【黒スーツはビジネスで使える?】礼服との違いと着回しのコツをわかりやすく解説
黒のスーツを一着持っておけば、通勤にも冠婚葬祭にも使えて便利ではないか。そう考えて選んだものの、着てみたら「喪服みたいだ」と言われた、というお話は決して珍しくありません。
そもそもビジネス向けの黒と、礼服の黒は、染めの段階から別のものとして作り分けられています。本記事では、黒スーツがビジネスで敬遠されやすい理由、礼服との違い、着てよい場面と控えたい場面、そして手持ちの小物と合わせるコツを紹介します。
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ビジネスで黒スーツが敬遠されやすい理由
黒はスーツの色として珍しいものではありません。しかし、ビジネスの定番かというと少し事情が変わります。敬遠される背景にあるのは、見え方の問題と、業界ごとの慣習です。
【見え方】礼服との見分けがつきにくい
黒スーツが避けられるいちばんの理由は、遠目に礼服と区別しづらいことにあります。近くで生地を見れば違いは分かりますが、すれ違う程度の距離では、黒はどれも同じ黒に見えてしまうもの。
弔事の装いを連想させてしまうと、相手に余計な気遣いをさせることにもなりかねません。
【印象】かしこまって見えて、場から浮くことがある
黒は引き締まって見える反面、装い全体を硬く見せる色でもあります。商談やあいさつ回りのように、相手との距離を縮めたい場面では、硬さがそのまま壁になってしまうことも珍しくありません。
ネイビーやグレーが長く定番とされてきたのは、堅すぎず崩れすぎない中間の印象を作りやすいからでしょう。
【慣習】業界や職種によって受け止め方が変わる
一方で、黒が当たり前に使われている職種もあります。冠婚葬祭に関わる仕事、司会業、ホテルやブライダルの現場では、黒が制服に近い扱いをされているケースも見られます。
黒が浮くかどうかは、色の問題というより、働く現場で何が標準とされているかで決まってくるのです。
ビジネススーツの黒と礼服の黒は別物
同じ「黒」と呼んでいても、ビジネススーツの黒と礼服の黒は、染めから織りまで別物として作られたものです。**見分けの目安を押さえておくと、手持ちの一着がどちら寄りなのか判断しやすくなるはずです。
【黒の深さ】礼服は濃染加工で黒を沈ませている
礼服の生地には、光を吸い込むような深い黒に仕上げるための染めの処理が施されています。一般的なビジネススーツの黒は、そこまで黒を追い込んだ作りではありません。
並べて比べると、礼服のほうが明らかに黒く、ビジネス用は少し灰色がかって見えるはずです。
【生地と織り】光沢の出方で印象が変わる
ビジネス用の黒に多いのは、織り柄や控えめな艶を持たせた生地です。シャドーストライプやヘリンボーンのように、光の当たり方で柄が浮かぶ生地なら、黒一色でも表情が出ます。
織りに変化のある黒を選んでおくと、礼服との距離を取りやすくなります。 礼服は、光沢を抑えた無地が基本とされることが多いです。
【見分け方】ビジネスの黒と礼服の黒を見比べる
判断に迷ったときは、次の軸で手持ちの一着を確かめてみてください。
| 見る場所 | ビジネス向けの黒 | 礼服(ブラックフォーマル)の黒 |
|---|---|---|
| 黒の深さ | やや浅く、灰色がかって見える | 濃染加工で深く沈んだ黒|
| 生地の柄 | 織り柄や控えめな艶が入ることも | 無地が基本とされる |
| 光沢 | 光を受けて表情が出る | 光を抑えた仕上げ |
| 主な出番 | 通勤や商談など日常の業務 | 慶弔の場 |
※仕立てられた年代やブランドによって差がありますので、迷う場合は購入店でご確認ください。
黒スーツを着てよい場面と、控えたほうが無難な場面
黒スーツは「使えない色」ではありません。向いている場面と、別の色に回したほうが無難な場面を分けて考えると、一着として扱いやすくなります。
【使いやすい場面】黒が自然に収まるシーン
