無地のスーツを着こなそう。色・柄の印象と着こなしポイントを知る
無地のスーツは、毎日のようにスーツに袖を通すビジネスパーソンにとって、とても便利なアイテムです。いろいろなシャツやネクタイとも合わせやすく、必需品ともいえます。色や素材への理解を深め、よりスマートな無地のスーツの着こなしにつなげましょう。
1着は欲しい無地スーツの魅力
スーツにはさまざまなものがありますが、無地は特に人気があります。多様な色・柄のシャツやネクタイとの相性もよく、着回しがきくことが大きな理由でしょう。
1着は持っておきたい無地のスーツの魅力を、改めて確認してみましょう。
シーンを選ばずに使える
社会人として生活していると、オフィスでの業務以外にも、いろいろな場に臨む機会があります。
突然商談が決まることもあれば、予定外の会議に出席しなければならなくなる場合もあるもの。無地のスーツであれば、相手の好みに大きく左右されることなく、どのような人とも無難に顔を合わせることができます。
日頃、スーツルックではなく、カジュアルなファッションで生活している人もいるでしょう。普段着慣れない人が、スーツで臨むべき大切な場ができたとしても、無地のスーツを1着用意しておけば安心です。
色の濃淡や素材感で印象が変わる
無地とはいえ、カラーバリエーションは様々です。色によって印象が大きく変わりますし、同じ系統の色であっても、濃淡で与える印象が異なります。
青系を例に考えてみましょう。ネイビーのスーツには、落ち着きや実直さが備わっています。キャリアがあり、高いポジションにある人にも適した色です。
対してライトブルーには、軽快さや清潔感が感じられます。若いビジネスパーソンが、フレッシュさや、やる気をアピールできる色といえるでしょう。
また、スーツの素材によっても、雰囲気が変わってきます。綿やリネン混にはスッキリとした印象があり、春夏に向いている素材です。
一方、フランネルやツイードには、暖かみや柔らかさがあります。秋冬に人気がある素材です。
無地スーツの色と印象
無地のスーツでも、選ぶ色で印象はガラリと変わります。それほど、色にはイメージを大きく左右する効果があります。
そこで、ビジネスの現場でもよく用いられる3タイプの色を取り上げ、それぞれの印象について考察します。
上品で知的なネイビー
『ネイビー』は、ビジネス用スーツとして最も人気が高い色といえるでしょう。あらゆる業種や職種で、安心して活用できる色です。
ネイビーのスーツには、奇を衒(てら)わない上品さがあります。スタンダードなスーツの色として、社会にしっかり根づいています。
また、洗練された印象も備えており、知性を感じさせる色です。実直な仕事ぶりをアピールできる安定感があります。
清潔でクリーンなイメージも備わっているネイビーは、迷った時に選んで間違いのない色です。
落ち着いた印象のグレーと黒
『グレー』は、ネイビーと並んで定番といえる色です。落ち着きを感じさせ、堅実さを備えている点で、ビジネス用に打ってつけの色といえるでしょう。
グレーのスーツは、色柄を問わず幅広いタイプのシャツやネクタイとの相性も良く、便利なアイテムです。そのような点では、着回しのきく色だといえるでしょう。
『黒』も、近年人気が高まっている色です。ひと昔前までは冠婚葬祭用と考えられ、ビジネスシーンには不釣り合いと考える向きもありました。
しかし近年では、スマートでエレガントな雰囲気がある点で、若い人をはじめ各世代に広がりを見せています。
安心感のあるブラウンカラー
『ブラウンカラー』は、暖かみと柔らかさを備えている点が好印象で、選ぶ人が多い色です。特に、秋冬もののスーツでは、高い人気を誇っています。
ブラウンカラーは、自然を連想させる色合いです。それゆえ、目にする人に穏やかで安心した気持ちを与えられる効果があります。
重厚感があるため、真面目さや堅実さを演出できるのも特徴。安定した仕事ぶりを伝えるに適した色としておすすめです。
無地スーツのかっこいい着こなし方
無地には、質素なイメージを抱く人もいます。そのため、無地のスーツは地味なものと感じる人もいるようです。
