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喪服とスーツ・礼服の違いとは?葬式での正しい服装を立場別に解説
2023.06.26 MON

喪服とスーツ・礼服の違いとは?葬式での正しい服装を立場別に解説

葬式に黒のビジネススーツを着て参列するのはマナー違反です。ビジネススーツと喪服には明確な違いがあり、葬式の場では喪服を着用する必要があります。 ただし、急遽かけつける場合には略喪服である黒のビジネススーツでもマナー違反にあたらないシーンもあるなど、正しい知識を持っておくことは重要です。 ここではスーツと喪服の違いを解説し、立場やシーンに合わせた正しい喪服の選び方を紹介します。

喪服とスーツ・礼服の違い

喪服を用意する際、礼服やスーツの違いに悩まれることが多くありますが、ここでは喪服とスーツ、礼服との違いについて分かりやすく解説します。 以下の表は礼服・喪服・スーツについて簡単にまとめた表です。以下で詳しく解説します。

種類 着用シーン
礼服 正礼装 冠婚葬祭
準礼装 冠婚葬祭
略礼装 冠婚葬祭
喪服 正喪服 弔事
準喪服 弔事
略喪服 弔事
スーツ ビジネススーツ ビジネス
冠婚葬祭
ブラックスーツ ビジネス
冠婚葬祭
ダークカラーのスーツ ビジネス
冠婚葬祭

喪服と礼服の違いとは

喪服と礼服は混同されがちですが、着用シーンに大きな違いがあるため注意が必要です。 礼服は冠婚葬祭全般で着用する正装で、結婚式や入学式、卒業式などフォーマルなシーンで着用します。特に礼服はおめでたいシーンだけでなく、葬式といった弔事でも着用できます。 一方、喪服は葬儀や法事などの弔事で着用するもので、弔事以外では着用しません。 また、礼服には『正礼装、準礼装、略礼装』といった種類があり、喪服にも『正喪服、準喪服、略喪服』といった種類があります。それぞれに格式やふさわしい着用シーンがあるので、参加する立場によりどの種類を着用すべきか注意が必要です。 喪服の種類については後半で詳しく解説しますので、参考にしてください。

喪服とスーツの違いとは

喪服は、葬儀や法事で故人への弔意を示すために着用されるため、結婚式などのおめでたいシーンでは適切ではありません。紋が入った黒い着物も喪服として着用されます。 一方、スーツはビジネスやパーティーなどの様々なシーンで着用されるため、喪服としては不適切とされています。しかし、急遽参列する場合の略喪服としてブラックのスーツを着用するケースもあるため、一概に葬儀にスーツはNGとは言い切れないのです。 また、スーツは平服や略喪服との種類に該当し、喪服の中でも格が最も低くなります。そのため、他の参列者よりも格上の服装を着用することを避けるため、ブラックのスーツで参列されるケースもあるのです。

ビジネススーツと喪服の違い

葬儀には黒のビジネススーツで参列しても良いケースもありますが、黒のビジネススーツと喪服は一見同じように見えても、並べて比べれば違いがはっきりと分かります。 主に『色』『光沢』『シルエット』が違うことを理解しておきましょう。

大きく違う色と光沢

ビジネススーツの黒は、真っ黒ではなく少しグレーがかっています。一方、喪服の黒は、『漆黒』『墨黒』と呼ばれるような、深みのある濃い黒です。 光沢も大きく違います。ビジネススーツに用いられる生地には光沢があるのに対し、光を反射しにくい素材を使用している喪服には光沢がありません。

体形の変化に対応できるシルエット

ビジネススーツと喪服は、色や光沢だけでなく、シルエットにも違いがあります。 頻繁に買い替えることを想定して作られるビジネススーツは、体形に合わせてスリムに着こなせるシルエットが主流です。 一方、着用する機会が少ない喪服は、体形の変化にも対応できるよう、ゆったりとしたシルエットにデザインされているのが特徴です。 そのため、1度購入して大事に保管しておけば、長年にわたり着用できるでしょう。

葬儀で着用できる3種類のスーツ

喪服として着用するスーツは、格式の違いにより『正喪服』『準喪服』『略喪服』の3種類に分けられます。 立場やシーンに合わせて、正しい種類のスーツを選ぶことが大切です。 以下の表は葬儀で着用できる3種類のスーツの表です。

格式 着用シーン スーツの種類
正喪服 ・最も格式高い ・喪主や3親等以内の親族 ・モーニング
・女性はブラックフォーマル
準喪服 ・正喪服に次いで格式が高い ・喪主や3親等以外の参列者
※近年では喪主や3親等の親族が着用するケースもある
・一周忌法要など
・男性はブラックスーツ
※ビジネススーツのブラックとは異なる
・女性はブラックフォーマル
略喪服(平服) ・準喪服の次に格式が高い ・急遽駆けつける通夜
・三回忌以降の年忌法要
・お別れ会
黒・濃紺・グレーなどのダークスーツ※ブラックが無難

