黒のスーツはビジネスシーンで使える?シャツやネクタイの合わせ方
2021.05.26 WED

黒のスーツはビジネスシーンで使える?シャツやネクタイの合わせ方

黒のスーツを着るのは、冠婚葬祭といった限られた場合と考えている人は少なくありません。しかし昨今では、ビジネスシーンでも活躍するアイテムとなりました。黒のスーツをスマートに着こなす秘訣やおすすめのコーディネートについて解説します。

黒のスーツはビジネスシーンで問題ない?

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黒のスーツは、フォーマルな場以外には相応しくないと思っている人や、「ビジネスシーンにブラックスーツは非常識」と考えている人もいるようです。

しかし、近年はオフィスで黒のスーツを着用する人も増え始め、ビジネスシーンにも徐々に浸透してきています。

黒のスーツがビジネスの場で問題ないかどうかを知るために、まず黒のスーツにまつわる事情について見てみましょう。

本来は冠婚葬祭用となる黒

そもそも黒のスーツは、冠婚葬祭用として主に用いられてきました。着用するのはお祝いやお悔みに限定した場合という考えになるのも無理はないでしょう。

しかし、近年ではオフィスでも黒のスーツが認められる傾向があり、ビジネスマンやリクルーターが選ぶスーツにも黒は増えています。

黒のスーツは、着こなしによってはおしゃれな雰囲気を出せ、また洗練された印象を与えることができるという面もあるようです。

このように「黒のスーツは非常識」という感覚は薄れてきており、ビジネスパーソンの1アイテムとして、黒のスーツが受け入れられてきているといえるでしょう。

欧米と異なる日本の黒スーツ事情

日本と異なり欧米では、黒はタキシードやモーニングに用いられる色としての認識が根強く、ビジネスで黒のスーツは避けるのが一般的です。黒のスーツはパーティーや葬儀など、フォーマルな場に限定されています。

欧米の企業に籍を置く人や、海外のビジネスパーソンと交流を持つ機会が多い人は、仕事上で黒のスーツを着ることは避けた方が無難といえるでしょう。

ビジネス用と礼服用の違い

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ビジネスの世界にも黒のスーツが徐々に普及してきましたが、それは単に礼服をビジネスシーンで着用して良いことになった、ということではありません。

一口に「黒のスーツ」といっても、ビジネス用と礼服用には違いがあります。シーンに適した使い分けをするためにも、両者の特徴を把握しておきましょう。

生地の違い

生地の『色』『質』『光沢』の三つの面から、黒のスーツと礼服の違いを見てみましょう。

まずは『色の濃さ』についてです。礼服として相応しいのは、深く沈むような、濃い黒とされています。

対してビジネス用として着用する黒は、若干グレーを感じさせる、やや明るめの黒が用いられます。

最後に、シーンによって『光沢』の有無を使い分けることも必要です。ビジネスやパーティーでは光沢のある黒もOKですが、お悔やみの場では光沢のない落ち着いた黒を選びましょう。

デザインも異なる

カジュアルな黒いスーツや略礼服では、襟(ラペル)の縁(ふち)に、細かく縫い目を施したステッチが入っている場合があります。

しかし、正装としての礼服では、襟のステッチは入れない事がほとんどです。ステッチはフォーマルさを軽減させると言われております。

下襟が上に向いて伸びているピークドラペルは、ドレッシーさを際立たせるデザインです。おしゃれですが、お悔やみやの際や、初対面の相手との商談などには不向きといえます。

ビジネス向けのジャケットでは、裾にベントという切れ込みがあります。動きやすさを求めた機能ですが、礼服では切れ込みのないノーベントが原則です。

ビジネス用は礼服として使える?

「いろいろな場所に着て行けるから」という理由で黒のスーツを選ぶ人は少なくないのではないでしょうか。しかし、黒のビジネス用スーツは、深い礼節が求められる場に着て行くには注意が必要です。

結婚式の二次会や急なお通夜であれば、黒のビジネススーツでも問題はないでしょう。シャツやネクタイなどが派手でなければ、対応可能だと考えられます。

しかし、披露宴や告別式といった、主催者や喪主への礼儀を重んじる場では、カジュアルさや略式は失礼にあたります。

葬儀では光沢のある素材は避ける、フォーマルではノーベントのジャケットを着る、礼服のパンツの裾はシングルにするといった正装のルールを守るようにしましょう。

黒のスーツに合わせたシャツ選び

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オフィスで黒のスーツを着る際に、選ぶシャツの色・柄・デザインによって印象はガラリと変わります。