黒が力を発揮するのは、きちんと感を前面に出したい場面です。
- 入社式や式典など、あらたまった社内行事
- 就職活動の面接や会社説明会、インターンシップ
- 夜の会食やパーティーを兼ねた会合
いずれも硬さが礼儀として受け取られる場面です。
【控えたい場面】別の色に回したいシーン
逆に言えば、日々の業務では黒が浮きやすくなります。
- 初対面の商談や、関係を作りたいあいさつ回り
- 私服寄りの社風の会社を訪問するとき
- 弔事のあとで、周囲が装いに敏感になっている時期
判断に迷ったら黒を外し、ネイビーやグレーに回しておくと収まりがよくなります。冠婚葬祭の装いについては地域や家によって考え方が異なりますので、身内の行事では周囲の装いに合わせて選ぶとよいでしょう。
ビジネスで黒スーツを着るときの合わせ方
黒を着ると決めたなら、合わせる小物で礼服との距離を取りましょう。シャツ・ネクタイ・足元の3か所を押さえておけば、同じスーツでも印象は変わります。
【シャツ】白一辺倒から少しずらす
白シャツに黒スーツ、黒ネクタイという組み合わせは、弔事の装いそのものになってしまいます。ライトブルーやサックス、細いストライプのシャツを合わせると、黒でもビジネスの装いとして読み取られやすくなるでしょう。
襟型はレギュラーでもワイドでも差し支えありません。
【ネクタイ】黒無地と白無地は外しておく
黒無地は弔事、白無地は慶事の装いとされることが多く、通常の業務からは外しておきたいところです。黒スーツの締め色には、ボルドーやシルバーグレー、青系の柄物が合わせやすくなります。
無地よりもストライプや小紋のように柄の入ったものを選ぶと、フォーマル寄りの印象がやわらぎます。
【靴とベルト】黒で揃えつつ質感を変える
靴とベルトの色は黒で統一しましょう。ただし、内羽根のストレートチップは礼装寄りの形とされるため、外羽根の靴を合わせると装い全体が日常寄りに寄ってくれます。
足元は、その日の装いが礼装寄りか業務寄りかが、いちばん分かりやすく出る場所です。
就職活動での黒スーツと、一着目の選び方
黒スーツの立ち位置は、社会人と学生とで少し異なるところです。一着目に何を選ぶかも、着る場面によって考え方が変わってきます。
【就職活動】学生の黒は定番として扱われている
就職活動やインターンシップの場では、黒のスーツが今も標準的な装いとして扱われています。
説明会や面接では周囲も落ち着いた色で揃うことが多く、黒が浮く場面は限られるでしょう。ネクタイはシルバーやネイビーの幅広のレジメンタルを合わせると、顔まわりが明るく見えます。
【一着目の選び方】ネイビーやグレーと比べて考える
社会人になってからの一着目に黒を選ぶかどうかは、働く場面によって判断が分かれるところです。毎日の通勤で着回すつもりなら、ネイビーやチャコールグレーのほうが出番は多くなります。
黒は二着目以降、式典や夜の会合など用途を決めて足していくと無駄になりません。
まとめ
黒スーツはビジネスで使えない色ではなく、場面を選んで着る色だと考えましょう。礼服の黒は染めの段階から深く沈ませてあり、ビジネス向けの黒とは生地の作りが異なります。日々の商談やあいさつ回りではネイビーやグレーに回し、式典や就職活動、夜の会合といった場面でこそ黒が活きてくるはずです。
着るときはシャツを白から少しずらし、黒無地のネクタイを外し、足元の形で日常寄りに寄せます。手持ちの一着が礼服寄りなのか、一着目に何を選ぶべきか迷われている方には、KASHIYAMAが体型とお仕事の場面に合わせた生地選びからご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
黒の深さや織りの違いは、写真で見比べるとつかみやすい部分です。公式Instagramでは、生地ごとの表情が分かる一着をご紹介しています。手持ちの黒がどちら寄りか迷われたときの参考にしてみてください。
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