親族であれば『正喪服』

葬儀や告別式で喪主や親族が着用する喪服が、最も格式の高い『正喪服』です。この場合の親族は『3親等以内の親族』とされています。 正喪服として着用するスーツは『モーニングコート』です。単に『モーニング』と呼ばれることもあります。 モーニングコートは、黒のジャケットと黒のベスト、黒またはグレーのストライプ柄が入ったスラックスを合わせる、スリーピースのスーツです。シャツは白無地、ネクタイは黒無地を着用します。 モーニングコートは昼間限定の正装であるため、夕方から夜にかけて行われる通夜では着用できません。 また、女性の場合は光沢のない黒無地のブラックフォーマルを着用します。

基本となる『準喪服』

正喪服を着用しなくても良いなら、喪服の基本となる『準喪服』を着用します。準喪服として着用するスーツは『ブラックスーツ』です。 ブラックスーツとは、光沢がなく濃い黒の生地で作られた、礼服用のスーツを指します。黒のビジネススーツとは違うことに注意が必要です。 準喪服として着用するブラックスーツは、シングル・ダブルのどちらでも構いません。シャツは白無地、ネクタイは黒無地を合わせるのがマナーです。 準喪服は、葬儀や告別式だけでなく、通夜でも着用できます。近年では、喪主や親族も、弔事のシーンで準喪服を着るケースが増えています。 ただし、故人が亡くなった日の夜などに行われる通夜の場合は、準喪服を着用すると亡くなることを想定していたようにとらえられ失礼にあたるため、次に紹介する略喪服を着用しましょう。 女性の場合はアンサンブルやワンピースなどのブラックフォーマルを着用します。

急遽駆けつける場合は『略喪服』

急遽駆けつける通夜や、三回忌以降の年忌法要に参列する場合は、準喪服よりさらに格式が下がる『略喪服』を着用しても良いとされています。 略喪服として着用できるスーツは、黒・濃紺・グレーなど、地味な色のスーツです。ビジネススーツでも構いません。『平服』という場合も、略喪服のことを指します。 また、女性の喪服はワンピースが一般的ですが、仕事帰りにお通夜に参列されるケースもあります。その際は略礼服で黒のジャケット+黒のパンツ+黒のブラウスでも失礼にあたりません。 急な訃報で急いで駆けつけた場合は「急なことでこのような服装で申し訳ございません」と一言添えると丁寧です。そして、自宅への弔問やお別れ会にも略喪服が着用されます。 なお、葬儀や告別式に参列できず、通夜のみ参列する場合や参列まで日数がある場合は故人を弔うため準喪服での参列が一般的となります。

葬式で着用するブラックスーツの選び方

喪服用に準備するブラックスーツは、できるだけ黒の濃さが深いものを選びましょう。 年齢を重ねても着用できるよう、流行にこだわらず、ゆったり目のサイズを選ぶこともポイントです。

【KASHIYAMAおすすめの略礼服デザインはこちら】

黒の濃さや生地

喪服として着用するブラックスーツには、ビジネススーツでは出せない、黒の濃さが求められます。 黒の濃さが深いほどフォーマル度も高くなるため、できるだけ濃い黒のブラックスーツを選びましょう。

流行や季節に左右されない

ブラックスーツは着用する機会が少ないため、品質や保管状況が良ければ、10年以上経過しても着用できます。 年齢を重ねたあとも着続けるためには、流行に左右されないデザインを選ぶのがポイントです。個性を重視せず、できるだけシンプルなものを選びましょう。 また、喪服を着る機会は季節に関係なく訪れます。喪服の1着目には、春・秋・冬の葬儀に対応できる、スリーシーズン用のブラックスーツを選ぶのがおすすめです。 裏地のない夏用のブラックスーツは、暑い時期に喪服を着用しなければならなくなった際に、余裕があれば購入しましょう。

サイズの合ったもの

近年のスーツは、細身やリラックス感のあるゆとりのあるサイズなど様々なスタイルが存在します。 ブラックスーツもさまざまな種類が販売されており、中にはタイトに着こなせるものもあります。 しかし、喪服用に購入するなら、体形に合ったものか、少し大きめのサイズを選ぶのがおすすめです。 スリムなシルエットのスーツを選んでしまうと、年齢を重ねて体形が変わってしまった際に買い替えなければならなくなるでしょう。 急な体形の変化にも対応できるサイズのブラックスーツなら、5年、10年と時間が経っても、同じものを着続けられます。

【知っておきたい】失礼にあたらない喪服のマナー

喪服の着用には、さまざまなマナーがあります。『シャツ』『ネクタイ』『靴』などを合わせる際のルールを確認しておきましょう。冬場に羽織るコートの選び方も解説します。

シャツやネクタイは無地・光沢なしが基本

喪服に合わせる男性向けのシャツは、『白無地のワイシャツ』がマナーです。急遽駆けつける場合は色柄が入っていても構いませんが、派手すぎるシャツは極力避けましょう。 ネクタイは『光沢なしの黒無地』が基本です。弔事用として、光沢を抑えた漆黒のネクタイが販売されています。 ネクタイの結び目には、「ディンプル」と呼ばれるくぼみを作らないように気を付けましょう。ディンプルは、立体感を出し華やかさを演出する意味を持つため、葬儀の場には向きません。 また、光るものや華美な装飾がマナー違反となる葬式では、ネクタイをシャツに固定するネクタイピンの使用もNGです。

