生を最低限に抑えるようにしましょう。
脱水は軽めにとどめ、水分が残った状態のワイシャツを、しっかりとシワをのばしながら干しましょう。両肩部分を摘んでワイシャツを振ってから干すと、シワがのびやすくなります。
ワイシャツに残った水の重みでワイシャツのシワがのびるため、アイロンがけを短時間で終わらせることが可能になります。
アイロンがけの基本
アイロンがけをするときには、温度や順番を意識することが大切です。生地を傷つけず、シワなく仕上げるためのポイントを見ていきましょう。
温度の確認
アイロンがけをするとき、特に注意したいのが『温度』です。大まかに、高い温度で200度、低い温度で80度の範囲から適切な温度を選びます。適切な温度は洗濯タグで確認しましょう。
素材から判断する方法もあります。「綿」や「麻」は高い温度、180〜200度に設定しましょう。
「キュプラ」や「ポリエステル」は中くらいの温度、140〜150度でアイロンがけします。「アクリル」や「ポリウレタン」「ポリプロピレン」は低温、80〜110度です。
メーカーごとに温度の範囲が異なることがあるため、細かい温度の設定は、アイロンの取扱説明書で確認しておきましょう。
アイロンがけの順番
アイロンがけは、作業の順番を意識することも大切です。順番を守ることで、シワなく仕上げやすくなります。
襟など細かい部分から、徐々に広い部分にかけることを意識しましょう。
『襟から肩』を最初にかけ、次に『右と左のカフス部分』と『袖』を仕上げます。最後に『身頃』を仕上げましょう。
広い部分に先にかけてしまうと、作業途中でシワが付いてしまう恐れがあり、やり直しが必要になってしまいます。
上記の手順を守ることで、一度でしっかりとシワを取り除いていきましょう。
部位別の手順とポイント
ワイシャツの部位ごとに、きれいに仕上げるためのポイントがあります。これらのポイントを守らなければ、清潔感を損ないかねません。
『襟元』『肩』『袖』『身頃』それぞれの部位別に、アイロンをかけるためのポイントを紹介します。
襟元のかけ方
『襟元』は生地が分厚く、見た目の印象に重要な影響を与える部分です。そのため、襟の表と裏の両面をかけるようにしましょう。
内側を上にし、襟の端から中心に向かってまっすぐ動かします。このとき、小刻みに動かすのは避け、直線的にかけることを意識しましょう。たるまないように、反対の手で生地を引っ張りながら行うこともポイントです。
同様の手順で、裏側もしっかりとアイロンがけを行えば完了です。
肩部分のかけ方
『肩』は曲線が多い部分です。そのため、曲線を意識しながらアイロンがけを行うことが大切です。
ポイントはアイロン台の丸い部分を使うことです。右側と左側に分けてアイロンをかけていきましょう。
襟の付け根は、アイロンの先端を使います。細かく仕上げにくい部分ですが、先端を使うことで、比較的楽に作業ができるでしょう。
袖や袖口のかけ方
『袖』は、袖口から先に仕上げ、次に肩に向かってアイロンがけを行います。袖口は生地が厚いため、両面しっかりとかけることが大切です。
袖口のボタンをはずし、内側からかけはじめましょう。襟元と同様、端からゆっくり進めていき、裏側からもしっかりとシワをのばします。
次に、袖を仕上げます。袖口と袖の部分は先端を使ってきれいに、脇の部分は下から上に向かって滑らせましょう。
身頃のかけ方
『身頃』は範囲が広く、シワがあるとかなり目立ってしまう部位です。そのため、右前・左前・後ろと部位ごとに分けてアイロンがけを行いましょう。
前側は肩面をアイロン台の角を肩に合わせて片方だけのせます。脇は下から上に向かって、広い部分は生地を引っ張りながらシワができないように注意してかけていきましょう。
ボタン回りやポケットは、アイロンの先端を使いながらゆっくり作業します。動かすとシワになりやすいため、押し当てるようにして丁寧に仕上げましょう。
アイロンがけのコツ
ワイシャツをきれいにしたいと思っても、どうしてもきれいに仕上がらないという人もいることでしょう。
きれいに仕上げるにはちょっとしたポイントがあります。ここではそのコツを詳しく紹介します。
しっかりと湿らせる
アイロンがけを行う際、『霧吹き』を使って全体を湿らせるときれいに仕上げやすくなります。
「スチーム機能で良いのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、スチームは分子が細か過ぎるがゆえに生地に浸透しにくく、十分な水分が行き渡らないのです。
そのため、霧吹きを用意してアイロンがけすると、より確実にシワをのばすことができるでしょう。
アイロンの動かし方
アイロンを使うときは、右手と左手の両方をうまく動かすことが大切です。利き手が右であれば、左手でワイシャツを引っ張り、右手のアイロンは直線的に動かすことを意識します。
引っ張りながらかけることで、余計なシワが入り込むのを防ぎます。このとき、アイロンの近くで引っ張ると火傷する危険性があるため、遠くの生地を引っ張るようにしましょう。
両面からかけた方が良い部位
ワイシャツの中でも生地が厚くなっている『襟』と『袖口』は、必ず両面からアイロンがけを行いましょう。
襟や袖口は範囲こそ狭いですが、人から見られることが多い部分です。これらの部位にシワがあると清潔感を損ない、見た目の印象が悪くなってしまいます。
細かく大変な部分ではありますが、丁寧に作業することで、パリッと引き締まったワイシャツに仕上がります。
かけない方法もアリ?
ワイシャツのアイロンがけは細かい作業も多く、手間もかかります。そのため、「できるだけアイロンはかけたくない」という人も多いでしょう。
特に、仕事が忙しい時期などはアイロンがけをするための時間が取れないこともあるでしょう。そんなときに役立つアイテムを紹介します。
アイロン不要のワイシャツを選ぶ
アイロンがけの手間を省くのであれば『形態安定』と呼ばれるシャツがおすすめです。これらのシャツは洗濯しても形が崩れにくく、アイロンがけしなくてもきれいに仕上がります。
ポイントは、形態安定性表示が高いシャツを選ぶことです。最上級の5.0等級のシャツであれば、洗濯して干すだけでシワがなくなります。数字が大きいものほど効果が高いため、この数字をしっかりとチェックして購入しましょう。
衣類スチーマーでシワをのばす
アイロンよりも手軽に衣類のシワをのばす方法として『衣類スチーマー』を使うのもおすすめです。
衣類スチーマーであれば、シャツをハンガーにかけた状態で使用できます。アイロンほどのシワのばしはむずかしいものの、ちょっとしたシワであれば十分に対処できるでしょう。
消臭や除菌ができるものもあるため、洗濯しにくいスーツにも使えます。一つ持っておくと重宝するアイテムでしょう。
きれいなシャツで清潔感を
きれいなシャツは清潔感を出すためには欠かせません。そのために必須なのが『きちんとアイロンがけを行うこと』です。
アイロンがけは両手を使い、適切な手順を踏まえて作業することを意識しましょう。手順をしっかりと守ることで、アイロンがけが初めての人はもちろん、うまくいかないと悩む人でも、きれいに仕上げることができるでしょう。
アイロンがけをする時間が取れない場合は、アイロンがけが不要の『形態安定シャツ』を取り入れたり、『衣類スチーマー』を使ったりすることでもシワのないシャツを着ることが可能です。
スマートな大人の身だしなみとして、シワのない清潔感のあるシャツを着こなしましょう。