第一印象を左右する「スーツの着丈」見せたい自分を演出する方法
自分のスーツ姿に違和感があるなら、着丈が適正な長さではない可能性があります。スーツの着丈は第一印象を決める要素であり、自分に合った長さのスーツを選ぶことが大切です。スーツの着丈の適正なサイズや、長さで変わる印象を解説します。
スーツの着丈とは?
スーツの着丈は、見た目の印象に大きな影響を与えます。着丈の意味や重要性を理解しておきましょう。
襟の付け根から裾の一番下までの長さ
スーツの着丈とは、ジャケットの縦の長さを指します。具体的には、襟の付け根の中央部分から、裾の先端までを一直線に測った長さです。
ひと昔前のスーツは、ゆったりとした大きめのシルエットが主流でした。その後は、タイトなスーツが流行し、現在は少し大きめのサイズを着るのがトレンドです。
既製品のスーツも、着丈が長めのものや短めのものが、時代のトレンドに合わせて流行します。極端な着丈のスーツは古めかしい印象を与えてしまうため、その時代のトレンドも意識して選ぶことが大切です。
着丈は印象に影響する
スーツの着丈は、着用する人の印象を大きく左右する要素です。特に、後ろ姿の印象に影響を与えます。
着丈が短すぎると見た目が子どもっぽくなり、長すぎる場合はだらしない印象を与えてしまいます。どちらのケースも、ビジネスシーンでは避けるべき着こなしです。
カジュアルなジャケットの場合、近年は短めの着丈のものが多く選ばれています。しかし、ビジネスシーンでカジュアルさを演出する必要はありません。
人と会うことが多い仕事をしているなら、スーツの着丈には特に注意を払う必要があります。適切なサイズのスーツを着ることで、仕事にも良い影響を与えやすくなるでしょう。
一般的な着丈の目安
スーツの着丈には、違和感のない見た目になる、一般的な目安があります。より明確な数字を導き出せる計算式も覚えておきましょう。
ヒップラインが少し見える程度の長さ
一般的な着丈の目安は、お尻が完全に隠れない程度の長さです。お尻の下の線であるヒップラインが、裾の下に少し見える長さを意識しましょう。
背が低い人の場合は、裾の位置をもう少し上にすると、バランスの取れた印象を与えられます。この場合でも、お尻が半分以上隠れる長さが適切です。
ヒップライン以外の目安としては、襟の付け根からパンツの裾まで結んだ中央にジャケットの裾が位置すると、バランスの良い着こなしになるという目安もあります。
スーツ着用時の印象は、座高や足の長さでも変わります。一般的な目安を基準とし、お店の人などにも相談しながら、自分に適した着丈を見極めることが重要です。
適正な着丈を知るための計算法
自分に合った着丈を知る手段としては、計算式を用いる方法もあります。身長から25cmを引き、その数字を2で割り、最後に1cm引く流れです。式にすると以下のようになります。
- (身長−25cm)÷2−1cm=適正な着丈
身長が175cmの人なら、適正な着丈は(175cm−25cm)÷2−1cm=74cmと計算できます。身長180cmの場合は、(180cm−25cm)÷2−1cm=76.5cmです。
一般的な体形の人なら、この計算法で導き出した着丈のスーツを着れば、違和感のない見た目になるといわれています。スーツを選ぶ際の参考にしてみましょう。
着丈の長さによる印象
着丈が短い場合と長い場合とでは、見た目の印象に大きな差があります。それぞれの印象を知っておくことで、立場や状況に合わせてスーツを選べるようになるでしょう。
短め:スマートに見える
着丈が短めのスーツを着た場合、パンツの見える部分が増えるため、足を長く見せられます。ただし、スマートに見えるのは、お尻が小さい人に限られるでしょう。
カジュアルな印象を与えやすいことも、着丈が短いスーツの特徴です。社内での立場が高い人なら、スーツでカジュアルな雰囲気を醸し出せるため、緊張感のある場を和ませる効果が期待できます。
着丈が短いスーツは、若者を中心に2010年代に流行しました。タイトな着こなしになり、お尻が半分見える程度まで着丈が短くなった時期もあります。
長め:信頼感が増す
着丈が長いスーツは、どっしりとした見た目になり、貫禄や信頼感を出せることが特徴です。
着丈が短いと軽い印象を与えるため、信頼感を出すのは難しいでしょう。会社で部下を従える立場の人に向いたタイプといえます。
ただし、重くて野暮ったい印象も与えやすいことから、場の雰囲気にそぐわないこともあるでしょう。
着丈が長めのスーツは、バブル期から2000年代ごろにかけてはやったタイプです。多くのビジネスマンが、ジャケットとパンツの両方ともオーバーサイズのものを着用していました。
スーツの着丈は直しができる?