靴などの小物は光り物を避ける

ネクタイと同様に、靴の色も黒がマナーです。男性向けの靴は、冠婚葬祭のあらゆるシーンで着用できる『黒の内羽根ストレートチップ』を1足購入しておくと重宝します。 革靴の場合は、できるだけ光沢を抑えた素材の靴を選びましょう。金具や装飾が付いているものはNGです。 靴下とベルトも黒で統一します。葬式の際は靴を脱ぐ機会が多いため、紺やグレーの靴下を履かないように注意しましょう。 カフスボタンや腕時計なども、光るものに該当する場合ははずすのがマナーです。ただし、結婚指輪は着けて参列しても良いとされています。 また、女性の場合も光沢のある靴や小物はマナー違反になるため、光沢のない黒い靴や鞄を用意しましょう。パンプスのヒールは高すぎずまず、靴音が響かないものを選び、ネックレスは不幸が重ならないよう一連の物を選びます。

冬場のコートは黒無地が基本

喪服の上にコートを着用する場合は、黒の無地が基本です。濃紺やグレーなど、ダーク系の色でも問題ありません。 弔事の場では、革や毛皮など、殺生を連想させるものを身に着けるのはNGです。首回りにファーが付いている場合は、取りはずしておきましょう。 フード付きコートやダウンコートは、カジュアルな印象が強いため、葬儀にはふさわしくありません。光沢のあるコートや装飾の付いたコートも避けた方が良いでしょう。

葬式参列時の持ち物のマナー

弔事に必要な持ち物として、『数珠』『香典』『ハンカチ』が挙げられます。カバンやアクセサリーはマナー違反とされるため注意が必要です。

カバンやアクセサリーはNG

男性が葬式や通夜に参列する場合、『カバンは持たないのがマナー』です。香典を持っていく場合は、喪服の内ポケットに入れます。 どうしてもカバンを持つ必要があるなら、手で持てる小さめのカバンを選びましょう。この場合も、光沢のあるものや装飾が付いたものはNGです。 アクセサリーに関しても、ネクタイピンやカフスボタンなど、光るものは身に着けないようにしましょう。 腕時計は、過度な装飾が施されているものやデザイン性の強いものでなければ、着けても良いでしょう。フォーマル度の高いシンプルな腕時計がおすすめです。 女性と男性で持ち物にも違いがあるため、事前によく確認しましょう。

弔事に必要な持ち物

仏式の通夜や葬式に参列する場合は『数珠』が必須です。数珠の種類には本式と略式があり、略式数珠なら宗派を問わず使用できます。 香典を持参する際は、『袱紗(ふくさ)』に包んで持ち運びましょう。紫の袱紗を1枚持っておけば、結婚式など慶事の際にも使えます。 涙を拭いたり汚れを落としたりするために『ハンカチ』も必要です。 白無地がマナーとされていますが、近年は黒を使う人も増えています。色柄が入ったものなど、派手なハンカチを選ぶのは避けましょう。

喪服やスーツに関するよくある質問

ここでは、喪服選びに関するよくある質問をご紹介します。喪服で迷った際の参考にしてください。

葬式にスーツで参列できますか?

急遽参列することになった、喪主や3親等以外の親族であればブラックスーツを略喪服として着用できます。

葬式に参列する際、どのような小物やアクセサリーが適切ですか?

結婚指輪以外のアクセサリーは基本的に着けないことが一般的ですが、女性の場合はパールのネックレスやブラックオニキス、黒珊瑚などの一連物のネックレスが一般的です。 また、鞄や扇子などの小物も黒で統一するのが望ましいですが、男性は鞄を持たないのがマナーとされています。

葬式では喪服着用で失礼のない服装を

ビジネススーツと喪服は、『色』『光沢』『シルエット』に大きな違いがあります。 葬式では喪服を着るのがルールで、立場やシーンに合わせて『正喪服』『準喪服』『略喪服』のいずれかを選ぶ必要があります。 喪服用としてブラックスーツを購入する際は、『黒の濃さ』『生地』『サイズ』に注意して選ぶのがポイントです。 着こなしのルールや持ち物のマナーもしっかりと理解の上、礼を失しない服装で参列しましょう。 また、喪服のサイズが合わなくなったと感じる場合は喪服を買い替えるタイミングでもあります。喪服や礼服の確認をし、必要に応じて誂(あつら)えてみてはいかがでしょうか。 オーダースーツのカシヤマなら、幅広い(大きい・小さい)サイズに加え、様々なスタイルに合わせたデザインバリエーションをご用意しています。ショップでは、熟練スタッフが礼服・喪服のマナーもお答えいたします。

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KASHINAVI編集部
KASHINAVI編集部
オーダーメイドブランドのKASHIYAMAによる、知って得するスーツの常識をまとめたコンテンツ「KASHINAVI」を運営。 スーツに関するお悩みに対してナビゲートします。

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