黒のスーツに適したシャツについて詳しく見ていきましょう。

色は基本的に白かサックスブルー

無彩色である黒は、基本的にさまざまな組み合わせが無理なくできる色ですが、ビジネスの場において、黒のスーツに合わせるシャツは『白』か『サックスブルー』がおすすめです。

白のシャツは、ジャケットの色にかかわらず活用されるアイテムです。好みに左右されず、相手に嫌悪感を与えない点で安心感がある白は、黒のスーツにも馴染む色です。

黒のスーツ姿にアクセントを付けたい人は、サックスブルーのシャツをチョイスしましょう。黒が備える気品と、サックスブルーの爽やかさが組み合わさって、スマートな雰囲気になります。

ピンクやイエローといったカラーシャツでコーディネートすることはあまりおすすめできません。おしゃれを楽しみたいとしても、少々浮かれた印象を持たれてしまう心配があり、仕事用としては避けたほうが無難でしょう。

柄は無地かストライプ

黒のスーツに合うシャツの柄は、無地がおすすめです。派手な色にしなければ、黒のジャケットは多様な色と調和するでしょう。

何か柄をチョイスしたいのであれば、ストライプがいいでしょう。ストライプの色は、赤などの暖色系より、青系を選ぶことで清潔感が期待できます。

線のタイプは、チョークストライプのような輪郭が曖昧なものよりも、ペンシルストライプのようにラインがしっかりとしたタイプが職場向けでしょう。シャープで洗練された雰囲気になります。

反対に、チェック柄は避けたい柄でしょう。親しみやすく人気がありますが、カジュアルさがある点で黒のスーツとはマッチしにくいといえます。

襟型は定番のものを使う

シャツの襟には、いくつかのタイプがあります。デザインに工夫があるものとして代表的なのは、ボタンダウンやイタリンアンカラー、ラウンドカラーなどです。

しかし、黒のスーツには、凝ったデザインの襟は不釣り合いに見えてしまう可能性もあります。黒が持つ品格や洗練さと合わない場合もあるので、避けるほうがベターです。

ボタンダウンは襟元が崩れない点で人気があるタイプですが、もともとポロ競技用として考案されました。スポーティーでカジュアルなテイストなので、黒のスーツに合わせるとやや違和感が出てしまいます。

黒のスーツに合わせるならば、スタンダードな襟のシャツが良いでしょう。襟先が70度程開いたレギュラーカラーや70〜100度の開きがあるワイドカラー・セミワイドカラーなどが向いています。

黒のスーツをおしゃれに着こなすには

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黒のスーツは、着こなしのハードルが高いと感じ、敬遠する人もいるようです。しかし、コーディネートの基本を押さえれば、誰でもおしゃれに着こなせるカラーといえます。

次に、黒のスーツをスマートに着るポイントについて紹介しましょう。

スーツはシャドーストライプがおすすめ

仕事で黒のスーツを身に着ける際は、フォーマルとの違いを意識することが大切です。略礼服を着ているわけではなく、TPOをわきまえてあえて黒のスーツを着ていることが伝われば、周囲の印象もアップするのではないでしょうか。

コツは、生地にシャドーストライプが入ったスーツを選ぶこと。やや控えめな柄を取り込むことで、ビジネスシーンによりマッチします。

糸の方向を変えて織った生地がシャドーストライプといわれるものですが、一見すると無地にも見えつつ、光の具合によって豊かに表情を変えるスタイリッシュさがあります。

ビジネス用の黒スーツに引き締まった印象を与えるシャドーストライプは、適度な遊び心もトッピングでき、よりスマートな印象を演出できる柄です。

ネクタイは柄で変化をつける

黒のスーツをビジネスに活用する際には、礼服っぽい雰囲気が前面に出ないように留意することが大切です。

例えば、グレーやシルバーのネクタイは、洗練さやスマートさは生まれますが、職場には不似合いなフォーマルさを感じさせてしまう可能性があります。

黒のスーツをビジネスシーンで適切に着るには、ネクタイの柄で変化をつけて、おしゃれ感をアピールしてみてはいかがでしょうか。

ネイビーやワインレッドといった落ち着きのある色をベースとし、ドット柄やレジメンタルストライプ(斜めのストライプ)などのオーソドックスな柄のネクタイを合わせると、黒ジャケットの持つ気品を損なわないコーディネートとなります。