スーツの着丈を短くしたい場合は、スーツ量販店で直してもらえます。スーツで直せる部分や、直してもらう際に必要な費用の相場をチェックしましょう。
基本的に直すことが可能
スーツのジャケットで直しができる主な部分は『着丈』『袖丈』『身幅』です。ただし、多くの場合、身幅はほとんど変わらない程度にしか調整できません。
既製品のスーツなら、ジャケットの着丈は直しにより2〜3cm詰められます。袖丈は1〜2cm短くすることが可能です。
ジャケットの直しで可能なのは長さを短くすることのみであり、サイズを大きくすることは基本的にはできません。
パンツに関しては、『ウエスト』『わたり』『ヒップ』『裾幅』などを直してもらえる可能性があります。
直しにかかる相場費用
スーツ量販店を利用した場合、着丈の直しにかかる費用の相場は約2000円が目安です。仕上がるまでの期間は、1週間程度みておくと良いでしょう。
一方、洋服直しの専門店に頼む場合、着丈の直しの費用は一般的に4000〜5000円かかります。確かな技術を持つプロに調整してもらえる分、費用の相場は高めです。
できるだけ費用を抑えたいなら、量販店への持ち込みがおすすめです。仕事が忙しくてお店に行けない場合や、近所にお店がない場合、専門店なら郵送でも対応してもらえることがあります。
適正サイズのスーツはオーダーがおすすめ
サイズの合うスーツが既製品で見つからないなら、オーダースーツを検討しましょう。自分に合った1着を作れる上、自分好みのデザインでオシャレも楽しめます。
自分の体形・雰囲気に合った1着が作れる
スーツの種類は、『既製品』と『オーダースーツ』に分けられます。完成した状態でお店に売られている既製品と異なり、オーダースーツは注文を受けてから作るタイプのスーツです。
比較的安価な点や、欲しいときにすぐ購入できる点が、既製品のメリットです。ただし、既製品は自分にしっかりフィットしたものを見つけにくく、デザインも限られています。
一方、オーダースーツなら既製品のデメリットを解消できます。採寸してから作り始めるため、自分の体形にピッタリと合うスーツを作ることが可能です。色柄やデザインも自由に決められます。
既製品の場合、着丈が自分に合う長さでも、その他の部分まで自分に合うとは限りません。しかし、オーダースーツなら、着丈を含めた全ての部分を適切な長さにできます。
さりげないオシャレが楽しめる
自分好みのさりげないオシャレを楽しめることも、オーダースーツのメリットです。細部にまでこだわれるため、自分の意向がふんだんに反映された1着を作れます。
例えば、オーダースーツなら、見たことがないような種類のボタンを選ぶことが可能です。気に入ったボタンを採用すれば、ワンポイントのアクセントにできます。
裏地選びにこだわれるのもポイントです。珍しい色柄やデザインを選べるほか、着心地の良い裏地を選べば着用感を高めることも可能です。
スーツの着丈で与える印象は異なる
スーツの着丈は、見た目の印象を大きく左右します。一般的な着丈の目安は、ヒップラインがわずかに見える程度の長さです。
着丈が短いとスマートに見えやすくなり、長めにすれば信頼感が増します。スーツの着丈は直すことも可能ですが、より自分に合ったスーツを着用したいなら、オーダースーツも検討しましょう。