スーツに合わせるカバンの選び方。代表的な種類と色別のコーデ例
カバンは、ビジネスマンにとって必須アイテムです。スーツに合うカバンを上手に選ぶことができればコーディネートも整います。ビジネス用カバンの種類やそれぞれの特徴、手持ちのスーツと相性の良い色の選び方を紹介します。
カバンの基本マナー
ビジネスマンとして、カバンを持ち歩くことは基本的なマナーです。両手を自由に使えるリュックも便利ですが、TPOに合わせて使う必要があります。
ビジネスシーンでカバンは必須
社外の会議に参加したり、営業先を訪れたりする際は、何らかの書類を渡されることも多いでしょう。
そのような際カバンを持っていなければ、折り畳んでポケットに入れるか、そのまま手で持つかして持ち帰らざるを得なくなり、印象が悪くなります。
全ての書類がきちんとした封筒に入った状態で渡されるとは限りません。
「どのような書類であっても大事に扱う」という姿勢を示すために、ビジネスシーンでカバンは必須と心得ることが大切です。
リュックを使うならTPOに合わせて
近年は、リュックを使用するビジネスマンが増えています。持ち運びの負担を軽減できることや、両手を自由に使えることなどがリュックのメリットです。
しかし、リュックはカジュアルなイメージを与えやすいため、重要なビジネスシーンでの使用には向きません。TPOに合わせて使うことが大切です。
リュックの購入を検討している場合は、最初に職場や業界がリュックの使用を許す雰囲気かどうかを見極めましょう。
シンプルなデザインのビジネスリュックなら、スーツと相性が良いためおすすめです。手持ちカバンとしても使える、2WAYや3WAYタイプのリュックもあります。
選ぶときのポイント
ビジネスで使用できるカバンには、さまざまな種類の商品が販売されています。持ち運ぶものをイメージしたカバン選びを意識しましょう。
商談の多い営業マンや、ノートPCなど大きめのものを入れる人には、より実用性に優れた自立式や開口部の大きいものがおすすめです。
入れるものを考える
カバンに入れるものは、人によりさまざまです。普段のビジネスシーンにおいて、自分が持ち運ぶものを考えながら、使い勝手の良い商品を選びましょう。
カバンの中身としては、書類やPC、手帳などビジネスに必須のアイテムだけでなく、名刺入れ・折り畳み傘・財布・スマホ・ペットボトルなども挙げられます。
多くの小物ポケットが付いているカバンは、より多くのものを入れられる反面、内部が煩雑になり整理しにくいデメリットもあります。中身がすっきりとまとめられたカバンなら、印象も良くなるでしょう。
商談では自立式を
商談や会議に参加する機会の多い人には、床に置いても倒れない、重心が低めの自立式がおすすめです。
床に寝かせた状態のカバンは見た目が悪く、印象を損ないかねません。側面も汚れやすくなってしまいます。
開口部が常に上を向いた自立式なら、名刺や書類をすぐに取り出せます。型崩れしにくいため、長持ちすることもメリットです。
選ぶ際は、底マチに使われている素材の耐久性をチェックすることも大切です。
開口部の大きいものが便利
ノートPCやタブレットなど、大きめのビジネスアイテムを入れる場合は、開口部の大きいカバンが便利です。
入れるものの種類に関係なく、商談などで頻繁に中身を出し入れする機会が多い人にも、開口部が大きめのカバンは内部の視認性が高まるためおすすめです。
ファスナーのスライダー(引き手)が二つ付いているタイプなら、開け閉めしやすくなることから、アイテムの出し入れがより楽になるでしょう。
カバンの種類によっては、開口部を小さめに設計し、デザイン性を高めているものもあります。しかし、ビジネスシーンにおいて実用性を求めるならば、おすすめできません。
ビジネス用カバンの代表的な種類
多くのビジネスマンに選ばれているカバンの中から、代表的な種類を三つ紹介します。
いずれもシーンを選ばずに使えるものばかりなので、カバン選びに迷ったら以下の3種類をメインに探してみましょう。
どこでも使える「ブリーフケース」
薄い箱型で持ち手の付いたカバンが「ブリーフケース」です。「書類カバン」とも呼ばれますが、書類だけでなくいろいろなアイテムを入れられます。
ビジネス用カバンとしては、最もスタンダードな種類です。どのようなシーンでも違和感なくなじむでしょう。
ベーシックなA4サイズだけでなく、さまざまなサイズの中から選べます。
近年は、持ち手だけでなく、肩からさげられるショルダーストラップが付いている2WAYタイプも人気です。
素材にも時代とともに変化が見られます。かつて主流であった革製に加え、耐久性に優れ、汚れを落としやすいナイロン製が増えてきているのも特徴です。
オンオフどちらでも使える「トートバッグ」
カジュアルなイメージの強い「トートバッグ」は、近年ビジネスシーンでも多く見かけるようになってきています。
革製やナイロン製で暗めのトーンのトートバッグなら高級感を出せるため、スーツと合わせても違和感がありません。
マチ幅が広く開口部の大きいものが多いことから、優れた収納性を発揮します。