靴は黒で合わせる

黒のスーツに合わせる靴は、黒をチョイスしましょう。足元まで黒で統一することで、スタイリッシュな着こなしとなります。革靴の色として人気の茶色は黒のスーツには合うとはいえず、選ばない方が無難でしょう。

デザインはストレートチップがおすすめです。つま先の部分に横一線のラインが引かれたもので、足元がすっきりとまとまります。

また、靴ひもを結ぶ部分とアッパーが一体化している内羽根式の革靴を選ぶと、フォーマル感を演出することができます。

黒のスーツのコーディネート例

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黒のスーツと礼服との違いや、相性の良いシャツやネクタイについて見てきました。ここでは、黒のスーツのおすすめコーディネートを紹介しましょう。

王道のコーデ

スーツの生地にはシャドーストライプを使い、身頃は腰のあたりを少し絞ったややスリムなシルエットのジャケットを選びましょう。

シャツは、襟がレギュラーカラーもしくはセミワイドカラーで、色は白の無地のものをチョイスします。

ネクタイには、ワインレッドとネイビーを配した、幅が太めのレジメンタルタイを結びます。

足元はストレートチップの黒の革靴を合わせれば、黒スーツの王道コーディネートが完成です。

柔らかくするカジュアルめのコーデ

カジュアルさを楽しみたい人には、ソフトな印象のコーディネートをご紹介します。

スーツは無地とし、シャツは、やや太目のグレーラインを用いたストライプや、ブラックのギンガムチェックなどがおすすめです。

黒のスーツで、ワンランク上のおしゃれをしたい人におすすめです。

フォーマルシーンのコーデ

華やかでフォーマルなパーティーに臨むのであれば、スーツはスリーピースを選びましょう。元来、スーツはベストの着用が正式なスタイルとされています。

白地に無地のワイシャツで、襟はレギュラーカラーかセミワイドカラーに。ネクタイは光沢のあるシルバーにして、ポケットチーフは白のリネンかシルク、もしくはネクタイと同じ色がいいでしょう。

靴は、内羽根式の黒の革靴にすると、さらにフォーマル感が高まります。

正統派フォーマルスタイルに少しアクセントを加えたいなら、うっすらとドット柄が浮かぶ白いネクタイをチョイスしてみてはいかがでしょうか。

結婚式での着こなしも知っておきたい

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日本に暮らす社会人にとって、フォーマルな場として最も一般的なのが結婚式でしょう。

出席する機会が多い結婚式に相応しい着こなしについて、解説していきましょう。

シャツの基本は白

正装として着るシャツの基本は、無地の白とされています。最もオーソドックスで、ポピュラーなスタイルです。

柄のシャツを取り入れたいならば、織り方によってうっすらと模様が浮かぶ程度に抑えることがマナーとなります。それ以上の派手な柄は控えるべきでしょう。

襟はレギュラーカラー、ワイドカラー、セミワイドカラーから選択しましょう。ボタンダウンはカジュアル過ぎるため、結婚式には相応しいとはいえません。

白以外の色であれば薄いサックスブルーまでとし、それ以外の色は避けるようにしましょう。

ネクタイは白かシルバー

ネクタイは、シルバーがベストです。素材には、光沢があるものを選びましょう。

近年はシルバー以外の色を選ぶ人も増えてきましたが、礼儀として、新郎・新婦の衣装の色を邪魔しない色柄を選ぶよう配慮しましょう。

小物にもこだわろう

胸元にあしらったポケットチーフは、フォーマルな装いをより華やかに見せてくれるアイテムです。

基本的には白で無地のタイプをおすすめしますが、ネクタイの素材と同じにすると、よりコーディネートのレベルがアップします。

また、意外と知られていませんが、披露宴への出席にあたっては、男性は手に何も持たない、いわゆる手ぶらで臨むことが基本です。

荷物がある場合には、持ち手のないクラッチバッグをおすすめします。

シーンに合わせて黒スーツを着こなす

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ひと昔前までは冠婚葬祭専用とされ、ビジネスシーンには不釣り合いとされていた黒のスーツですが、近年はオフィスでも活躍するアイテムとなりました。

ただし、ビジネス用として着用するには、注意すべき点や配慮すべきこともあります。ルールやマナーを知り、選び方のポイントを押さえて、黒スーツをスマートに着こなしましょう。

KASHINAVI編集部
KASHINAVI編集部
オーダーメイドブランドのKASHIYAMAによる、知って得するスーツの常識をまとめたコンテンツ「KASHINAVI」を運営。 スーツに関するお悩みに対してナビゲートします。