スーツのパンツの丈はどのくらいがベスト?サイズの選び方とお手入れ方法
新しいスーツのパンツを選ぶとき、丈の長さは悩みどころの一つです。パンツのサイズによっては、コーディネート全体が台なしになってしまう可能性さえあります。そんな問題を解決するために、パンツの『ベストな丈の選び方』に解説します。
パンツの基礎知識
まずはパンツの『基礎知識』についてくわしく解説します。最適なパンツ選びのためにも、把握しておいて損はありません。
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スラックスなどの語源と呼び名
パンツにはさまざまな呼び方がありますが、どのように使い分けるべきなのでしょうか。それぞれの違いを解説していきましょう。
まず「ズボン」は、日本独自の呼び方です。ビジネスシーンに限らず、足を通してはく下半身用の衣服全般を指します。19世紀にパンツが西洋から日本に伝わったとき、この呼び方が定着したといわれています。
一方、「パンツ」の語源はアメリカ英語です。こちらもスーツに限らず幅広く使われており、中年層から若い世代にかけて最も一般的な呼び方といえるでしょう。下着との呼び分け方は、アクセントを頭に置かない点です。
「スラックス」は、英語で「ゆるい・たるんだ」という意味です。スーツのような上下セットではなく、ゆとりがあるパンツを指します。ビジネスシーンに限らず、フォーマルな印象を与えるパンツといえるでしょう。
また、「トラウザーズ」はイギリス英語で、スーツパンツのことだと思ってまず間違いありません。スラックスと比べて細身で、よりフォーマルかつスマートな印象のパンツです。
これらの呼び分けは世代によっても異なるため、使うときは相手に合わせて分かりやすい言葉を選ぶと良いでしょう。
タックやシルエットの種類
パンツの個性、そして与える印象は、『タック』や『シルエット』の種類で決まります。
『タック』とはパンツの前部、腰回りにあるヒダのことで、種類は大きく三つです。
「ノータック」は、ヒダがなく、スリムなシルエットとフレッシュな印象を与えます。「ワンタック」はヒダが1本で、ノータックと比べるとゆとりがあり、世代を問わず人気です。最後の「ツータック」はヒダが2本あり、腰回りやヒップに大きな余裕が生まれるため、より動きやすくなります。
また、パンツの代表的なシルエットには「ストレート」「テーパード」「ブーツカット」の三つがあります。
「ストレート」は定番の太さで、どのような場面でもマルチに活躍します。細身の「テーパード」は、裾に向かってスリムに作られ、クールな印象を与えるパンツです。
一方、「ブーツカット」は、裾に向かって広く作られているのが特徴で、足を長く見せる効果が期待できるでしょう。
さらに、腰周りの仕様には、股上の長さが定番の「ベーシック」と、浅くスリムな作りの「ローライズ」があります。
パンツ選びのときには、ぜひ『タック』と『シルエット』の種類をチェックしましょう。
パンツサイズの重要性
パンツを選ぶ上で、『サイズ』は最も大切な要素だといっても過言ではありません。ここからは、そんなパンツのサイズの重要性について解説していきます。
仕事の印象に影響する
パンツのサイズが合っていないと、スタイルが悪く見えるだけではなく、上司・取引先にルーズで頼りない印象を与えてしまうことがあります。
一方、サイズがぴったりとマッチしたパンツには清潔感があり、『誠実な雰囲気』が周囲からの高い評価につながるでしょう。
社会人としてパンツサイズにはこだわりを持ち、好印象な着こなしをつくり出しましょう。
ウエストの位置を知ろう
裾が長すぎる、または短すぎるからといって、ウエストの位置を変えるのはNGです。
特に、ヒップ位置でパンツをはくとルーズな印象を与えるため、ビジネスシーンにはふさわしくありません。
逆に、へそより上の位置でパンツをはこうとすると、ウエストが下がってきてダボついた印象になってしまいます。
パンツは『腰骨』のあたりに合わせるのが基本です。へその位置から軽く下げたとき、引っかかるところが目安になります。試着の際には注意しましょう。
基本的な裾丈のフィッティング