ノートPCやタブレットを収納しやすいように、仕切りが設けられたトートバッグもおすすめです。
カジュアルなスタイルが認められている職場なら、より使いやすいでしょう。プライベートで使える汎用性の高さも魅力です。
使い道の広い「3WAYタイプ」
持ち手とショルダーストラップが付いた2WAYタイプのブリーフケースに、背負い用のベルトを付けたものが、使い道の広い「3WAYタイプ」です。
リュックとして背負えば、両手を自由に使えます。職場まで自転車通勤しているようなビジネスマンに人気です。
リュックタイプのカバンが使えないような職場や業種でも、通勤や営業での移動中であれば、背負っても問題ないケースが多いでしょう。
通常、ストラップやベルトは内蔵型や取付型として付属しているため、ブリーフケースとして使用する際もデザインの邪魔になりません。
カバンの素材による違い
『本革』『合皮』『ナイロン』など、カバンに使われる素材が違うことで、風合いや機能性にも差が生まれます。好みや使い方を考慮し、自分に合った素材を選ぶことが大切です。
長く使える『本革』
素材にレザーを使用したカバンは、ラグジュアリーかつフォーマルな印象を与えられます。中でも、本革製の商品は、こまめに手入れすれば、丈夫で長持ちしやすいことが魅力です。
本革は、長い期間使い込むほど色つやが増し、独特の味わいを出せるという特徴があります。愛着を持てるこだわりのカバンが欲しい人におすすめです。
本革のデメリットとして、水に弱いことや、比較的重いことが挙げられます。雨の日に濡らして傷めないように、革専用の防水スプレーを使う必要があるでしょう。
雨の日でも安心の『合皮』
フェイクレザーともいわれる『合皮』は、本革のような風合いを醸し出しながら、機能性にも優れた素材です。
本革と異なり、水に濡れてもダメージを受けにくいため、雨の日でも安心して使用できます。手入れも水拭きするだけなので、汚れを簡単に落とせます。
カラーバリエーションが豊富なため、黒などの定番色に飽きた場合に、好みの色を選びやすいでしょう。
合皮のデメリットは、劣化が早く進むため長く使えないことです。2〜3年を目安に、買い替えを検討する必要があります。
軽量で使いやすい『ナイロン』
風合いを重視した素材であるレザーと異なり、『ナイロン』は高い機能性が魅力の素材です。
重量が比較的軽いため、営業マンなどカバンを持ち歩く機会が多い人に向いています。カバンの中身が重くなりがちな人にもおすすめです。
収納ポケットを豊富に備えた商品が多いことから、いろいろな小物を入れるのにも適しています。汚れが付いても、中性洗剤を薄め布に含ませて拭けば簡単に落とせるでしょう。
ナイロンのデメリットとしては、型崩れしやすいことや水が浸透しやすいことが挙げられます。
カバンの色とスーツの合わせ方
手持ちのスーツに合ったカバンの色を選べば、全体のコーディネートがまとめやすくなります。ネイビー・グレー・ブラックのスーツを例に挙げ、好相性の色を紹介します。
ブラウンのカバン×ネイビースーツ
色の世界には『補色』という概念があります。補色とは、互いに引き立たせ合う色の組み合わせを指す言葉です。
ブラウンとネイビーは補色の関係にあり、相性の良い組み合わせです。ファッションの本場イタリアでも、この2色は定番の組み合わせとして人気があります。
ブラウンのカバンとネイビーのスーツを合わせる場合は、靴もブラウンを選ぶことで、より全体のバランスがとれたコーディネートにまとまります。
ネイビーのカバン×グレースーツ
グレースーツは、ネイビースーツと並ぶ、ビジネスの基本スタイルです。無彩色であるグレーは、どのような色とも違和感なく組み合わせられます。
特に、ネイビーと組み合わせることで、上品さが際立ち、知的な雰囲気も醸し出せるでしょう。
ネイビーのレザー製カバンなら、革の質感により上品な印象を与えられ、よりスタイリッシュに見せられます。
グレースーツには無難にブラックのカバンを選びがちですが、センスを感じさせる色を選びたいなら、ネイビーのカバンがおすすめです。
ブラックのカバン×ブラックスーツ
全体をブラックでまとめるコーディネートは、スーツの基本的な着こなし術として覚えておきましょう。
ブラックスーツならブラックのカバンを合わせ、靴もブラックを選ぶのが基本です。ほかの色で悩む必要がないこともメリットといえます。
色で違いを出せない分は、カバンの素材やデザインでカバーしましょう。レザーで重厚感を出したり、ナイロンで軽快な印象を与えたりできます。
カバンはビジネスマンの必須アイテム
ビジネスシーンにおいて、カバンは必ず携帯すべきアイテムです。近年人気のリュックを使いたい場合は、TPOに合わせる必要があります。
カバンを選ぶ際は、入れるものを考慮しましょう。できるだけ開口部の大きいものがおすすめです。商談で使用したい場合は、自立するタイプを選べば、より便利に使えます。
ビジネス用カバンの代表的な種類は、ブリーフケース・トートバッグ・3WAYタイプの三つです。本革・合皮・ナイロンなど素材の違いも意識して選びましょう。