ワイシャツ「袖」の正しい長さ。袖が長いときの調節方法も解説
シャツの袖をおしゃれにしたいと考えているなら、ジャケットから1〜2cmほど出した長さにする必要があります。さらに、カフス・カッティング・ボタンの種類を知っていれば、着こなしの幅をより広げられます。着こなし方と袖が長い場合の調整方法を紹介します。
ワイシャツの正しい袖の長さとは?
適正な袖の長さのワイシャツを着用すれば、スーツ着用時の見た目が良くなります。袖の長さで選ぶなら、自分の裄丈をチェックしておきましょう。
ジャケットから1〜2cm出る長さ
ワイシャツの袖の長さは、ジャケットの袖からワイシャツが少し出る程度の長さが理想です。ジャケットを着て腕を真っすぐに下げた際、ジャケットから袖が少し出ていれば、見た目が良くなります。
ワイシャツがジャケットの袖から出る長さは、腕を伸ばした状態で1〜2cmを目安にしましょう。感覚的には、ワイシャツの袖が手首の骨にかかる程度の長さです。
ワイシャツの袖を適正な長さにすることで、腕を楽に動かせるようになる点もポイントです。腕を曲げたり上げ下げしたりするときに、ワイシャツで突っ張る感じがしなくなるでしょう。
裄丈をチェックすることが大切
適正な袖の長さのワイシャツを選ぶためには、自分の『裄丈』を確認しておくことが大切です。裄丈は、首の付け根の中心から肩を経由し、手首の付け根までの長さを指します。
メジャーで測る際はメジャーをピンと張らず、自然に伸ばした状態で測りましょう。他の人に測ってもらえば、より正確に計測できます。
既製品の裄丈は、『襟回り-裄丈』の表記から判断できます。『39-84』と表記されていれば、84cmがそのワイシャツの裄丈です。
自分の裄丈より1〜2cm長めのものを選べば、適正な袖の長さのワイシャツを入手できます。クリーニングに出すと縮むことがあるため、もう少し長めのものを選んでも良いでしょう。
ワイシャツの袖の留め方による種類
ワイシャツのカフスにこだわれば、袖口からもおしゃれを演出できます。代表的なカフスの種類や袖の留め方をチェックしましょう。
「シングルカフス」と「ダブルカフス」
袖口に折り返しがなく、片方のボタンで留めるタイプが「シングルカフス」です。最もスタンダードなタイプであり、ビジネスシーンに向いています。
フォーマルなシーンでは、ハード仕上げが施されたシングルカフスが正式なスタイルとされています。
「ダブルカフス」は、袖口を折り返して二重にし、カフスボタンで留めるタイプです。ドレッシーなワイシャツによく使われており、ファッション意識の高さを印象付けられるでしょう。「フレンチカフス」と呼ばれることもあります。
「コンパーチブルカフス」と「テニスカフス」
「コンパーチブルカフス」は、両方にボタン穴が開けられ、片方のみボタンが付いているタイプです。ボタンで留めるだけでなく、カフスボタンも使用できます。
1枚のワイシャツで2種類の留め方を楽しめる点が魅力です。カフスボタンを使用する場合は、両方の内側同士を合わせて留めます。
シングルカフスに、ボタンが付いていないタイプが「テニスカフス」です。カフスボタンを使用し生地の内側を合わせて留めます。主に正礼装で使われるタイプです。
「ターンナップカフス」
「ターンナップカフス」は、袖口を折り返して二重にするタイプです。同じく折り返すタイプのダブルカフスと違い、折り返した後の内側にボタンが付いています。
折り返すほうの袖口の両角は、斜めにカットされたデザインです。ドレッシーなワイシャツに多く使われており、エレガントな雰囲気を醸し出せます。フォーマルシーンには向きません。
ボタンやステッチに色を付けるなど、デザイン性の高いものもあることが特徴です。「ミラノカフス」や「ターンバックカフス」と呼ばれることもあります。
そのほかワイシャツの袖の種類
ワイシャツの袖は、カッティングやボタンの種類でも分けられます。それぞれの特徴を知り、ワイシャツ選びや着こなしの際に生かしましょう。