基本的な裾丈は、『靴の甲に触れるくらい』の長さです。ソックスが見えない長さを心がければ、上品に着こなすことができるでしょう。
逆に、裾丈が長すぎると、見た目が悪い上に裾が傷むため注意が必要です。
パンツは、はいているうちに生地が縮む可能性もゼロではありません。裾丈が短すぎるとビジネスシーンにはそぐわないため、ある程度の余地は残しておきましょう。
裾の長さはどう選択するか
次に、パンツの裾をベストな長さにするためのポイントを紹介します。
ビジネスシーンにふさわしいスタイリッシュな着こなしを実現するために、ぜひ以下の内容を参考にしてみましょう。
太さで選ぶ場合
パンツの個性はシルエット、つまりパンツの太さで変わります。さらに、パンツのシルエットがコーデディネート全体の印象を決めるといっても過言ではありません。
裾丈は後から直すことも可能なため、パンツ選びの際にはまず、『好みの太さ』を決めるところからはじめましょう。その後、太さに合わせて長さを調整します。
パンツのシルエットが太いときは長めに、細いときはやや短めにすることで、バランスの良い着こなしになるでしょう。
シーンで選ぶ場合
社会人はシーンに合わせて、最適なスーツを選ぶのが基本です。
特に気を付けるべきはフォーマルな場面で、丈が短すぎるパンツは『マナー違反』にあたります。かかとが隠れるくらいの長めの裾を選びましょう。
一方、カジュアルな場面ではあえて裾を短めにして、くるぶしが隠れるくらいのものを選ぶと、こなれた印象を演出できます。
このように、シーンによって『パンツを使い分ける』ことも、大人のおしゃれといえるでしょう。
シングルとダブルの違い
裾上げのときに、「シングルとダブルのどちらにするか」と聞かれて、戸惑った経験がある人もいるかもしれません。
それぞれの使い分けとして、まず「シングル」はフォーマルな場面に適した裾上げです。
ビジネスシーンでの汎用性が高いため、迷ったときはシングルを選びましょう。細めのスラックスにマッチしやすい点も特徴です。
一方、「ダブル」はカジュアルでスポーティな印象を与えます。
足元に存在感が生まれるため、ジャケパンスタイルなどのオフィスカジュアルに向いている裾の仕上げです。
細かいところではありますが、意外と目立つ部分です。細部にまでこだわることで、できる大人の魅力をより一層引き立ててくれるでしょう。
パンツの手入れについて
汚れていたり型が崩れていたりするパンツは、見ていて印象が良くありません。長く使い続けるためにも、スーツパンツの手入れは定期的に行うことが大切です。
具体的な方法を、以下で解説します。
洗濯のポイント
スーツのパンツはクリーニングが主流ですが、自宅での洗濯も可能です。
その場合、型崩れを防ぐために、まずセンターラインでたたんで三つ折りにし、サイズにマッチした洗濯ネットを使って洗います。
中性洗剤を使い、『手洗いモード』などの優しい洗い方を選びましょう。
なお、脱水は型崩れの原因になるため30秒以内に抑えるのがポイントです。最後は折り線に合わせて折り、形が崩れにくいハンガーを使って陰干しします。
注意点として、スーツは上下同時に洗濯をしましょう。汗をかいたからといってパンツだけを頻繁に洗うと、上下で色が変わってしまう可能性があります。
アイロンでしっかり折り目を付ける
パンツのお手入れは、アイロンがけも重要です。裾・膝・腰回りの順番で、スチームまたは霧吹きを使い、あて布をしながらプレスしていきます。
裾は内側から、しわにならないようにプレスします。
次に、膝部分を片足ずつ、らせん状にプレスしましょう。その後は股下に向けて少しずつアイロンを動かしていきます。
このときに、折り目の位置を定めておくと、仕上がりがきれいになるでしょう。
腰回りは、アイロン台にパンツをはかせるようにして、裏地からかけていくのがコツです。
体形に合ったパンツを選ぼう
ベストサイズのパンツを選べば、スタイルが良く見えるだけでなく、周囲にクールで知的な印象を与えることが可能です。
仕事上での評価が変わってくることもあるため、ビジネスシーンでは特にこだわりたいところです。
丈やシルエットなど、スーツパンツの基本的な知識を知り、上品な大人のスーツスタイルを目指しましょう。