しかし、スマートに身に着ければ、シンプルさがかえっておしゃれな印象につながります。無地だからこそ映える着こなし方を、色別に紹介します。
ネイビースーツはブルーのアイテムで統一
ネイビーのスーツは、多様な色目を使うことを避けて、同系のブルーのアイテムで統一したコーディネートをおすすめします。
無地のネイビースーツに、ライトブルーのシャツを合わせます。そしてネクタイには小紋柄を配したブルーのネクタイを。このコーデなら、シンプルな構成が爽やかさにつながり、上品にまとまります。
挿し色として、白のポケットチーフを胸元にあしらうことも有効です。ベーシックな色だけで配色を組み立て、奇抜さに頼らない点に好感が得られやすい着こなしです。
グレースーツは華やかなアイテムと相性良し
グレースーツには、表面的な派手さを排した、実直で堅実なイメージがあります。そのため、落ち着いた色を合わせた方が良いと考える人がいますが、華やかなアイテムとの相性が良い色でもあります。
謙虚さがあるグレースーツには、鮮やかなブルー系のストライプシャツを選びましょう。そこに、ブラウンのネクタイを合わせると、Vゾーンが大人びた雰囲気でまとまります。
白のシャツでベースを作り、赤やグリーンなどのネクタイでアクセントを付けることも効果的です。嫌みを感じさせることなく、社交的なイメージを生む組み合わせになります。
黒スーツは礼服感を出さないように
ビジネスシーンにも徐々に浸透してきた黒スーツですが、礼服のような印象につながらないように、ちょっとした配慮が必要です。グレーのシャツやネクタイでは、お悔やみを連想させてしまうかもしれません。
オフィスでは、白かサックスブルーのシャツを組み合わせることで、シックでモノトーンな装いとなります。
シャツに柄を入れたいならば、織柄がさり気なく入った程度のシャツにしましょう。あまり大味なタイプの柄物だと、まとまりのない印象を与えてしまいかねません。
襟は、スタンダードなレギュラーやセミワイドカラーが無難です。幅が広く開いたホリゾンタルカラーやカッタウェイだと、婚礼用の礼服感が出てしまいます。
無地に見えるシンプルな織柄もおすすめ
一見すると無地に思える織柄を上手に取り入れることで、おしゃれな着こなしを実践できます。ビジネスシーンでも活用できる織柄について紹介しましょう。ビジネスでも使いやすい柄物
織柄にも、数多くの種類があります。その中で、ビジネス用として使いやすいタイプを見てみましょう。
『ヘリンボーン』は、鋭角に波打つラインが幾重にもかかる模様を持つ柄です。柔らかい見た目で、とても人気があります。
『影格子(かげこうし)』も、無地のスーツに適した柄です。光の加減でチェックが浮き出るように見え、立体感があります。
洗練された印象の「シャドーストライプ」
『シャドーストライプ』は、スーツに用いられる織柄として、トップクラスの人気を誇るものです。ハイブランドのスーツでも頻繁に採用されています。
生地を織る際に、糸の方向を縦・横で組み合わせることでストライプ柄が生まれます。明るい色目の生地では柄が目立ちにくいため、濃い色の洋服で選ばれることが多くなります。
シャドーストライプの最大の特徴は、高級感が備わる点です。エレガントな雰囲気が醸成されることが、高級ブランドのスーツで多用される理由でしょう。
大人っぽく着こなせる「シャークスキン」
『シャークスキン』は、白糸と色糸を、縦・横交互に1本ずつ織ることで生まれる柄です。サメの肌を思わせる質感であるため、そのように名づけられました。
派手さはないものの、きめ細やかな風合いで上質な印象を与えます。すっきりとした仕上がりで、スーツの凛々しさにマッチする柄です。
実直さ、堅実さを備えているので、グレー系のスーツとの相性が抜群の織柄といえます。
無地スーツを着こなそう
無地のスーツは、幅広いシーンに対応するため、とても使いやすいアイテムです。好みも大きく分かれないため、どのようなシチュエーションにも安心して着ていけるでしょう。
スーツは色合いによってガラッと雰囲気が異なり、生地の質感によっても印象が大きく変わります。基本的なポイントを押さえて、無地のスーツをかっこよく着こなしましょう。