カッティングによる種類
ワイシャツの袖口は、カッティングの方法により、いくつかのタイプに分けられます。主なタイプは、「スクエア」「ラウンド」「バレル」の3種類です。
袖口が直角になっている「スクエア」は、角をカッティングしていないスタンダードなタイプです。袖口がスクエアのシャツは、どのようなシーンでも無難に着用できます。
袖口の角が丸みを帯びているタイプが「ラウンド」です。半径の大きさにより、小丸と大丸に区別されます。大丸のほうが、より柔らかな印象を与えられるでしょう。
袖口の角が斜めにカッティングされている「バレル」は、デザイン性の高い襟と相性が良いタイプです。袖口で個性を演出したい人に向いています。
ボタンによる種類
ワイシャツの袖口は、ボタンの付き方でも区別できます。主なボタンの種類は、「シングルボタン」「ツインボタン」「アジャストボタン」です。
ボタンが一つのみ付いた「シングルボタン」は、最もベーシックなタイプです。シンプルですっきりとしているため、誠実な印象を与えられます。
ボタンが縦に二つ並んでいるタイプが「ツインボタン」です。カッティングのタイプがバレルの袖口に使われている場合、「ツインバレル」とも呼ばれます。手首にしっかりとフィットしやすい点が特徴です。
「アジャストボタン」は、ボタンを横に二つ並べたタイプです。コンバーチブルカフスと組み合わせることが多く、袖口の広さを調節できます。
ワイシャツの袖が長いときの対処法
ワイシャツの袖が長い場合、スーツから袖口が大きくはみ出てしまい、見た目が悪くなってしまいます。袖が長いときの対処法を覚えておきましょう。
ボタンの位置で調整する
ワイシャツの袖の長さは、袖口のボタンの位置を変えることで調整できます。袖口が引き締まるようにボタンを付け替えれば、ちょうど良い位置で袖口を留めることが可能です。
ボタンの位置は、内側に向けて2〜3cmずらして付け替えると良いでしょう。袖の長さが5cm程度長くなってしまう場合に有効な方法です。
ただし、あまりにも長い袖でこの方法を使うと、袖がだぶついてしまうため注意が必要です。
袖口にボタンが付いていないタイプや、ボタンの付け替えが困難なタイプなら、カフスボタンを別に付けることで対応できます。
「アームバンド」「シャツガーター」を使う
袖の長さを調整する手段としては、「アームバンド」や「シャツガーター」を使う方法もあります。いずれも手軽に袖の長さを短くできるアイテムです。
輪の形をしている「アームバンド」は、適切な長さになるまで袖を手繰り寄せ、二の腕付近で留めて使います。使い勝手の良さが特徴です。
「シャツガーター」は、二つ付いているクリップで袖をたくし上げて使うアイテムです。アームバンドに比べ多少の手間を要しますが、デザインが豊富に用意されているため、着こなしのアクセントとしても使用できます。
長い場合は袖丈を詰める
ボタンの位置の調整やアイテムの使用でも袖を短くしにくい場合は、専門店で袖丈を詰めてもらいましょう。袖自体の長さを直してしまえば、調整に手間をかけずに済みます。
袖丈詰めには、「剣ボロ」を移動する方法と、剣ボロをカットする方法の2種類があります。剣ボロとは、袖先の切り込み部分に付けられた、短冊状の細長い布のことです。
専門店に袖丈詰めを依頼する場合、費用がかかってしまうこと、ワイシャツのシルエットが変わる可能性があることがデメリットです。
思ったような仕上がりにならないリスクを考慮するなら、自分に合う袖の長さでシャツを作れるオーダーシャツを検討してみても良いでしょう。
袖に気を付けてシャツを着こなす
ワイシャツの袖の長さは、ジャケットから1〜2cm出る程度が理想です。「カフス」「カッティング」「ボタン」の種類にこだわれば、袖口でおしゃれを演出できます。
ワイシャツの袖の長さが気になる場合は、ボタンの位置の調整やアイテムの活用で対応することが可能です。袖丈詰めやオーダーシャツも検討し、適正な袖丈のシャツを着こなしましょう。